ブルゴーニュで不当に評価が低かったあるアペラシオンの不思議なテロワール

【ワインマニアック講座 ~禁断のテロワール~】マニアがドンドン深みにハマって逃れられないワインの世界。ならば、もっとズボズボっと深みにハマるのも一興。世界中のワイン生産者に出逢い、ワインについて様々な経験・知識を持つ日本屈指のワインジャーナリスト・柳忠之さんが“禁断”のテロワールについて、知られざる話をそっと教える。

2016年08月03日
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ブルゴーニュで不当に評価が低かったあるアペラシオンの不思議なテロワール
Summary
1.ワイン好きなら誰もが知るブルゴーニュの複雑なテロワール
2.コート・ド・ボーヌでありながら、コート・ド・ニュイに見られる特徴のあるアペラシオンとは?
3.不当に評価が低いこの地にあってライジングスターと呼ばれる生産者

ブルゴーニュのテロワールは突き詰めようとすればするほど複雑で矛盾だらけ。なるべくなら避けたいテーマなのですが(苦笑)、ひとつだけご紹介したいアペラシオンがあり、ここで取り上げることにしました。

さてブルゴーニュ、それもコート・ドールの土壌は、地質年代上、ジュラ紀にあたることは皆さんご存知だと思います。ジュラ紀といえば、映画「ジュラシック・ワールド」からもわかるように恐竜が地球上を支配していた時代です。

ところがその頃、ブルゴーニュは海の底でした。それもトロピカルな海。海中には有孔虫やウミヨリ、円石藻などが棲息していて、それらが死骸となった時に炭酸カルシウムを主成分とする殻が海底に堆積。石灰岩を形成します。その後、アルプス造山運動によって隆起したのが、今日のコート・ドールの母岩というわけです。

さて、、、

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