【銀座】黒毛和牛のトップブランド「佐賀牛」を堪能できる『佐賀牛restaurant Sagaya』

2016年10月12日
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【銀座】黒毛和牛のトップブランド「佐賀牛」を堪能できる『佐賀牛restaurant Sagaya』
Summary
1.佐賀牛は一頭買い! 佐賀の食材にこだわりぬいた焼肉店『佐賀牛restaurant Sagaya』(銀座)
2.現地の蔵巡りをして選び抜いたワインと日本酒
3.有田焼の美しい器にうっとり! 貴重な骨董品も!

料理、酒、器、佐賀の素晴らしさを伝えてくれる『佐賀牛restaurant Sagaya』

食材も器も佐賀にこだわりぬいた店『佐賀牛restaurant Sagaya』が銀座にある。組子など日本工芸の素晴らしさ、照明の美学を感じる店内はまさに“銀座”ならでは。その風格ある空間で最高の佐賀牛と美しい器を堪能できる。なぜならここは佐賀で最高ランクA5等級の佐賀牛のみ使用の焼肉店を経営する株式会社ナチュラルフーズが母体なので、佐賀牛は一頭買い、野菜、米も地元の良い食材を仕入れることができる。料理はイタリアで修業を重ね、都内のホテルやレストランで研鑽を積んだ只野晴久氏が、佐賀牛の魅力をあますところなく表現している。

早速、料理を紹介しよう。本日は「おまかせコース」をお願いした。アミューズ2種類、前菜の後のスペシャリテ「佐賀牛モモの昆布締めのタルタル」が絶品! モモ肉を昆布で締め、真空で低温調理したタルタルは昆布のグルタミン酸と肉のイノシン酸で生よりもしっとりとうまみが増している。その上に唐津のウニをのせれば黄金コンビの完成。山葵の味がするナスタチュームとともにパリッとした有明の佐賀海苔で巻きウニのザバイオーネソースをたら〜り。想像してみて! 幾重にも広がる味のオンパレードを!

合わせたのは佐賀の名酒「鍋島」のひやおろし。昆布と肉からでる酸のマリアージュ。火入れしたひやおろしはコクがでてうまみがしっかりでてくるのでタルタルにもウニにもベストマッチ。

器とタンブラーは有田の「やま平窯」。江戸時代から明治にかけて輸出用に作られ西洋人から絶賛された“卵殻手”と呼ばれる「エッグシェル」は薄さが1mmなのに丈夫なことで話題となった。こちらではビールグラスに使っているが持った瞬間その軽さに驚く。その薄さゆえ、光を透過し飲みものによって彩を変えて本当に美しい。

おまかせの一品目はハツを使ったお料理。李荘窯4代目当主、寺内信二氏の皿にリゾット風に仕上げた佐賀の古代米を敷き、ぶどうの葉で蒸し焼きにしたハツをのせている。ソースはドライトマト、シェリビネガー、鶏のダシに山椒を効かせたもの。このソースの酸味が絶妙! ぶどうの葉の上のあられにした古代米をパラパラと降りかけると、これがまた食感の良いアクセントになるのである。それにしてもハツがなにやら超高級な肉にみえてくる。器の力って偉大だ。

ボルドー・サンテミリオンの「シャトーマトラス グラン・クリュ 2007」はバックヴィンテージで鉄っぽさ、ドライフルーツ、オリーブの香りがハツやドライトマトに寄り添うワイン。

骨董の素敵な器が運ばれてきた。蓋を開けるとまずは青みかんを削った爽やかな香りに癒され、次に優しい色使いで気持ちが穏やかに。

おまかせ二品目のラビオリである。冬瓜(とうがん)やじゅんさいのツルッとした食感に合わせ、皮にはセモリナ粉ではなく一般的な強力粉と薄力粉をブレンドした日本の粉を使い、ワンタンのような口あたりに仕上げている。次のメインの塊肉の前にさっぱりとリセットさせてくれるひと皿。見た目や食材は和の要素なのにきっちりとイタリアンテイストにしてくるところが見事である。

仏ブルゴーニュの「ドメーヌ・コルディエ マコン オー ボワ ダリエール2014」にチェンジ。野菜の青さに合わせたライム、グレープフルーツ、ミントの香りを楽しめる白ワイン。

いよいよ本命の佐賀牛ステーキが! 赤身肉のうまさを実感

おまちかねの佐賀牛ステーキが登場! プラス料金でサーロインとヒレも選べるが初めてなので赤身ランプをオーダー。良質な水と恵まれた自然環境で育てられた佐賀牛はきめ細やかな肉質と溶けるような脂肪を持ち、肉そのものに甘みとコクがある。だから糸島の「花の結晶」という塩をふりかけるだけで、あえてソースはなし。「本当は付けあわせすら外しても良いと思っています。余計なものを一切なくして肉だけを味わってもらいたい。それだけおいしさに自信があります」と只野料理長。確かに肉ってこうでなければと思い出させてくれる。しっかりとしてやわらかく噛みごたえがあり、育ってきた環境をイメージできるようなランプならではの肉質。ゆっくりと火入れしたのだろう、肉汁が十分にいきわたっていてうまみがつまっている。赤身でその牛の良し悪しがわかると言うが、この佐賀牛は別格である。こうなると他の部位も食べてみたくなる。

そうそう、ペアリングはイタリアトスカーナの「レ・ラニャーイエ ブルネッロ ディ モンタルチーノ 2011」。イタリアではビステッカ(肉料理)に合わせるのはブルネッロって言われているのだそう。2011年は凝縮感があるけれども早飲みの年なので今、まさに飲み頃。タンニンと酸があり力強く間違いなくおいしいワイン。

もっと佐賀牛の味を追求したくなりアラカルトで「焼きしゃぶ」を追加した。脂がのったリブロースをさっと焼いて大根おろしを巻いて食べる。

しかも大根は鬼おろしと普通のおろしのミックスで異なる食感を楽しめる。うわっ、なるほど、溶けるとは良く言ったものだ。融点が低い脂の佐賀牛は、ちょっと焼いただけでもジューシーで甘みがでる。すき焼き風に卵で食べるのも良いが、大根おろしとポン酢っていうのもキリッとして良い。

このあと出されたのが有田焼の土鍋で炊いた「佐賀ヒノヒカリ」。農家の家庭用に栽培されたものを特別に分けてもらっているそうだが、米がたっていて粘り気と甘みがある。佐賀の食材はまだまだ奥が深そうだ。

あわせたのは日本が誇る勝沼「鳥井平今村 キュヴェ・ユカ2004」は国産ワインにしては珍しく長期熟成させてから出す造り手。ブラッククイーンとマスカットベーリーAのブレンドは凝縮感がりきれいに熟成している。だからまろやかな口あたりと柔らかな酸味とタンニンがあり、リブロースの脂を上手に流してくれる。
肉をのせた皿は佐賀の400年続く老舗窯、今右衛門の骨董品。伝統の色鍋島にふさわしい見事なサシが入ったリブロース。上質なもの同士の組み合わせは心底惚れ惚れしてしまう。

赤身もリブロースも堪能したのでデザートへ。佐賀の巨峰をいろいろな調理法で変化させている。下から巨峰の粒、皮や種を白ワインで煮出しシナモンや八角の香りをまとわせたジュレ、グラニテ、牛乳のパウダー、白胡椒のアイスを層にしたスパイシーさが魅力。温度、食感、甘さの異なる巨峰が楽しく、特にジュレの香りとプルプル加減はやみつきになる。

最後はシャトーデュケムのセカンドと言われているのにシャトーが“認めないが否定もしない”という曰く付きの面白いデザートワイン。なのでラベルが“ソーテルヌ”としか書いていないのである。しかしフレッシュな酸味と甘み、そして蜜のコクはさすがの味で白胡椒のアイスや巨峰にあう。

コースのシメは嬉野茶。軟水で4〜6時間水出ししたお茶は味が濃く、まろみがある。とろんとした感じは“まるい水”とはこういうものだと教えてくれているようだ。

佐賀の文化や伝統を食事をしながら愛でられる

このところ和食だけにとどまらず、フレンチやイタリアン、中華でもモダンな有田焼の器をよく目にする。いま、有田では窯元がプロジェクトチームを作り、国内外のシェフとコラボレーションして器を作る「ARITA PLUS」が注目されているそうで、こちらで使用している器や皿もそのひとつである。器によってこうも食材の映え方が違うものなのかを目の当たりにすれば、おのずとその器について知りたくなる。そうやって佐賀の食材や食器を通して伝統や文化を伝えることもこの店の存在意義なのかもしれない。

(メニュー)
おまかせコース/13,800円
SAGAYAコース/10,800円
佐賀牛モモの昆布締めのタルタル 雲丹のザバイオーネ 有明海苔添え/2,000円
佐賀牛ロースの焼きしゃぶ鬼おろしのみぞれ添え/2,400円
ペアリング(7種)/7,000円
※コースは税込、アラカルトは税別

佐賀牛restaurant Sagaya

住所
東京都中央区銀座2-5-19 6F
電話番号
050-5485-5908
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
営業時間
ランチ 12:00~15:00
(L.O.14:00)

月~日
ディナー 17:30~21:00
(L.O.20:00)
※東京都の要請に従い1 月 21 日から 3 月21日まで時短営業いたします。
定休日
不定休日あり
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/2cbvwewy0000/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。