フレンチ好き必見!『Chez Inno(シェ・イノ)』出身のシェフによる、カジュアルなフレンチが話題

2016年12月08日
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フレンチ好き必見!『Chez Inno(シェ・イノ)』出身のシェフによる、カジュアルなフレンチが話題
Summary
1.伝統あるフレンチの名店出身、2人のシェフがタッグを組む
2.ビストロ×ガストロノミーの良いとこ取りが『ビストロノミー』
3.テーブルをキャンバスに、自分だけの料理の彩を自由自在に描ける

伝統あるフレンチの名店出身、2人のシェフがタッグを組む

2016年10月、中目黒に一軒の新たなスタイルのレストランが誕生した。「新たな食文化をつくりたい」との想いから、京橋の伝統あるフレンチ『Chez Inno(シェ・イノ)』出身の二人のシェフがタッグを組み、東京フレンチの新時代を切り開く。そのレストランの名は、『BISTRONOMIE CANVAS(ビストロノミー キャンバス)』。

エグゼクティブシェフを務める乙坂佳史氏(左)は、18歳から『シェ・イノ』で修業をはじめ、フランス・パリ12区にある星付きのレストラン『デルス(Dersou)』で経験を積んだ。帰国後は実家のパティスリーを受け継ぎ、浅草・隅田川近くの蔵前にある、『Pâtisserie Clair de lune (クレールドゥリュンヌ)』のオーナーシェフとして、さらなる実力を発揮。

そんな経験豊富な乙坂氏とコラボレーションするのは、ともに『シェ・イノ』時代に切磋琢磨したシェフ・栗原和幸氏(右)だ。栗原氏は18年間、『シェ・イノ』のグランシェフ・井上旭氏の愛弟子として研鑽し、グランメゾンの品格を支え続けた逸材。そんな二人が今回、満を持して再び同じ厨房で料理の腕を振るうとあって、世のグルマンの間では話題騒然だ。

ビストロ×ガストロノミーの良いとこ取りが『ビストロノミー』

ところで、『ビストロノミー』というこのジャンル名を聞き慣れている人は、まだそう多くないのではないだろうか。『BISTRONOMIE(ビストロノミー)』とは、フレンチレストランにおける『BISTRO(ビストロ)=カジュアルな大衆レストラン』と、『GASTRONOMIE(ガストロノミー)=美食学をテーマに掲げる高級レストラン』の2つのジャンルを表す言葉を掛け合わせた造語である。つまり、『カジュアルに美食を愉しめる』という、フレンチレストランの良いとこ取りとも言える、なんとも贅沢な新ジャンルなのだ。正統派フレンチで長年経験を積んだ二人のシェフが、フランス料理の新たな挑戦スタイルとして選んだ『ビストロノミー』は、果たしてどのように展開していくのだろうか。

テーブルをキャンバスに、自分だけの料理の彩を自由自在に描ける

屋号に大きく掲げられている『キャンバス』が、まさしく同店のコンセプトの核を表している。5,000円 (税抜)のディナーコース(4品)では、ゲストが一皿一皿の素材・調理法・ソースをお好みで選び、自分だけの一皿を決めてコースを自由に構成することができる。「一枚一枚のお皿にお客様自身で料理を描いていただきたい」との想いが具現された、プリフィックスを超えるセミオーダースタイルだ。

たとえば魚料理では、まずはその日のメニューの3~4種から魚を選ぶ。今回は宮城県産の平目をチョイスし、選べる調理法は『ロースト』または『フライ』。そして合わせるソースは、『タマネギのシュエ』もしくは『ダイスポテトのターメリック風味』。選択肢の組み合わせによって完成品が異なってくるので、ここは真剣に吟味したいところ。ひとつの魚料理を決めるにも、これだけの選択肢があり、自分で料理の皿をデッサンすることができるのだ。

組み合わせが決まれば、あとはどのようにキャンバス(皿)に描かれてくるのかと、料理の完成をワクワクしながら待つだけだ。そして完成したのが、『宮城県産の平目×ロースト×ダイスポテトのターメリック風味』。フランス料理の技法が活かされた抜群の火入れと、合わせるターメリックによるエキゾチックな風味が、クラシカルとモダンの狭間をいく独特の味わいをもたらす。

肉料理も同様に、自由な組み合わせで料理を選ぶことができるのだが、従来の決められたコース構成のように、魚と肉料理の両方を「一つずつ頼まなければならない」わけではないというのが、『自由に料理を構成することができる』と言い切れる所以だ。魚2皿でもよし、肉2皿でもよし、いかようにでも好きなようにコースをデッサンできるのが、『キャンバス』の大きな魅力なのだ。

今回は鳥取県産大山鶏のローストをキノコソースでオーダー。大山鶏を覆うたっぷりのキノコソースは、ハーブとクリームの組み合わせが絶妙で、男性にも嬉しいボリューム。

そして、ゲストが自由に選んだ料理の組み合わせを、見事な完成系に仕上げるのがプロの技。魚や肉の火入れはまさに伝統的な技術力の賜物で、ソースのビーツをケチャップやボルシチ風にアレンジするなどの斬新な発想力と、それらを組み合わせる応用力は、正統派フランス料理の技術を学びぬき、現代に新スタイルを発信する2人の実力派シェフだからこそ成せる総合力といえる。

△アスパラガスの鉛筆 自家製3種のソース

食材は、野菜も魚も肉もすべて、日本全国の新鮮なオーガニック素材を使用しており、ランチでは、有機野菜のサラダブッフェに選べるメインディッシュと塩パンケーキがついて1,500円(税込)というお得な価格で楽しむことができる。店内は真っ白なキャンバスの様に、『Urban Casual(アーバンカジュアル)』がテーマとなったスタイリッシュな空間となっている。

△アップルパイの再構築

エントランスを入るとすぐ正面に6名用の個室があり、子供連れでも利用可能。接待やお忍び利用でも重宝するだろう。左奥へ進むと一面ガラス張りの解放感ある空間が開け、女子会やデートにふさわしいダイニングが現れる。中目黒や池尻界隈の、食の流行に敏感なグルマンたちが連日集まってくるというのも頷ける、オシャレ過ぎるレストラン。今すぐにでもこのワクワクを体感してほしい、次世代のレストランだ。

(取材・文/濵本亜沙子 撮影/Kamy)

メニュー:
Lunch:1,500円(税込)
・オーガニック野菜を使った野菜ブッフェ+メインディッシュ(本日のお肉or鮮魚orお野菜orパスタ)
・オーガニック野菜を使った野菜ブッフェ+塩パンケーキ一夜干しキノコクリームと鶏ハム添え
Dinner:
・ディナーコース(4品)5,000円(税抜)
・スペシャルディナー(要予約)10,000円(税抜)

BISTRONOMIE CANVAS(ビストロノミー キャンバス)

住所
〒153-0042 東京都目黒区青葉台3-15-11 フィルパーク目黒青葉台 2F
電話番号
03-6416-3850
営業時間
ランチ / 11:30~15:00(L.O14:30) ディナー / 17:30~23:00(L.O21:30) 定休日:水曜日
公式サイト
https://www.bistronomiecanvas.tokyo/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。