銀座数寄屋橋交差点にある「NISHIGINZA」。その2Fにオープンした「ビステッカ」というイタリアンスタイルのステーキをだす『INTORNO』がすごいらしいという評判を聞いて早速訪問してみた。
交差点から有楽町マリオンへ向かうとすぐにある階段を上り、扉を開けるとまずは素敵なバーがある。ウェイティングバーとして作ったのだが、バーだけで利用する人が増えているそうだ。
場所の説明がしやすいし、この雰囲気ならかなり自慢できる。チャージなしというのも魅力的だ。バーを抜けると80席もの広いメインダイニングになる。ガラス扉の半個室やソファー席もあり使い勝手もよさそうだ。
メニューは前菜、肉、サイドディッシュ、パスタかリゾットと、いたってシンプル。とにかくビステッカ(肉)が大きいので2人だとメインの肉、前菜とサイドディッシュを1品ずつ、それでも余裕があればパスタかリゾットを頼めば十分だそう。カップルでというよりは3〜4人でビステッカに何品かプラスしてオーダーするのがベストのようだ。では、そろそろ料理を紹介していこう。
850gの迫力ビステッカのおいしさが卒倒レベル!
前菜には「ロメインレタスのシーザーサラダ」を。野菜とともにやってきたのは丸ごとのエミリアロマーニャ産 18ヵ月熟成のグラーナパダーノ。
こちらでは目の前でチーズを削ってかけてくれるのである。クリーミーでふわりと溶け、ひと味もふた味も違う。チーズだけお代わりする人もいると言う。
いよいよ本命のビステッカが登場だ!
こちらで厚さ4cm、約850gである。普通ステーキだと1人前150〜200gなのでやはり3〜4人前サイズだろう。「トマホーク」ともなると余裕で1kgを超えるそうだ。まずは焼く前にテーブルまで持ってきてもらえる。ここで歓声が上がること間違いなしだ。
ビステッカはすべてUSイリノイ州のブラックアンガス牛プライムグレード。赤身と脂身のバランスが良く、噛むとうまみがジュワッと広がる、まさに“肉らしい肉”と言えよう。
おすすめの食べ方は、塩コショウとオリーブオイル。もっといろいろな味を試したいという方に、英国王室御用達「イギリス マルドンのシーソルト」、地中海の海水に炭を混ぜた「クリスタルフレークソルト ブラック」、ヒマラヤ山脈の麓から取れる「ピンクの岩塩」、「自家製唐辛子とトマトのジャム」、「イタリアの魚醤(コラトゥーラ)」が用意されている。意外にトマトのジャムが人気だそう。
ジュージュー、ピチピチ、もうこの音がたまらない。こんがり焼かれた肉がやってきた。サーロインとフィレという肉の最もおいしいところを併せ持つTボーンを800℃にもなるアメリカ モンタギュー社製ブロイラーで皿ごと焼きあげる。上火式なので余計な脂は下に落ち、この量を食べてももたれない。皿自体も熱いので肉が冷めにくく鉄板のように火が入りすぎない。香草もふんだんに使うので香りが非常に高く、食べる前に耳と目と鼻で喜びを感じる。
まずはサーロインをいただいてみる。イタリア サンボネ製のステーキナイフで繊維を傷つけずに切って、おすすめの通り塩コショウとオリーブオイルでひと口。しっかりとした肉質、ジワーっと広がる脂、咀嚼するごとに味わいが深まる。
フィレはどうだろうか。こちらは噛まずに飲み込めるくらいやわらかく、厚さ4cmということを忘れてしまうほど。これを絶品と言わずして何と言おう。そのおいしさの秘訣を訊くと肉の目利き力も確かにあるが、熟成度の見極め、温度、焼き方、休ませる時間を熟練した阿部克則シェフがラボのように研究に研究を重ねた結果だと言う。徹底的な数値管理によって99%までは誰もが同じように焼けるが、最後の1%はシェフの腕で最高の肉に仕上げるそうだ。
付け合わせにはイタリア料理の定番である白インゲン豆をチョイス。少し潰して豆の素朴な味を大切にしている。どうしてもポテトやキノコを選びがちなのだが、白インゲン豆にするだけでイタリアンな気分になれる。
ビステッカになくてはならないオリーブオイルだが、今なら入荷したばかりのシチリア アグレスティス社の早摘みエキストラヴァージンオイルがいただける。ボジョレーヌーボーならぬオイルヌーボーだ。この時期だけのチャンスは見逃せない!
最高級トリュフを削ったタヤリンの想像を絶するうまさ
正直、ビステッカ目当てだったのでタヤリンにはさほど期待していなかった。ところがどうであろう、とんでもないおいしさだ。あまりのおいしさに悶絶したビステッカを上回ろうかというくらい感動的。断面の大きさを見ればどれほどのものか理解できるであろう最高級のトリュフを惜しげもなく削ってくれる。
ものすごい香りだ。タヤリンはバターとチーズのみで作ったソースだがそのバランスが素晴らしいのである。タヤリン専門店でもいける気がする。これを食べなかったら絶対に後悔することになるので、どんなにお腹がいっぱいでも食べるべき逸品だ。
デザートにはロゴを模った「ティラミス」を。とてもリッチなマスカルポーネチーズでフォークでも食べられる固さ。それでいてなめらかで口どけが良い。程よい甘さ、チーズの味がきちんとわかるのでこれだけの肉を食べたあとでもすんなりいける。
銀座でありながらここには上質な時間を過ごせる空間がある。バーには希少なワインをはじめオリジナルカクテルや食後酒も用意され大人たちがゆったりと語らえる。INTORNOはイタリア語で「囲む」という意味。ステーキを囲んでみんなで食事をすることで豊かな人生を送ろうではないか!
(メニュー)
ロメインレタスのシーザーサラダ/1,800円
プライムTボーンのフィレンツェ風ビステッカ(2人前)/16,000円
白インゲンの煮込み セージの香り/1,200円
黒トリュフの香り豊かなタヤリン/3,400円
※価格すべて税込
BISTECCHERIA INTORNO STEAK&BAR GINZA TOKYO(ビステッケリア イントルノ)
- 電話番号
- 03-3566-4155
- 営業時間
- 17:00〜23:00(IN21:30 L.O.22:00)、ランチ(土日祝のみ)11:30〜L.O.14:00 定休日 年末年始(12/31、1/1)
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