閑静な住宅街の一角。保育園の隣に佇むベーカリーカフェ『まちのパーラー』
どちらかといえば地味なイメージの江古田をパン好きが目指す町にした『パーラー江古田』が2号店を開いたのは、2011年5月のこと。名前は『まちのパーラー』。
もともと『パーラー江古田』はカウンターとテーブル2席の小さな店(※2014年の移転後はテーブル席が6席に増えた)。お客さんが多くて手狭になったから? と思いきや、なんと地元の保育園からの要請があってだという。
「保育園の新しい試みの役に立てるならやってみようと思って」と店主の原田浩次さん(写真上)。そう、『パーラー江古田』も「町の人々が気軽に集える場所に」と開いた店なのだった。
「保育園だから子どもしかいないとか、カフェは大人の場所、というように世界が分かれているのではなく、隣り合っているのもいいなと思って」(原田さん)
だから、営業時間は朝の7時半から夜の9時まで。園児を送りに来た親がコーヒーを飲んで行ったり、迎えに来た親とともに園児が夕食を食べて行ったり、パンを買って行ったりすることもあるという。『パーラー江古田』もだが、『まちのパーラー』もまた、“町のインフラ”なのだ。
天井は高く、窓を広く取った明るく開放的な空間は子どもも大人も分け隔てなくくつろげる場所になっている。ちょっとした場所に子どもが描いた絵やポスターがさりげなく貼ってあるのも心が和む。
軽やかだけど、満足度が高い。朝食にぴったりなサンドイッチのレシピ
食事メニューも揃う『まちのパーラー』だが、原田さんといえば、やはりパン、そしてサンドイッチ。
『パーラー江古田』同様、ここでもサンドイッチメニューが充実していて、バゲットにフォカッチャにチャバタなど、サンドイッチに使用するパンの種類が選べるのも、原田さんの店ならでは。
どのパンも魅力的で自分で選べなければ、「ちょっと固めで」「おすすめで」とスタッフに訊くと親切に教えてくれる。その時々にあうベストなおすすめをしてくれるのも嬉しいかぎり。
サンドイッチの中でも朝食にぴったりなのが「フレッシュトマトとペコリーノチーズのサンドイッチ」(写真上)。
具材はトマトとチーズだけ。実にシンプルで軽やかな味わいなのに、満足度の高いサンドイッチだ。その秘訣は前夜のちょっとした“仕込み”。その秘訣を伝授してもらった。
「フレッシュトマトとペコリーノチーズのサンドイッチ」の作り方
■材料(1人前)
・トマト … 中1個
・オレガノ … 適量
・オリーブオイル … 適量
・ペコリーノチーズ … 10g
・コショウ … 適量
・パン(チャバタ) … 1個
具材の下準備をする(前日)
① トマトはヘタを取り、3~4等分にスライスして、網を敷いたバットに並べ、軽く塩(分量外)とオレガノを振り、一晩冷蔵庫で乾燥させる。
- ポイント
- 一晩経つと水分が抜け、半ドライトマト状態になりうまみが増す。
パンを準備する(当日)
② パンをスライスして片方にトマトをのせる。
- ポイント
- パンは蓋と土台になるよう、上から1/3ほどのところでスライスする。
トースターで焼く
③ トマトの上にすりおろしたペコリーノチーズとオレガノを振り、トースターで3分程度、チーズが溶けるまで焼けたら蓋になる方のパンも入れて両方とも焦げ目が付くまで焼く。
- ポイント
- 蓋の方が焦げやすいので後からトースターに入れる。
仕上げ
④ 具材をのせた方にオリーブオイルを回しかけ、粗挽きコショウを振る。
- ポイント
- コショウは風味が生きるよう、食べる間際に振る。
完成!
⑤ 蓋を横に添えれば出来上がり。
取材・文/亀山小絵子、写真/吉田朱里
まちのパーラー
- 電話番号
- 03-6312-1333
- 営業時間
- 水~日7:30~21:00、月7:30~18:00
- 定休日
- 火曜日
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。