2016年8月、代々木上原にオープンした『GOOD TOWN BAKEHOUSE』は、昨今のグルメバーガーブームを牽引している『THE GREAT BURGER(ザ グレート バーガー)』のオーナー・車田篤氏が手掛けるアメリカンベイクのカフェバーだ。同店では、スライダーというひと口サイズのハンバーガーがウリとのことで、バーガーブームの立役者である車田氏らしさがあふれたコンセプトとなっている。
シックでありながら、ほどよい抜け感のある店内は、1人でも入りやすい雰囲気だ。「ちょっとコーヒー飲んでいこうか」と友人を気軽に誘うにもぴったり。こういう店は何軒か知っていても損はない。
店名にもあるように焼きたてのベイクが、ショーケースを彩る。原宿の人気店『GOOD TOWN DONUTS』から毎朝届く、焼きたてのドーナツやマフィンをはじめ、クッキーやチーズケーキ、発酵バターを使ったクロワッサンが売れ筋。ランチやディナータイムには、パニーニやグリルミートなど、食べごたえのあるメニューも人気とのことだ。
こちらのベイクに合わせたいのは、同店こだわりのコーヒーだ。酸味の効いたオリジナルブレンドやグアテマラに加え、ゲストコーヒーの3種類を用意している。
そして、クラフトビールも忘れてはいけない。サンクトガーレンの樽生5種が日替わりでいつでも飲める。ちなみに鹿角のレバーはオーナーがアメリカで買い付けたもの。
コーヒーのような苦味を感じるスタウトや、ハーブティのようなフルーティさのあるビールは、甘いドーナツやマフィン、クッキーと合わせるのも実はうまいのだ。スライダーやパニーニには、キレの良いブルックリンラガーを。苦さと甘さのバランスが良いサンクトガ―レンのチョコレートスタウトは、ベイクと一緒にまったり楽しむのもおすすめだ。
右奥から「ホワイトチョコレート」、「ラズベリーピスタチオ」、「ブルーベリーマフィン」。アメリカのママンが焼いてくれるような、ふかふかでもっちりした生地が特徴。シーズニングがたっぷりかかり、トッピングのピスタチオやブルーベリーも、アメリカの空気を感じるように多めにかかり、どこをかじってもその味にたどり着ける。手前の日替わりのデニッシュは、取材時は「アップルゴルゴンゾーラデニッシュ」。林檎とチーズが甘くてまろやかな、お酒とも合わせたくなる大人のベイクだ。
ベイクを堪能していると、徐々に店内に肉の香ばしいかおりが漂ってきた。お待ちかねのプレミアムミニハンバーガー“スライダー”が到着間近である。
同店のスライダーは、赤身と脂の独自の配合をしたオリジナル和牛パティを100g使用。外は焦げ付くくらいしっかり焼き、中はきれいなピンク色。食欲をそそる香ばしさに、和牛のとろける甘みが特徴だ。パティは100gと、小ぶりな外見にもかかわらずボリュームがある。
甘く煮詰めたオニオンソース、マスタードとマヨネーズを合わせた「マスマヨ」にヒッコリーパウダーを加えスモーキーに仕上げる。この個性的なダブルソースの味に負けない和牛は100gと言えど圧倒的な存在感を放つ。
中でもこだわりは、バンズだ。スタッフにすらレシピは秘密というオーナー・車田氏の自信作だ。バーガーにはめずらしい、ふわふわと羽毛のように軽い食感。ミルキーな甘さが和牛のうまみと絶妙に絡む。
ミニサイズであっても、バンズ、パティ、ソースのすべてに手をかけ、「そこまで、やるのか!」と脱帽させる完璧さ。日本のグルメバーガーもここまで昇華したのかと、感慨深い。ブームはいつか過ぎ去り、定番になる。そして、店としての貫禄も出てくるものだ。車田氏の生み出すバーガーをアメリカが逆輸入なんて日も訪れるのではないかと期待してしまう、そんな逸品に巡り合えた。
(取材・文/カメイアコ)
【メニュー】
ホワイトチョコレート390円
ラズベリーピスタチオ400円
ブルーベリーマフィン360円
アップルゴルゴンゾーラデニッシュ400円
プレミアムミニハンバーガー“スライダー”750円/1個
サイドフレンチフライ200円
ビール ビアマグ:700円、USパイント:1,050円、UKパイント:1,300円
※価格はすべて税抜
good town bakehouse (グッドタウンベイクハウス)
- 電話番号
- 03-6886-5330
- 営業時間
- 11:00~24:00(L.O.23:00) 定休日 なし
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。