静岡の『天ぷら成生』のカウンターで初めて食べたのはアスパラガスであった。
1本のアスパラガスを2つに切り、粉をはたき、衣を付け、油の中に入れる。
温度差違いの鍋が2つ。それぞれ時間をおいて供される。
始めの穂先部分はサクッとした食感と青々しい香りが広がり。
軸の部分はぐにゃっと柔らかく甘みが充溢するのであった。
1本のアスパラガスがこんなに変化するのか。
驚きを通り越し、感動に変わっていった。
半年で数回通ったが、海老が出たのは2回だけ。
サツマイモはスイートポテト、ジャガイモはマッシュポテトがごとく調理される。
冬場の根菜類、ごぼう、レンコンなどは切り方も含め、その素材にまさに新たな命を与えるのであった。
魚介類も同様である。
アジはまだお腹のなかに桜海老がしのんでいた。
サワラはまだ中か半生状態に近く手で食べるという感触によって生まれる味わい深さ。
などなど…
天ぷらは揚げる、蒸す、焼く、余熱の料理ということを再度考えさせられ、これは油を使った新たな料理だと確信するのであった。
天ぷら 成生
- 電話番号
- 054-273-0703
- 営業時間
- 12:00~14:30(※ランチは完全予約制)、17:00~23:00
- 定休日
- 月曜
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。