日本人にハワイ好きは多い。海がきれいでのんびりできるし、日本語も通じて観光もほとんど困らない。日系人も多く、食文化も馴染みやすいからかもしれない。
広尾駅から徒歩3分『アロハファーム・カフェ』は、日本とハワイの共通点であり、独自の文化として昇華している”ハワイアンおむすび”を日本人向けに洗練させたお店である。
おにぎりのうまさを決定づけるものは何か。米のおいしさか、具の大きさか。どちらも捨てがたいが、一番は、握るものの愛情ではないかと感じる。この手間ひまを惜しまず、一つひとつ、食べる人のことを想像して、作られている。
使用する米は、山形県のブランド米「つや姫」。味が前に出過ぎないが、存在感があり、具とうまく調和する名脇役だ。
看板商品である「スパムおにぎり」は、減塩スパムを使用し、二度焼きすることで、余分な脂を取り除き、スパム特有の臭いを食欲のそそる香ばしさに変える。このひと手間、ふた手間で、リピーターを増やしている。
おにぎりのおともは、100%オーガニックコナコーヒーやハンドメイドシロップで作るホットティー(ジンジャー、レモン、ゆずなど)、信州産の減塩味噌を独自にブレンドした味噌スープだ。
このスパムおにぎりには驚くほど、コナコーヒーがよく合う。米にコーヒー? と思うかもしれないが、だまされたと思って試してみてほしい。オーガニックコナコーヒーは、ハワイの農家から生豆のままを仕入れ、店舗で自家焙煎するこだわりぶり。コナコーヒーらしいカカオのような濃厚な香りをそのままに、酸味を抑えた喉越しの良いコーヒーなのだ。
100gから購入可能で、コーヒーだけを買いにくるコーヒー好きもいるほどだ。焙煎した2日から1週間後が飲み頃だそうで、ベストの状態ですぐに飲みたい人は、電話で予約するのがおすすめである。
コーヒー片手に、俵型のおにぎりをパクリ。馴染みがあるのに新しい食の形。食べることの楽しさを改めて感じさせてくれるお店だ。
他のおにぎりも紹介しよう。スパムおにぎりのひとつ右にある「ロコモコ」は、ハーブの利いた手ごねハンバーグに、一から手作りするグレイビーソース、うずらの卵が乗る。「エビのフリットとマカロニサラダ」は、新たにレギュラーメニューに加わった逸品。オリジナルの甘いマカロニサラダとクリスピーなエビのフリットの組み合わせが、意外にもお米と合う。「ALOHA特製ゴロゴロ鮭」は、オープン当時からモデルチェンジ。フレーク状の鮭を使用していたが、具の存在感を出すために荒くほぐした紅鮭を使用している。身を炙り、丁寧にほぐすのもすべて手作業だ。
会議や差し入れに便利なお弁当は、塩むすび、鮭おにぎり、ハワイアンおにぎり(好きなものを1つ)の計3個に、おかず2種類、ドリンクが付いて1,080円とお得だ(お弁当は20個から、大口注文する場合は3日前以上の予約が望ましい)。
こんな華やかでバラエティに富んだおにぎりなら気軽にパーティやお土産にも持ちよれそうだ。忙しいときにさっと食べたいけど、海苔で巻かれた三角のコンビ二おにぎりじゃ寂しい。そんな時に見た目も華やかで、きれいに食べられる『アロハファーム・カフェ』のおにぎりは、お腹だけでなく、心まで癒してくれるだろう。
(取材・文/カメイアコ)
【メニュー】
オリジナルスパム360円
アロハファーム“ロコモコ”380円
ポップコーンシュリンプとマカロニサラダ370円
ALOHA特製ゴロゴロ鮭280円
混布だし香る2色の芋ご飯270円(シーズナルメニュー)
100%オーガニックコナコーヒー S/430円、M/540円
自家製シロップのホットティー(日替わり)450円
本日の味噌スープ200円
※価格はすべて税込
ALOHA FARM CAFE[閉店]
- 営業時間
- 土・日・祝 9:00~17:00 火~金 8:00~17:00 定休日 月曜日
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。