皿の上にこの店だけの物語がある、もはや本場・韓国でも食べられない幻の味がある店へ

【知られざるいい店のすゝめ】あの口コミサイトに載っていない店。地元民しか知らない店。裏通りや駅から少し遠くにある店……。街にはまだまだ知られざる店がある!街と店と絡み合ってきた人生の中で食の賢人・松浦達也が辿り着いた珠玉の一軒を紹介する。

2017年02月01日
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皿の上にこの店だけの物語がある、もはや本場・韓国でも食べられない幻の味がある店へ
Summary
1.ただ「うまい」だけではない、物語のある店
2.北九州・小倉で創業して30年。2005年に東京に移転した名店
3.焼肉はもちろんだが、タッカンマリは必ず予約しておきたいここだけの味

気づけば欲望があふれ出す、焼肉……店!?

日本には美食家や食通の人たちが絶賛する「うまい店」が山ほどある。でもすべての食べ手が絶賛するお店など存在しない。うまさに好みに価格……。食べ物にはさまざまな基準があるからだ。

うまいものを食べさせてくれる店が好きだ。だがどんなにうまくても、足が向かない店がある。予約が取れないほど人気があり、うまいものだって味わえる。なのに、どうにも通う気にならない。この原稿を書く前、自分にとって通いたくなる店と通いたくならない店の最大の違いを考えてみた。

すると通わない店に共通するのは、皿の上にしか表現がない店だった。

例えば、肉を出す店ならば、当然のように名物肉メニューはある。だがどんなにうまくても、レシピさえあれば再現できるような一皿に、いかにも特別かのような名前をつけたりする店は苦手だ。また、どこまで本当かわからないうさん臭い物語を皿の上に並べ立てる店も同じ。要は「ブランディング」が皿や網の上から強く匂ってきた瞬間、萎えてしまう。

逆に通いたくなる店には、皿の上や店に強固な背景や替えの効かない物語がある。とってつけたようなブランディングなど必要のない強靭さが皿の上にあるのだ。今回紹介する店もそうだ。

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