「食」のトレンドを考えてみる。
料理とそれを楽しむグルメの世界にも、「流行」があるのは当然のことだ。
ただファッションの世界では、時代感覚においての「新しさ」、あるいは流行を激しく変貌させる「革新性」そのものが、デザインのありようやモードの意味を決定していくので、食やグルメに関してのそれとは幾分違う。
割烹やカフェ・バー、オープン・キッチンのレストランといった店舗形態、韓国料理やバスク料理、スペイン・バル、沖縄料理などの国や地方由来のスタイル、熟成ランプ肉やクエ鍋、デギュスタシオン、エル・ブリ…、とカテゴリー、ジャンル、食材、調理法、消費空間などなど、「うまいもの」「いい店」を色分けしてゆく際の切り口は多様だ。
グルメ系の雑誌を編集していていつも考えることは、たとえば「ビフカツ」(編集部注:東京で「牛カツ」がここ数年流行っているが、関西では「ビフカツ」という言い方が一般的)ならば、和食といったジャンルの座標軸と牛肉料理の座標軸の両面を重ね合わすことによってからしか時代感覚が見えてこない。
この記事にはまだ続きがあります
今すぐ続きを読む
プレミアム記事をすべて読むには、ぐるなびプレミアム会員登録が必要です