牡蠣のエキスをたっぷりと含んだ「牡蠣醤油」をご存じだろうか。牡蠣のうまみ成分を醬油とブレンドさせた、明治時代から現代にまで愛され続ける、知る人ぞ知る広島生まれの万能調味料だ。
牡蠣のうまみと深いコクを堪能できる牡蠣醤油は、卵かけご飯にかけたりうどんにかけたりと、シンプルに使うだけでも充分においしく、存在感はバツグン。最近ではスーパーでも見かけることが増え、徐々に認知度も上がってきている。
そんな牡蠣醤油、意外なことに自宅で作ることが可能。保存料や添加物を使用することなく、出来たてのフレッシュな味わいを楽しむことができる。それではさっそく、作り方を見ていこう。
1.基本の「牡蠣醤油」の作り方
■材料(作りやすい量)
・生牡蠣 … 400g
・醤油 … 500cc
・だし昆布 … 10g
・鰹節 … 5g
・水 … 800cc
■作り方(調理時間:2時間)
① 生牡蠣は綺麗に洗い、汚れをとる。
② 800ccのお湯で生牡蠣を少しふつふつする位の火加減で1時間茹で、牡蠣を取り出す。
③ ②を黒褐色になるまで中火で煮詰める。
④ 別の小鍋に醤油を入れ、鰹節、だし昆布を入れ一煮立ちさせる。
⑤ ④を漉して、③と合わせれば完成。
(※保存料や添加物が使用されていないため、作ったあとは3~4週間以内に使い切るようにしてほしい。)
■ワンポイント
取り出した牡蠣は、佃煮などにするとおいしくいただけるのでオススメ!
フライパンに茹でた牡蠣全量、牡蠣醤油小さじ4、みりん大さじ1、酒大さじ1、砂糖小さじ1、水150mlを入れて強火で煮立てたあと、中火で水気がなくなるまで煮れば完成。
基本の牡蠣醤油が完成したら、牡蠣醤油を使ったアレンジもぜひ試してほしい。深みのあるコクと芳醇な香りを引き立たせる、シンプルなレシピをご紹介。
2.「牡蠣醤油焼きおにぎり」
牡蠣のうまみをたっぷりと含んだ牡蠣醤油は、ご飯に塗るだけで絶品。焼きおにぎりにすることで香ばしさが増し、風味豊かな味わいに。取り出した牡蠣で作った佃煮をのせれば、牡蠣のおいしさをダブルで楽しむことができる。
<レシピ>
■材料(1人分)
・牡蠣醤油 … 小さじ1
・牡蠣の佃煮 … 2個
・ご飯 … 100g
■作り方(調理時間:10分)
① ご飯を三角のおにぎりにする。
② 牡蠣醤油(半量)を表面に塗り、200℃のトースターで3~4分焼く。さらに表面に牡蠣醤油(半量)を塗り、200℃のトースターで3分ほど焼いたら、牡蠣の佃煮をのせる。
3.「牡蠣醤油焼きそば」
アジアの屋台で食べるようなコクのある本格的な味わいも、牡蠣醤油を使えば簡単に再現することができる! 牡蠣醤油のおかげか、市販のシーフードミックスが高級感のある味わいに。
<レシピ>
■材料(1人分)
・牡蠣醤油 … 大さじ1.5
・焼きそば(生麺) … 1袋
・シーフードミックス … 50g
・ニラ(4cm幅) … 1/2束
・ゴマ油 … 適量
・ニンニク(みじん切り) … 1かけ
・塩コショウ … 少々
■作り方(調理時間:15分)
① 中火で熱したフライパンにゴマ油をひき、ニンニクを香りが立つまで炒めたら、シーフードミックスを入れ炒める。
② ①に焼きそば(生麺)を入れ、大さじ1の水(分量外)を入れ、ほぐす。
③ ②に牡蠣醤油とニラを加え、さっと混ぜ合わせる。塩コショウで味を調える。
かけるだけでおいしい牡蠣醤油の基本の作り方に加え、さらにおいしくいただくための簡単アレンジレシピを紹介した。牡蠣のうまみをギュッと凝縮させた深みのある味わいは、自家製であればなおさらおいしく感じるはず。時間のある休日に、ぜひ一度作ってみてほしい。
<レシピ作者プロフィール>
河瀬璃菜 りな助(料理研究家・フードコーディネーター)
1988年5月8日生まれ。福岡県出身。フードクリエイティブファクトリー所属
料理好きな母のもとで育ち、食に携わる仕事に就きたいという思いを自然と持つようになりました。両親が共働きで常に忙しくしていましたが、食卓を囲み食事をいっしょに食べることで自然と会話が生まれ、どんなに忙しくてもコミュニケーションを大切にすることができました。そんな経験から、食卓でのコミュニケーションは大変重要で気づきの多いものだと私は思っています。「食を通して大切な人との暮らしをもっと楽しく」という意図に基づき、レシピ開発や料理教室講師、イベント企画運営、メディア出演、コラム執筆、執筆プロデュースなど、食に関わる様々な活動をさせていただいています。
2014年7月よりフードクリエイティブファクトリーの執筆プロデューサーに就任し、月間40本の記事をプロデュースしています。
著書「ジャーではじめるデトックスウォーター」「決定版節約冷凍レシピ」「発酵いらずのちぎりパン」
HP:http://foodcreativefactory.com/
Blog:http://lineblog.me/linakawase/
Twitter:https://twitter.com/linasuke0508