カレーといえば、料理初心者でも作りやすい簡単な料理の代表。料理が苦手な人でも、ササっと作れるのが魅力の一つだが、今回はあえて、こだわりぬいて作るカレーのレシピを紹介したい。
完成までにはほぼ丸一日かかるが、手間をかけた分、濃厚でトロトロ。これ以上ないほどの深いコクと味わいを楽しむことができる。料理に時間をかけることができるたまの休日には、手間ひまを超えた先にある、身震いするほどおいしいカレーを楽しんでみてはいかがだろうか。
震えるほどウマい…! 「コクうま煮込みカレー」の作り方
カレーの具材といえば、タマネギ、ニンジンなどが定番。定番すぎて、特に意識せずに鍋に入れていると思うが、それぞれに「なぜその具材を入れるとおいしくなるのか」の理由がある。今回はその理由も併せつつ、徹底的においしさを追求したレシピを紹介していきたい。
具材の下準備、煮込む時間、寝かせる時間など、手間ひまかかった濃厚なカレーは、カレーにうるさいマニアたちをも唸らせること間違いなし!
■材料(8杯分)
<具材>
・タマネギ … 4個
・セロリ … 1本
・人参 … 2本
・牛すじ肉 … 800g
・ニンニク … 1かけ
・生姜 … 1かけ
・塩 … 小さじ1
・醤油 … 大さじ2
<ルー>
・バター … 30g
・小麦粉 … 大さじ5
・カレー粉 … 大さじ5
・クミンパウダー … 小さじ1
・ガラムマサラ … 小さじ1
・チリペッパー … 小さじ1/2
■下準備
・タマネギ、セロリ、人参、ニンニク、生姜はみじん切りにする。
・牛すじは食べやすい大きさに切り、下ゆでをする。
■作り方(調理時間:約1日 ※ひと晩寝かせる時間も含む)
① 中火で熱したフライパンにバターを溶かし、みじん切りしたタマネギをフライパンで飴色になるまで弱火でじっくり炒める。
▼飴色の目安はこれくらい。
② ①にセロリ、人参、ニンニク、生姜を混ぜ合わせ、水分が飛ぶまでさらに炒める。
▼水分が飛んだ状態の目安はこれくらい
③ 牛すじ肉を圧力鍋に入れ、2リットルの水で15分加圧する。(圧力鍋がない場合は、弱火で2時間じっくりと煮込む)
④ フライパンに小麦粉を入れ、茶色くなるまで、炒める。
⑤ ④にカレー粉、クミンパウダー、チリペッパーを加え混ぜ合わせる。
⑥ ⑤に③のスープ300ccを少しずつ加え、練る。
⑦ ③の鍋に、②と⑥と醤油、塩を加え、とろみがつくまで弱火で3時間ほど煮込む。鍋底が焦げないよう、煮込んでいる間は時々混ぜる。火を消し、ひと晩寝かせる。
(※牛すじの具感を残したい場合は、2時間ほど煮たら取り出しておく。ホロホロに崩すなら、そのまま取り出さなくてOK!)
⑧ 食べる寸前にガラムマサラを加え、混ぜ合わせたら完成!
たっぷり且つじっくりと丁寧に炒めたタマネギは深いコクと甘みを、セロリやニンニク、生姜は香味野菜として、仕上がりに香りをプラスしてくれる。肉は牛スジを使うことで、うまみと肉の甘みが加わり、より味わい深いカレーに仕上がる。とろみ出しの小麦粉は、先に炒めることで、香ばしさとほろ苦い味わいを演出してくれる。そう、このレシピはカレーのおいしさをとことん追求して完成したレシピなのだ。
にも関わらず、難しいテクニックは一切不要。時間と手間をかけるだけで驚くほどにおいしくなる。素材の味を凝縮した「コクうま煮込みカレー」は、手間ひまかけたからこそ作れる味。時間のある休日に、ぜひ一度作ってみてほしい。
<レシピ作者プロフィール>
河瀬璃菜 りな助(料理研究家・フードコーディネーター)
1988年5月8日生まれ。福岡県出身。フードクリエイティブファクトリー所属
料理好きな母のもとで育ち、食に携わる仕事に就きたいという思いを自然と持つようになりました。両親が共働きで常に忙しくしていましたが、食卓を囲み食事を一緒に食べることで自然と会話が生まれ、どんなに忙しくてもコミュニケーションを大切にすることができました。そんな経験から、食卓でのコミュニケーションは大変重要で気づきの多いものだと私は思っています。「食を通して大切な人との暮らしをもっと楽しく」という意図に基づき、レシピ開発や料理教室講師、イベント企画運営、メディア出演、コラム執筆、執筆プロデュースなど、食に関わる様々な活動をさせていただいています。2014年7月よりフードクリエイティブファクトリーの執筆プロデューサーに就任し、月間70本の記事をプロデュースしています。
著書「ジャーではじめるデトックスウォーター」「決定版節約冷凍レシピ」「発酵いらずのちぎりパン」
Blog: http://lineblog.me/linakawase/
Twitter:https://twitter.com/linasuke0508
HP:http://foodcreativefactory.com/