いま、日本料理の世界ではア・ラ・カルトで注文できる店が話題となっている。
翻って、予約の取れない割烹は、ほぼコース仕立て、おまかせが主体となっている。本来、割烹のスタイルはカウンターを挟んで、料理人と食べる側が会話をかわしながら献立を決めてゆくものであった。
たとえば「今日は明石のエエ鯛が入っています」とカウンターの中から声がかかると「そうやな、腹身は刺身にして、頭のとこはあら煮にしてくれるか」などという言葉が飛び交ったものだ。しかし、近年は食べる側に以前ほどの知識や店遣いのセンスもなくなってしまったため、料理人が美味しいと思う料理法のほうがいいと判断するようになり、いまのスタイルが定石となった。
だが、今日は軽く食べたいというときや、同行の人が少食など、店に伺う時にはいろいろな条件があるものだ。そんなこともあってか、次第に好きな食材を少しずつという店が増えてきた。
祗園にある『祗園 楽味』は人気店『祗園 さゝ木』の支店である。ここではネタ箱に入った食材を見ながら、料理人と言葉を交わしながら献立を決めてゆくスタイルを採る。
では、このような店でどのような料理を注文し、日本酒を合わせてゆけばいいのか、それをクリアすれば上客と認識されるのだろうか?
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