1868年の開港から150年を迎えた神戸。かつて外国の貿易商人たちが暮らした面影が色濃く残る旧居留地は、現在でも異国情緒あふれるレトロな建物が並び、観光名所のひとつとして多くの人が訪れている。
その旧居留地のランドマーク的存在でもあり、ひと際堂々たる存在感を発揮しているのがアメリカンルネッサンススタイルの石積みの建造物「商船三井ビルディング」だ。
その2階に、周辺店舗開発30年を迎える『大丸神戸店』の取り組みの一環として、2017年3月26日、西日本最大級のカリフォルニアワインと肉料理が楽しめるレストラン『THE CELLAR AT FRED SEGAL(ザ セラー アット フレッド シーガル)』が誕生した。
同店は、1階にあるアメリカ西海岸生まれのライフスタイルショップ『Fred Segal(フレッド シーガル)』として日本初となるレストランとなっている。
モダンで温かみのある空間には、ゆっくりくつろいで食事を楽しんでもらえるようにソファー席を設置。またカジュアルにバー使いができるようにハイチェア席も配置されている。
テーブル席と、シェフたちの活気ある雰囲気が伝わってくるオープンキッチンの間に置かれるのは、圧巻のワインセラーだ。
世界的にも人気の銘柄「オーパスワン」や、マリリン・モンロー主演のハリウッド映画から懐かしのワンシーンを切り取ってラベルにした「ノーマ・ジーン」、娘ソフィア・コッポラの結婚祝いに造られたワイン「フランシス・コッポラ ソフィア」など、約200種以上・最大1048本ものカリフォルニアワインが収容されている。
肉の聖地・銀座『マルディ グラ』の和知徹シェフが料理を監修
濃縮感のある果実味が特徴のカリフォルニアワインとのマリアージュが楽しめる料理は、東京・銀座にあり肉の聖地とも言われる『マルディ グラ』のオーナーシェフ・和知徹さんが監修。和知シェフが肉料理探求のために、1年のうち数回“肉旅行”として世界を巡る様子は、2016年にテレビ番組「情熱大陸」でもオンエアされて話題となった。
和知シェフの作る肉料理は、素材が持つポテンシャルを活かしながら、世界各地の肉料理の良い部分を吸い上げて、シェフならではのアレンジを加えて提供しており、予約をとることが難しい一軒だ。
今回メニューを監修するにあたり、フレッド シーガルの世界観を踏襲し、カリフォルニアを意識して構成。新鮮な野菜や旬のフレッシュフルーツを組み合わせて、ヘルシーで色鮮やかなメニューを展開する。仕入れ先のひとつ『小川農園』(和歌山)の野菜は、川のほとりで栽培されることでミネラルが豊富に含まれているというのもうれしい。
肉料理は、スモーク臭をまとわせながらうまみを凝縮させる理想的な火入れを行えるようにと富士山の溶岩石を用いて焼き上げる。そこに世界各国から仕入れた、バリエーション豊かな塩を使い分けて、Tボーンをはじめ兵庫県が誇る但馬牛や神戸ポークなど素材の味を引き立てる料理を提供する。
豪快なビジュアルに驚かされる名物の「Tボーンステーキ」
では、おすすめの料理を紹介していこう。まずワインと一緒に楽しんでもらいたいのがピンチョスだ。
大阪・本町に店を構える人気ベーカリー『パンデュース』と和知シェフが共同開発したオリジナルブレッドを使用。白ゴマ油を配合することで、外はパリッと中はふっくらとした食感に仕上げたバゲットを、女性にも食べやすいよう細め&ひと口サイズにカット。
その上には、リコッタチーズ×カリフォルニア・プルーン、炭火焼きパプリカ×フィレアンチョビ、ブラックタイガーボイル×茹でたまご×マヨネーズ、赤キャベツ×マヨネーズ×カリフォルニア・ウォールナッツなどがトッピングされており、食材の組み合わせの妙が楽しめる。
「スモークしたマグレ鴨と苺を合わせて」は、上質のフォワグラをとるために育てられたマグレ鴨を使い、しっとりとした食感が持ち味。細長くスライスされており、苺(紅ほっぺ)をくるんで一緒にいただくスタイルが新鮮だ。
ジューシーなイチゴの甘みと濃い鴨のうまみとの相性の良さと、ひと口噛むとジュワッと口いっぱいに広がるおいしさに感動させられる。
2~4名でシェアしたいのは、豪快なビジュアルに驚かされる名物、1kgの「Tボーンステーキ」だ。シェフが西海岸で食して感動した味をそのまま再現。香ばしく焼き上げられ、赤身のうまみをたっぷり堪能できるフィレと、ジューシーなサーロインの2つの部位が、絶妙な塩加減で調理されている。
フィレは咀嚼しながらワインを口に含むと、より赤身のおいしさが引き立つ。サーロインは食べた後にワインを飲むと、脂のうまみとワインの香りが余韻として残り、数あるワインとのマッチングはもちろん、食べ方によるおいしさの違いもソムリエが説明してくれるので、より一層楽しめることだろう。
大阪の人気ベーカリー『パンデュース』とコラボしたブレッド系メニューも!
ランチはココアを練り込んだオリジナルブレッドでつくる野菜たっぷりの「サンドランチ」(写真上)や、赤ワインをソースに使った「ザ セラーハンバーグランチ」などが人気。3月末にオープンしたばかりだが、ランチはすでに連日満席だという。
コーヒーに注目してほしい。同店ではカリフォルニアのコーヒーブランド『ヴァーブコーヒー』のものを提供。日本では新宿に直営店があるが、関西で飲めるのはココだけだとか。
肉料理を堪能したあとの口の中を、酸味のある味がさっぱりとリフレッシュしてくれるのはもちろん、甘酸っぱいフルーティーな味わいは食後のリラックス効果も抜群。コーヒーはテイクアウトのみの利用もOKなので、神戸散策のお供にどうだろうか。
ランチタイムに、仕事帰りにちょっぴりワインを楽しみたい時、友達としっかりと食事がしたいときなど、あらゆるオケージョンに対応できる「「THE CELLAR AT FRED SEGAL」。神戸に加わったニューフェイスにぜひ足を運んでみてほしい。
(撮影/前田博史)
【メニュー】
ピンチョス 各400円
スモークしたマグレ鴨と苺を合わせて 1,600円
Tボーンステーキ 9,800円
サンドランチ 1,400円
ザ セラー ハンバーグランチ 1,800円
神戸ポークのハーブロースト シシリアの岩塩で 1,700円
※価格は税込
THE CELLAR AT FRED SEGAL(ザ セラー アット フレッド シーガル)[閉店]
- 電話番号
- 078-381-8664
- 営業時間
- ランチ11:00~15:00(L.O.14:30)、ティータイム15:00~17:00、ディナータイム17:00~23:00(フードL.O.22:00、ドリンクL.O.22:30)
- 定休日
- 不定休
- 公式サイト
- http://the-cellar.jp/
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。