銚子港は魚の水揚げ量で6年連続日本1位を誇る!
千葉県有数の港町・銚子。地元の人もよく訪ねる犬吠埼灯台は、大パノラマの絶景が体感できるスポットだが、実は、ここ銚子港は魚の水揚げ量で6年連続日本1位を誇っている。
巨大な市場は、漁の方法によって3カ所に分かれていて、第1市場はマグロ、カジキ。第2市場はアジ、サンマ、イワシ。第3市場はその他の海産物を扱っている。漁港近くを散策すると、迫力ある漁船、寡黙に仕事をする漁師さんの姿に触れることができる。そんな魚の街でグルメ巡り! まずは「銚子電鉄」に乗ってお腹を満たしてくれる立ち寄り処を訪ねよう。
鉄道マニアでなくても心躍る、キュートなローカル線「銚子電鉄」に乗ってみよう
銚子電鉄は、全10駅、全長6.4㎞、片道20分のローカル線。終点の外川(とかわ)駅には、レトロ車輌の中に昭和のグッズを展示した「銚電昭和ノスタルジー館」があるが、グルメ旅を楽しむのなら、観音駅で下車。お腹を満たしてくれる立ち寄り処は、ここ観音駅に集中している。
漁港を望む食堂で、朝食から鮮魚を豪快に味わおう!
まず訪れたのは、鮮魚を運ぶトラックの運転手さん、買い付けに来る漁業関係者が空腹を満たす、『銚子漁協直営 食事処 まいわい』。
朝ごはんタイム(8:00〜11:00)はお得な焼き魚セット(600円)があるが、名物の丼をぜひ注文したい。贅沢したい時は大トロも乗る「海鮮丼」、いろんな種類を楽しみたい時は「まいわい丼」(写真下)がおすすめだ。
大盛りの酢飯に、ネギトロとウズラの卵、銚子港で水揚げされたホウボウ、キンメダイ、真アジ、サワラの他、サーモンやイクラ、玉子焼きなど約12種類の具が敷き詰められている。どこから食べようか迷い箸になる皆さん、ここは1時の方向に乗るマグロ赤身から時計まわりで! これに、ミニ茶碗蒸し、味噌汁、小鉢(この日は、ひじき煮)となるのだが……。
銚子と言えばイワシ! イワシフライを追加で注文。大きく脂がのった真イワシの揚げ立ては、衣はサクサク、肉厚の身はホクホクだ。煮付けや塩焼きなど一品料理が豊富に揃うので、食べたい海の幸を組み合わせて、自分だけのお膳を仕立てられるのが魅力なのだ。
ここで注目すべきは醤油。銚子で製造される2社、ヒゲタとヤマサの醤油が常備されている。ぜひ味比べしてみたい。
【メニュー】
まいわい丼 1,630円
いわしフライ 80円
※価格は税込
銚子漁協直営 食事処 まいわい
- 電話番号
- 0479-21-6671
- 営業時間
- 8:00〜14:00(L.O.)
- 定休日
- 火(祝日の場合は翌平日休)
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
創業明治40年、銚子土産の人気もの! こんな形見たことない
飯沼観音の裏参道に、朝から夕方までひっきりなしに車が止まり、行列のできる店がある。『元祖今川焼 さのや』だ。
明治40年創業の、銚子土産に欠かせない名物として、知る人ぞ知る存在で、昨今では、外国人観光客も多数訪れる。が、お客のほとんどは常連客。慣れたお客は「黒◯個と、白◯個!」と注文するので、ああ常連だなとすぐわかる。つまり、小豆の餡は「黒」、白餡は「白」と呼ぶのだ。
常連客にならって、「黒1個、白1個!」と注文。すぐさま「熱いから気をつけてくださいね」と、運ばれてくる。お茶はセルフサービスでどうぞ。
パリっとした薄い皮を割ると顔を出すのは、熱々の餡。(本当にやけどにご注意!) 優しい味わいの「白」(写真左)は大手亡豆を、濃厚な「黒」(写真右)は小豆を使用。原料の砂糖は、それぞれ何種類かをブレンドして独特の風味を生み出している。
パンチある甘さだが、あれよあれよと、2個ぺろり。お土産には箱入り(8個入りから)をぜひ。賞味期限は3日で、冷凍保存もOKだ。
【メニュー】
今川焼(黒・白) 1個140円
箱入り8個 1,120円〜
(宅急便による地方発送可)
※価格は税込
元祖今川焼 さのや
- 電話番号
- 0479-22-0150
- 営業時間
- 9:00〜16:30頃
- 定休日
- 水・日不定休(月に1回休み)
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
銚子港第1市場の目の前にある、新鮮生マグロ専門の食事処で、”本物”のマグロに出逢う
「マグロは、ピンからキリまであるけど、うちはピンを使うよっ」と、大将の山口祥一さんは自信たっぷりに言う。「どんなマグロを使うかは店主の性分さ。食べればわかる」。山口さんの持つ、頑固なまでの職人気質は、店内に書き並ぶメニューから十分うかがえる。とにかく、一番おいしくマグロを食べてもらいたい、それに尽きるのだ。
ここ『久六』は、そもそも昨年までは、金目鯛が看板商品だった。が、山口さんのお眼鏡に叶う金目鯛の水揚げが減り金目鯛をメニューから外した。
ちょうどそのころ、銚子でもいいメバチマグロがあがりはじめたことに着目。息子の太士さんがマグロの仲買人として活躍していることもあり、自然な流れで生マグロ専門店となった。太士さんは、銚子港のマグロ仲買人としては最年少の19歳。目の前の市場から店へ、競り落したマグロを台車で運ぶ。
「本マグロより、下に見られがちなメバチだけれど、目隠しして食べてみれば、誰もがメバチがやわらかくてクセがなくておいしいって評価するよ」。『久六』では、山口さん自慢のメバチマグロを存分に味わいたい。
やわらかく、クセのない赤ピンクのメバチマグロ。様々な部位を食べ比べてみよう
大将・山口さんがおすすめする「新鮮生まぐろ 上刺盛り」(写真上)は、メバチマグロトロ2切れ、中トロ2切れ、赤身2種×2切れずつ、ごはん、アラ汁、小鉢(まぐろのしぐれ煮)、おしんこがお膳で登場する。赤ピンクのきれいな色、透明感にうっとりだ。
1切れずつ確認しながら食べよう。注意深く味わいたいのは、「てんぱ」と呼ばれる背骨にくっついているやわらかな赤身(写真右)。1本買いだからこそ味わえる希少部位だ。ねっとりした食感、やわらかい歯ごたえが印象的。トロ(写真上)は、脂が乗り過ぎず、とろんとした深〜い甘み。中トロ(写真下)、赤身(写真左)の、食感、風味の違いを味わいたい。「マグロは口の中で溶けるような食感が、一番いいねえ」と、山口さん。この感じを、『久六』で、ゆっくり何度でも体感できる。
スタミナの源、血合いを使った唐揚げ
1本丸ごと余す所なく使い切る大将の山口さん。新鮮な血合いは、1週間かけて丁寧に血抜きをして、鉄分の臭みを取り除く。さらにニンニクだれに2〜3日漬け込んで唐揚げに。プリンとした力強い筋の塊のような血合いが、ニンニクの香りをまとって、ご飯もビールも進みすぎてしまう。ただし、手間ひまかかるメニューなのでいつもあるわけではなく、出逢えたらラッキー!
「生まぐろ6切れ上づけ」は、中トロ3切れ、赤身3切れが盛られる。自慢の濃厚な自家製だれ、磯の香り広がる海苔、アクセントになるワサビ、どれもマグロと相性ぴったりだ。他に、葱鮪(ねぎま)鍋やしゃぶしゃぶなど、マグロづくしの料理が揃うので、家族やグループで訪れると、いろんな種類が楽しめるだろう。
【メニュー】
新鮮生まぐろ 上刺盛り定食 2,780円
新鮮生まぐろ6切れ上づけ定食 2,080円
新鮮生まぐろづけ丼定食 2,880円
血合いのスタミナ唐揚げ 540円
※価格は税込
新鮮生まぐろ専門店 久六(きゅうろく)
- 電話番号
- 0479-22-1038
- 営業時間
- 11:30〜18:00(場合により変更あり)
- 定休日
- 火 ※マグロの仕入れ次第で臨時休業あり
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
銚子駅から徒歩5分、藤の花も見ごろ
ちなみに、JR銚子駅から徒歩5分の藤寺と呼ばれる「妙福寺」では、5月初旬まで藤が見ごろ。樹齢700年と言われる「臥龍の藤」が咲き誇る様子はとても美しい。さわやかな風にそよそよ揺れる光景に、花より団子でも、心安らぐだろう。
妙福寺
- 電話番号
- 0479-22-0650
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。