半熟卵を「煮切り醬油」に漬けると最高にウマイ!昔ながらの万能調味料・煮切り醬油の作り方と簡単アレンジ

2017年05月04日
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半熟卵を「煮切り醬油」に漬けると最高にウマイ!昔ながらの万能調味料・煮切り醬油の作り方と簡単アレンジ
Summary
1.うまみと香りをギュッと凝縮! 和食店ではおなじみの「煮切り醬油」の作り方
2.カツオのおいしさを引き立てる!「カツオの漬け丼」のアレンジレシピ
3.半熟卵は煮切り醬油に漬け込むと最高においしい!「味たまおにぎり」のアレンジレシピ

■寿司屋ではおなじみ! 素材の味を活かしてくれる調味料「煮切り醬油」とは

日本料理店や寿司屋ではおなじみ、「煮切り醬油」をご存知だろうか。寿司につける、少しとろみのある醬油といえばわかりやすいかもしれない。

「煮切り醬油」とは、一般家庭で使われている醬油とは異なり、醬油に水、酒、みりん、だしなどを合わせ、煮切って作る醬油のこと。塩気や香りがまろやかで、素材本来の味を邪魔することなく活かしてくれる調味料だ。
例えば、日本料理店なら刺身に添えられ、寿司屋なら握った寿司にさっと塗ったり、漬けを作るときなどに使用されている。そのため、別名「寿司醬油」とも言われる。

そんな本格派な印象のある「煮切り醬油」だが、実は自宅で、しかもたった5分で作ることが可能! ほんのりと甘く、うまみを感じる煮切り醬油は、ご飯との相性が言わずもがな抜群なので、アレンジしやすいのもうれしいポイント。
それではさっそく、作り方を紹介していこう!

■基本の「煮切り醤油」の作り方

「煮切り醬油」はお店によってだしや作り方などがやや異なるが、今回は家庭でも簡単に作れるレシピを紹介する。
使用する材料は、「濃口醬油、酒、本みりん、水、昆布」の5つのみ。シンプルな材料だからこそ、一つひとつの素材選びにこだわるとおいしさもグンとアップするが、まずはあまり難しく考えずに、今家にある調味料で試してみてほしい。

<レシピ>

■材料(作りやすい分量)
・昆布 … 5×5cm
・純米酒 … 大さじ6
・本みりん … 大さじ3
・濃口醬油 … 大さじ3
・水 … 大さじ4

■下準備
・昆布の表面の汚れを軽くふき取って器に入れたら、酒を注いでラップをする。冷蔵庫にひと晩おいたら昆布を取り出す。このひと手間で、昆布のうまみと香りが酒に移り、より風味豊かな仕上がりになる。

■作り方(調理時間:5分 ※昆布を酒に浸す時間は除く)
① 鍋に純米酒、本みりんを入れて強火で熱し、煮立たせてアルコールを飛ばす。

② 濃口醬油、水を加えて中火でフツフツする位の火加減で1分煮たら火を止める。(アクがでた場合はすくって取る。)

(※保存期限:煮沸消毒した保存瓶に入れて蓋をきっちりとしめたら冷蔵庫で保存し、3〜4週間を目安に使い切る。)

■とろ~り卵とご飯の黄金コンビが最高!「煮切り醬油漬け味たまおにぎり」

まずは、煮切り醬油に漬け込んだ半熟ゆで卵とご飯の組み合わせがたまらない、間違いなくおいしいおにぎりレシピを紹介。
とろ~り卵と煮切り醬油、ご飯のコンビネーションの魅力を最大限に引き出すため、使用するゆで卵はぜひ半熟状態のものを選んでほしい。味がしっかりと染み込んだ卵は、そのままおつまみとしてもおいしくいただける。

<レシピ>

■材料(1人分)
・ゆで卵(半熟) … 2個
・[A]煮切り醬油 … 50ml
・[A]水 … 大さじ2
・[A]鰹節 … 1g
・ご飯 … 300g
・焼き海苔 … 2枚

■作り方(調理時間:10分 ※ゆで卵を漬ける時間は除く)
① ポリ袋にAを入れ、殻をむいたゆで卵を漬けてひと晩おく。

② ご飯を2等分してゆで卵を包んだら、焼き海苔で包み、ラップで包んで5分ほどおいてご飯と焼き海苔をなじませる。

③ ラップをはがし、焼き海苔の余った部分はキッチンバサミで切り落とす。お好みで横半分に切る。

■薬味たっぷり! 上品で爽やかな香りが広がる「カツオの煮切り醬油漬け丼」

いつもの醬油で食べる刺身とはまた違う、トゲのないまろやかな味わいが楽しめる漬け丼。
カツオの刺身に煮切り醬油を絡めたら30分ほどおくことで、味がなじんでカツオのおいしさをより一層引き立たせてくれる。このとき、ゴマ油も一緒に絡めることで、より風味豊かな仕上がりに。
最後に薬味をたっぷりとトッピングすれば、爽やかな香りが心地よく広がる、上品な味わいの漬け丼が完成!

<レシピ>

■材料(1人分)
・タマネギ … 1/4個
・ミョウガ … 1本
・シソ … 2枚
・カツオの刺身(サク) … 100g
・煮切り醬油 … 大さじ1と1/2
・ゴマ油 … 大さじ1/2
・ご飯 … 150g
・[A]酢 … 大さじ1と1/2
・[A]きび砂糖 … 大さじ1
・[A]煮切り醬油 … 小さじ1
・白ゴマ … 小さじ1/2

■作り方(調理時間:10分 ※冷蔵庫で漬ける時間は除く)
① タマネギは薄切りする。ミョウガ、シソは千切りにして水に3分ほどさらし、水気を切る。カツオの刺身は一口サイズに切る。

② ボウルに煮切り醬油、ゴマ油を入れて混ぜ、タマネギ、カツオの刺身を加えて和えたらラップをし、冷蔵庫に30分おく。

③ ボウルにAを入れて混ぜたら、ご飯を加えて混ぜる。

④ 器に③のご飯を盛り、②の具材をのせ、ミョウガとシソをトッピングし、白ゴマを散らす。

「煮切り醬油」ならではのまろやかな味わいは、素材の良さを邪魔せず、素材本来の味を活かしてくれる。今回紹介したレシピ以外にも、応用がしやすい万能調味料なので、ぜひお気に入りの使い方を見つけてほしい!




<レシピ作者プロフィール>
五十嵐ゆかり(管理栄養士・料理研究家)
1987年生まれ、千葉県出身。ゆるく気軽に取り入れられるグルテンフリーレシピや減塩でもおいしく作れる料理のコツなど、日々の暮らしに取り入れやすい健康レシピを提案している。美容や健康にうれしい要素を取り入れたレシピを得意とする。企画、レシピ・商品開発、執筆、メディア出演、講演、イベント出演、料理教室など、多方面で活動中。魅力発信☆むつざわ未来ラボの一員としての出身地の千葉県長生郡睦沢町のPR、PAKUTASOフリー素材モデルとして福岡県大刀洗町のPRに携わるなど、地域活性化活動にも取り組んでいる。

著書に「食材の栄養素を最大限に引き出す便利帖」や「発酵いらずのちぎりパン」、「塩レモンでつくる基本のおかず」など。

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フードコーディネート・スタイリング:金英貨(ヨンハ)