トマトがもっともおいしい季節は「春」! 旬のおいしさを閉じ込めよう
トマトがおいしい季節といえば、夏を思い浮かべる人がほとんどのはず。しかし実は、味の面でいうと、トマトがおいしい季節は春なのだ!
なぜかというと、気温が高く、すぐに収穫を迎えられる夏のトマトに比べ、春トマトはゆっくりじっくりと時間をかけて育てられるため、その時間がトマトのコク、甘み、程よい酸味を生み、味の濃いトマトに仕上げてくれるのだ。
そんな「味の旬」を迎えている春トマト。そのまま味わうのもいいが、ひと手間かけて自家製調味料を作ってみるのもオススメだ。旬のおいしさを閉じ込めることで、春トマトならではのコクと甘みを長く楽しむことができる。
今回は、トマトケチャップ、トマトソース、ドライトマトのレシピをご紹介。今だからこそ作れる旬の味をぜひ楽しんでみて!
1.「自家製トマトケチャップ」の作り方
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新鮮なトマトと香り付けの調味料を混ぜ合わせて作る「自家製トマトケチャップ」は、甘みと酸味がギュッと濃縮された濃い味わい。調理時に裏ごしをすることで、口当たりのよい仕上がりに。砂糖を控えめにすることで、甘くなりすぎず、トマト本来の味わいを楽しむことができる。
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■レシピ
▼材料(作りやすい分量)
・トマト … 5個(約1,000g)
・タマネギ … 1/4個
・ニンニク … 1かけ分
・[A]ローリエ … 1枚
・[A]クローブ(あれば) … 2個
・[A]赤唐辛子 … 1本
・[A]シナモンスティック … 1本
・[A]酢 … 50ml
・[A]きび砂糖 … 大さじ1/2
・[A]塩 … 小さじ1と1/2
・[A]白こしょう … 小さじ1/6
▼作り方(調理時間:1時間半)
① トマトを湯むきする。
② 湯むきしたトマト、タマネギ、ニンニクをフードプロセッサーでなめらかになるまで混ぜ、さらに裏ごしする。
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③ 鍋に②を入れて強火で熱し、沸騰したら半量になるまで弱火で60分ほど煮る。(アクがでたらすくい取る。)
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④ Aを加えて少しとろみがつくまでさらに10〜15分ほど煮たら、ローリエ、クローブ、赤唐辛子、シナモンスティックを取り除く。煮沸消毒した保存瓶に入れて保存する。
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■自家製ケチャップの使用例
ウインナーとレタスを挟んだシンプルなホットドッグも、自家製トマトケチャップをかけるだけでうまみと酸味が加わってクセになる味わいに。
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■自家製ケチャップの保存期間
冷蔵庫で保存し、1週間を目安に使い切る。冷凍庫で保存する場合は、1カ月間を目安に使い切る。
2.「自家製トマトソース」の作り方
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旬のトマトで作る自家製トマトソースは、とにかく味が濃いのが特徴。春トマトの持つうまみがギュッと凝縮されていて、舌にのせると、そのうまみがじんわり心地よく広がっていくのを感じる。
加熱することによって引き出されたトマトの甘みに、ニンニクの香りや唐辛子の辛さが合わさることでメリハリのある味わいに。
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■レシピ
▼材料(作りやすい分量)
・トマト … 5個(1,000g)
・ニンニク … 2かけ
・赤唐辛子 … 1本
・オリーブオイル … 大さじ2
・塩 … 小さじ1
▼作り方(調理時間:30分)
① トマトは湯むきして、ざく切りにする。ニンニクは皮をむき、包丁でつぶす。
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② 鍋にオリーブオイル、ニンニク、赤唐辛子を入れて弱火で熱し、ニンニクの香りが立ったらトマト、塩を加えて混ぜる。煮立ったらアクを除きながら少しとろみがつくまで15分ほど煮たら、赤唐辛子を取り除く。
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■自家製トマトソースの使用例
いつものトマトパスタも、自家製トマトソースを絡めるだけで、まるでお店のような本格的な味わいに。
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■自家製トマトソースの保存期間
冷蔵庫で保存し、4〜5日間を目安に使い切る。冷凍庫で保存する場合は、1カ月間を目安に使い切る。
3.「自家製ドライトマト」の作り方
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「自家製ドライトマト」作りで用意するのはトマトのみ。スライスして水気をふいたら、オーブンで焼くだけで簡単に作ることができる。
注意点としては、焼き上がりが焦げやすいこと。焦げると苦みが出てしまうので、オーブンで焼いているときはこまめに様子を見て、焦げそうであれば温度を下げたり、取り出したりして調整するようにしよう。
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■レシピ
▼材料(作りやすい分量)
・トマト … 3個
▼作り方(調理時間:40分 ※乾燥させる時間は除く)
① トマトはヘタを取り、5mm幅に切る。キッチンペーパーでトマトの水気を拭き取る。
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② クッキングシートをしいた天板に重ならないように並べ、170度に予熱したオーブンで30分焼く。そのまま庫内に1時間おき、取り出したらさらにおき、完全に乾燥するまでおいておく。
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■自家製ドライトマトの使用例
たんぱくな味わいのホタテのカルパッチョに自家製のドライトマトをカットして散らせば、トマトのうまみが加わってホタテのおいしさが引き立つ。
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■自家製ドライトマトの保存期間
冷蔵庫で保存し、2週間を目安に使い切る。冷凍庫で保存する場合は、1カ月間を目安に使い切る。
うまみの強い春トマトの味をギュッと詰め込んだ、自家製調味料のレシピを紹介した。
いつもは市販で済ませてしまう調味料も、自家製であれば自分好みのスパイスやハーブを加えるなどしてアレンジを楽しむことができる。ぜひ気軽に作ってみて、さまざまなアレンジ料理に活用してほしい。
<レシピ作者プロフィール>
五十嵐ゆかり(管理栄養士・料理研究家)
1987年生まれ、千葉県出身。ゆるく気軽に取り入れられるグルテンフリーレシピや減塩でもおいしく作れる料理のコツなど、日々の暮らしに取り入れやすい健康レシピを提案している。美容や健康にうれしい要素を取り入れたレシピを得意とする。企画、レシピ・商品開発、執筆、メディア出演、講演、イベント出演、料理教室など、多方面で活動中。魅力発信☆むつざわ未来ラボの一員としての出身地の千葉県長生郡睦沢町のPR、PAKUTASOフリー素材モデルとして福岡県大刀洗町のPRに携わるなど、地域活性化活動にも取り組んでいる。
著書に「食材の栄養素を最大限に引き出す便利帖」や「発酵いらずのちぎりパン」、「塩レモンでつくる基本のおかず」など。
ブログ:http://lineblog.me/igarashiyukari/
Twitter:https://twitter.com/igarashi_yukari
HP:http://foodcreativefactory.com/
フードコーディネート・スタイリング:金英貨(ヨンハ)