お酒の充実度ハンパなし! オトナの酒街・荒木町にこっそる佇む秘密の酒場『燗コーヒー藤々』

2017年09月22日
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お酒の充実度ハンパなし! オトナの酒街・荒木町にこっそる佇む秘密の酒場『燗コーヒー藤々』
Summary
1.荒木町で外せない、大人の酒場『燗コーヒー藤々』
2.和食、日本酒、自然派ワイン、コーヒーの好きが詰まった夫婦酒場
3.割烹と居酒屋の中間を目指し、セミフォーマルから普段使いまで使いやすさ抜群

オトナの飲み屋が軒を連ねる新宿・荒木町にユニークなお店が誕生!

大人のはしご酒に打ってつけの新宿・荒木町。このグルメスポットにある話題の店が『燗コーヒー藤々』だ。

「かけかつ丼」で有名な『鈴新』や説法を聞ける『坊主バー』のある通りの一番端っこ。石段を下る途中に、ひょっこり現れる。ダジャレ店名と味わいのある書体。一体どんなお店だろうと、思わず覗いてみたくなる大人の好奇心をそそる店構えだ。

▲店を切り盛りする、藤極武志さんと奥様の由衣さん(愛称はふじしゃんとゆいしゃん)

店名の通り日本酒とコーヒー、そして和食と自然派ワインというご夫婦の「好き」が詰まったお店。藤川(旧姓)と藤極の“ふじふじ”コンビが織りなす酒と肴の饗宴に魅了された人が足しげく通っている。

藤極さんは、日本酒の品揃えがピカイチな『和食・日本酒バル 縁~ENISHI~ 銀座』で、飲食店のノウハウを学んだ。元々は、コンテンポラリージュエリーのデザイナーとして活躍していたが、27歳から飲食業に飛び込んだ。由衣さんは、服部栄養専門学校卒。コーヒー業界に8年間勤め、開業にあたり新宿『みのきち』で4年、京懐石で接客を経験した。

デザインワークスというデザイン会社が手掛けたちょっとレトロで、ウッディな内装。コの字カウンターで、ゆったり12席を暖色の灯りが温かに照らす。カウンターの目線が低く、家庭用のイスでしっかり腰を落ち着けられる。

藤極さんが厨房に入り、着物姿の由衣さんが接客をする。「おいしい料理も居心地の良い空間もどちらも提供したい。居酒屋と割烹の中間のようなお店を目指しています」と藤極さん。枠にとらわれない藤極さんだから作れる空間は、お酒のたしなみ方のわかる大人たちに極上の時間を約束する。

日本酒で結ばれた夫婦の酒コレクションが本気すぎる!

二人の出逢いは日本酒つながり。「スマイル日本酒」というイベントで知り合ったのだとか。しかも結婚記念日は10月1日の日本酒とコーヒーの日。そんなご夫婦が仕入れる日本酒は、どれも自信を持っておすすめできるものばかりだ。

燗酒にするお酒は、発酵期間が長く、酸がきいたものが中心。胃を起こし、食中酒にぴったり。

乳酸系の香りと柑橘系の酸が絡み合う「山陰東郷 生もと オレンジラベル」、これからの時期の秋刀魚に合う「いづみ橋 黒蜻蛉」、奥出雲産の一等米佐香錦100%を使用したリッチな「天穏 特別純米 馨」、無添加の蔵付き酵母で醸した「舞美人 山廃純米原酒(火入れ)」、70%に磨いた自家製米で醸した純米酒を6年以上熟成させた「十旭日 純米原酒 19by」など、品ぞろえも豊富だ。

燗酒はつける人によって、味が変わり、適当につければ、いい加減さがそのまま味に出てしまう。育てるように、慈しむように、日本酒愛にまみれた藤極さんのつける燗酒は、これまで縁のなかった人や、どうもおいしい一杯に出逢えなかったという人にも試してみてほしい。

冷酒は、限定出荷の「川鶴純米吟醸原酒Advance」はキレのあるふくよかな飲み口、肉料理に合う「遊穂 ゆうほのあか 山おろし 純米吟醸無濾過生原酒」、ろ過を最小限に抑え、生酒本来の味を楽しめる「新政No.6 G-type (元禄仕込)」など冷酒の実力派が揃い踏み。

▲オリジナルラベルは空き瓶を持って帰りたくなる愛らしさ

自然派ワインも目が離せない。しっかり発酵させたドライな口当たりで、食事と一緒に飲むにはうってつけ。主にイタリア産の自然派ワインを仕入れている。

おいしいは飽きないもの。日常には安心感を!

食材やお酒を仕入れる際は、品質の良さもさることながら生産者とのコミュニケーションも含めて、仕入れるかどうかを決める。味の良さだけでなく、どのような想いで作られたのか、ストーリーも一緒に飲む人たちと共有したいという考えからだ。

こちらは「雲丹茄子田楽」(写真上)。京都の山利の味噌を砂糖と酒でのばし、ウニを合わせた田楽をみずみずしい賀茂茄子にたっぷりかける。塩味の抑えられたまろやかな白味噌に、ウニの風味がこんなにも合うとは! これに熱燗をきゅっと入れれば、言うことなし。

ちなみに器は骨董市や現代陶芸家から買い付けを行い、この料理に使用した鉢は陶芸家・平松壯氏の作品だ。料理とマッチングした器選びも割烹らしさである。

アラカルトでお椀を注文できるのも嬉しい。「鮎魚女と冬瓜のお椀」(写真上)は、鰹だしの良い香りに、梅肉を添えた身のしまった鮎魚女が、胃を心地よく刺激し、食欲を沸かせてくれる。

「宮崎県産尾崎牛のたたき」(写真上)は、噛むほどにさっぱりとしたもも肉のうまみがあふれ出す。最初は塩とわさびで肉のうまみを噛みしめて。3口目以降は、レモン皮の塩漬けや生胡椒の塩漬けを肉に巻いていただく。特に生胡椒はエッジのきいた辛さがたまらない。

料理は日替わりでちょっとずつメニューが変化する。前菜、椀、焼き物、飯物、デザートから選び、自分で懐石コースを作ることもできるし、お造りとお酒のみで2軒目の使い方もできる。ポーションは、2人で分けてちょうど良いくらい。一人で訪れた時は、量の調整をお願いすることも可能だ。

食後は、由衣さんの淹れるハンドドリップコーヒーで至福の時を

「お腹にたまるような重厚なコーヒーもありますが、おいしい食べ物やおしゃべりをもっと弾ませるようなカジュアルに飲めるコーヒーが良いなと思って」(由衣さん)

そうして出逢ったのが、岐阜県にある珈琲工房『ひぐち』という喫茶店で提供している豆。由衣さん自身もこのコーヒーの味に惚れて、修行のために岐阜県に引っ越しをしたほどだ。

200gほどの少量ずつを仕入れ、香りも味もフレッシュなうちに飲みきれるようにしている。回転率も高いので、次に来た時にはまた新しい味に出会える。コーヒー好きを飽きさせないための工夫の一つである。

淹れていただいた「スペシャルティコーヒー」は、ホンジュラス産の豆・レンピーナを使用したもの。フルーティー香りに酸味と苦みのバランスが良く、軽やかな飲み口。腰を落ち着けて、リラックスして飲んでほしいということから、冷めてもおいしく飲めるものを厳選しているのだとか。〆の一杯とは、「コーヒー」のこと。これぞスマートな大人の嗜みだ。

ランチタイムは、打って変わって干物定食を提供中。熱海で干物専門店を展開する藤間義孝氏から特別に仕入れている。島根県浜田市のブランド「どんちっち鯵」を使った干物や、定番のサバやのどぐろなどを揃える。土鍋で炊かれたご飯を片手に、日本人に生まれてよかったと思う瞬間だ。コーヒーの持ち帰りも可能なので、“ふじふじ”の余韻まで持ち帰ろう。

「20年先も、お客さんの記憶に残るお店にしていきたいね」と口をそろえるお二人。ご夫婦の人柄とセンスの良い肴と酒に癒されたひと時、寂しい時も嬉しい時も、『燗コーヒー藤々』と一緒に共有したい、そう思わせてくれるお店である。

【メニュー】
雲丹茄子田楽 1,400円
鮎魚女と冬瓜のお椀 800円
宮崎県産尾崎牛のたたき 2,400円
お燗酒一合 600円~
冷酒一合 700円~
自然派ワイン ボトル 4,500円~
スペシャルティコーヒー 400円
ランチ
鯵の一夜干し(自家精米、小鉢、みそ汁付) 750円
鯖のみりん干し(同上) 850円
のどぐろの一夜干(同上) 1,200円

など

※価格は税込

燗コーヒー 藤々

住所
東京都新宿区荒木町10-14 伍番館ビル
電話番号
050-5487-6694
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
営業時間
月~土
17:00~23:00
(L.O.22:00)
定休日
日曜日
祝日
※12/30~1/6までお休みいただきます。
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/22pcfp0k0000/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。