「カスミソウ」のように、さりげなく、それでいて、どこまでも可愛らしいクレープ専門店
千葉県との県境にほど近い、ファミリー層が多く住むベッドタウンの東京・葛西。その葛西の駅前に、2017年1月30日、小さなクレープ店がオープンした。それが『BABY'S BREATH(ベイビーズ ブレス)』。
英名で「カスミソウ」と名付けられたこの店には、「カスミソウのように、人々の日々の暮らしを引き立て、彩る店にしたい」という、店主の佐藤さんの想いが込められている。
人通りの多い駅前にあって、決して派手ではないけれど、さりげなく、それでいて、どこまでも可愛らしい。そんな佇まいは「カスミソウ」のイメージそのものだ。
バターしたたる絶品クレープ「プレミアムバターシュガー」
一番人気は、最もこだわったという「プレミアムバターシュガー」(写真上)。バターがしたたるほど贅沢に焼き上げられた、こちらの「プレミアムバターシュガー」は、ひと口頬張れば、芳醇なバターの香りが口いっぱいに広がる。このために計算して作られたという生地がまたふわっふわでおいしい。
この味を求めて、常連になってくれるお客様も少なくないという。「とにかく生地がおいしいお店を作りたくて。今では生地だけ買って帰る常連さんもいらっしゃるんですよ」(佐藤さん)というから驚きだ。
「見た目は地味なのでインスタ映えはしないんですけどね(笑)」。そう楽しそうに語る佐藤さん。表面的な見た目に流されない、しっかりとした“本物の味”への追求がそこにはある。
「プレミアムバターシュガー」は、まず薄く焼いた生地の表面に、たっぷりと、店長さんこだわりのバターを塗っていく。大きな塊のバターが惜しげもなく塗り込まれていく姿は圧巻だ。
そのうちに、鉄板の熱でバターが溶け出し、生地に染み込んでいく。この工程のおかげで、中はしっとり、外側はパリっと焼かれた生地に仕上がるのだ。
生地にたっぷりとバターが染み込んだら、上から砂糖を振っていく。鉄板の上で焦がされた砂糖とバターが絶妙にまじりあい、芳ばしい香りが広がる。こうして「プレミアムバターシュガー」が完成する。
クリームはもちろん、生地の焼き加減にまでこだわり抜いた、クレープの数々
シンプルな生地の味を追求しながらも、メニューの豊富さも魅力だ。
店長の佐藤さんのオススメが「ラムレーズン生クリーム」(写真上)。北海道産の生クリームを贅沢に使用した一品だ。
ラム酒にじっくりと漬け込んだ自家製のラムレーズンがたっぷりとちりばめられている、まさに大人のためのクレープ。
こちらは王道の「いちごチーズケーキ生クリーム」(写真上)。ふわふわの北海道産生クリームがたっぷりで、ミルク感がしっかりしているのにしつこくなく、ペロリと食べられてしまう。
クレープの具材によって、生地の焼き加減に変化を加えているという。「クリームが柔らかいので、それに合うよう柔らかく仕上げるものや、反対にパリパリに焼くものなど、中の具材にあわせて、焼き加減にもこだわっています」(佐藤さん)。
そのほか、ドリンクメニューも充実。写真上は人気の『ロイヤルミルクティ(タピオカ入り)』。ミルクティも、お店で茶葉から煮出しているというこだわりよう。大粒のタピオカがたっぷりと入っている。甘さはひかえめなので、クレープにもぴったりだ。
地域に根付いた店作り。店名の由来「カスミソウ」に込められた想い
「大変なことは?」と聞いてみると、「ないです」と即答が返ってきた。反対に、「うれしいことは?」と聞くと、「やっぱり、月並みですけど、お客さんの『おいしい』っていう顔が、一番うれしいですね。クレープを買っていったお客さんが、食べ終わった後に戻ってきて『おいしかったです!』と感想を伝えてくれる。そんな瞬間が、一番うれしいです」。
味だけではなく、地域に根付いた店を目指したいと語る佐藤さん。これからも、クレープから生まれる、こんな小さな「幸せのコミュニケーション」が、まるで「カスミソウ」のように、地域の人々の幸せを、包み込んでいくに違いない。
(文・撮影/もぐもぐ食べ子)
【メニュー】
プレミアムバターシュガー 390円
ラムレーズン生クリーム 490円
いちごチーズケーキ生クリーム 520円
ロイヤルミルクティ(タピオカ入り) 390円
※価格は税込
BABY’S BREATH(ベイビーズ ブレス)
- 電話番号
- 047-702-9166
- 営業時間
- 13:00〜なくなり次第終了
- 定休日
- 不定休
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。