今までの屋形船は何だったのか!? 船上で豪快「築地マグロ」を食べ尽くす、大江戸「クルージング」体験

2017年10月11日
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今までの屋形船は何だったのか!? 船上で豪快「築地マグロ」を食べ尽くす、大江戸「クルージング」体験
Summary
1.江戸情緒あふれる和船ワールドにひたる2時間
2.屋形船のイメージを一新する独創的な料理の数々
3.エネルギッシュな演劇パフォーマンスは見ごたえあり

内装と料理をフルリニューアル! さらに豪華絢爛な世界へ

景色と食事を楽しみながら、優雅に東京湾を巡るクルーズは、観光客に人気のアクティビティ。いつもとは違う楽しみを求めて、特別な日に利用するという人も多いのではないだろうか。

一度は体験したことがあるという人にも、ぜひオススメしたいのが、御座船『安宅丸』のクルージング。2017年3月に内装を、7月に料理を全面リニューアル。見るもの、食べるもの全てが驚きとエンターテインメントに満ちたクルージングになっている。

東京湾を行き来する船の中でも、ひときわ目立つ赤い和風クルーズ船が『安宅丸』だ。

安宅丸とは、江戸時代に3代将軍・徳川家光によって造られた軍船形式の御座船。その船をイメージして御座船『安宅丸』は造られた。

また御座船とは将軍や大名が乗る豪華な客船のこと。高々と帆を上げるゴージャスな船で、東京湾をクルージングすれば、タイムスリップして、まるで殿様になったような気分になる。

「ななつ星」デザイナーによる豪華絢爛な大江戸ワールド

『安宅丸』内装リニューアルの中心となったのはデザイナーの水戸岡鋭治氏。JR九州の九州新幹線や豪華寝台列車「ななつ星」のデザインで一躍脚光を浴びた水戸岡氏は、船主である両備グループのデザイン顧問を務めている。その縁もあって、今回のリニューアルを監修した。

水戸岡氏デザインの特徴のひとつとして、和にこだわり、ぬくもりのある木を多用することがある。

『安宅丸』でも、金や黒、赤をベースにした華やかな色調の中に、組子細工など木製の装飾や、寄木細工風の床材などが効果的に使われ、豪華なだけでなく、より洗練された空間に生まれ変わっている。

1階には、舞台付きの『御座の間』と、窓越しに東京湾の景色を眺めながら食事ができる『後楽の間』があり、2階には展望デッキと、宴会にもぴったりな『貴賓の間』がある。

1階から2階に上がる階段は、ライティングにも工夫が凝らされ、インスタ映えバッチリな写真が撮れると人気のスポットだ。

独創的な店舗作りで有名な『浜倉的商店製作所』が料理をプロデュース

料理をプロデュースしたのは『浜倉的商店製作所』。昭和の雰囲気をそのまま生かしてよみがえらせた『恵比寿横丁』や、産地直送の食材を味わえる『有楽町産直飲食街』など、話題のスポットを続々と誕生させている仕掛け人だ。

今までとは一味違うプロジェクトとして『安宅丸』での料理プロデュースに関心を持ち、屋形船的なイメージを一新したい御座船安宅丸と両者のニーズが一致。今回のリニューアルとなった。

考案されたのが「豪快!築地マグロづくし!」(写真上)。国内外から集まる観光客に向けて、東京らしい食材をということでマグロを使い、「浜倉的商店製作所」ならではの独創的なメニューができ上がった。

前菜から始まり〆のご飯まで全てにマグロが使われ、マグロの多彩な魅力が味わえる。

和食は道場六三郎さんの店で料理長を務めた人が、洋食は元『資生堂パーラー』のシェフが、それぞれ調理指導を担当。船の上とはいえ侮れない本格的な料理がいただける。

「おおっ!」という歓声が上がること間違いなしのビジュアルの「マグロ中落ち(ブツ刺し)」(写真上)。築地直送のマグロ一本につき、一つしか取れない希少な部位だ。入手できる量も限られているため、数量限定メニューとなっている。

さながら築地市場のように、骨についた赤身をハマグリの貝殻で削ぎ落として食べるという演出も楽しい。骨の周りには驚くほど身があり、削ぎたての身は鮮度抜群。思わず夢中になって食べてしまう

『安宅丸』では、客室の下に本格的なキッチンが備えられている。このため、温かい料理はアツアツのできたてがいただける。ダイナミックな「マグロカマ塩焼き」(写真上)は、シンプルな調理でこそ素材の良さが生きる料理。脂がのった肉厚の身は、まるで肉を食べているかのような食べごたえ。

一見すると、まるでビーフシチューのような一皿が「マグロテール洋風煮込み」(写真上)。デミグラスソースから作る本格的な洋風煮込みだ。

テールは、マグロの中でもよく動く部位で、身が引き締まり、うまみが凝縮されている。時間をかけて煮込んだテールは、身がホロッと柔らかく、コクのあるデミグラスソースと絶妙にマッチしている。

「ぶっかけマグロ寿司」(写真上)は、ネギトロと赤身の両方がてんこ盛り。下のシャリが見えないほどの豪快なお寿司。マグロ尽くしの〆にふさわしい寿司になっている。

これらコース料理をベースに、『小澤牧場』直送の大沼牛のステーキや、産地直送の特大タラバガニがプラスされた、さらにボリュームアップしたコースも用意されている。

船内のバーカウンターには、デリ形式でだし巻き卵やたこの唐揚げ、北海道産大沼牛ローストビーフといった小皿がずらりと並んでいる。デッキで夜景を見ながら、つまみと軽く一杯など、居酒屋感覚で楽しむこともできる。

見ると元気がもらえる!エネルギッシュな「大江戸宴舞劇」

忘れてはならない存在が船上演劇「大江戸宴舞劇」だ。劇団四季出身のアーティストが中心になって結成されたクリエイティブチーム『アートカンパニーピエロ』がプロデュースした演劇パフォーマンス。こちらは歌舞伎や花魁など江戸情緒満載のエンターテインメントだ。

パフォーマーたちの歌もダンスもプロフェッショナル魂あふれ、見ごたえがある。御座船という非日常的な空間で、観客も巻き込んでの大盛り上がりのショータイムは、思わず時間が経つのを忘れるひとときだろう。

クルーズには、ワンドリンクと観劇がセットになったお手軽なコースからパーティー向きのプランまで様々なタイプが用意されている。ちなみにゲートブリッジを2度通るクルーズ船は『安宅丸』だけだそうだ。

取材に訪れた当日、東北から来た修学旅行生と、外国人の団体客が乗り合わせ、それぞれが東京ならではのクルーズを満喫していた。会社帰りにも味わえる、非日常の世界。観光客だけのお楽しみにするのはもったいない。パーティーや、友人たちとの集まりなどにぜひ利用してみてはいかがだろうか。

【メニュー】
アフタヌーンクルーズ 大人1,030円~
サンセットクルーズ
乗船料+ワンドリンク+観劇料 大人3,500円
乗船料+「築地直送!マグロ料理」+ワンドリンク+観劇料 大人5,500円
ナイトクルーズ
乗船料+「豪快!築地マグロづくし!」+ワンドリンク+観劇料 大人7,000円
乗船料+「彩食!産直!欲ばりコース」+ワンドリンク+貴賓の間or後楽の間 利用料 大人7,000円
※価格は税込

御座船『安宅丸』

住所
〒105-0022 東京都港区海岸2-7-104(日の出乗り場)
電話番号
0120-532-150
営業時間
アフタヌーンクルーズ14:50~15:30、15:40~16:20/サンセットクルーズ17:45~18:45/ナイトクルーズ19:45~21:15 *予約受付時間10:00〜19:00
定休日
月曜
公式サイト
http://www.gozabune.jp/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
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