連載♯2:南の島 「沖縄本島」にあるおいしい店
こんにちは! 仕事柄、日本全国各地を訪ねる私カメラマン福田が、今回もご当地のおいしい&コスパ良しの店をおすすめいたします。
前号では都心から行きやすい「熱海」を紹介しましたが、今回は飛行機に乗りますよ! 碧い空と澄んだ海・・・ そう、日本の南端、「沖縄」です!
『福岡ソフトバンクホークス』のオフィシャルポスター用の撮影を長いこと担当していたことがある私は、野球チームのキャンプ地として有名な沖縄は、撮影で何度も訪れている場所。それだけに、沖縄のあちらこちらにオススメしたいおいしい店があります。今回はそんななかでも「ロケーション」「ディープスポット」「ローカル感」とそれぞれテイストの違う3軒を紹介します。初心者はもちろん、沖縄に行き尽くした人でもアゲインしたくなるお店ばかりです!
ここは日本? 楽園にトリップしたような場所にある、本格ネパール料理の店
最初に紹介するのは、那覇市街から車で45分ほど南東に下ったところにある、サンゴ礁がきれいな南城市の新原(みーばる)ビーチにある『食堂かりか』。
国際通りの方から行くと、県道を走っている時には海なんてどこにあるの? と不安になるけれど、県道から急に狭い下り坂に差し掛かると鼻腔に潮風を感じ、角を曲がると…突如として広がるエメラルドグリーンの海!
国際通りで一杯やるにはまだ日が高い。そんな夕景がきれいな時間に仕事が片付いたときは「終わった~!」という開放的な気分になりたくてふらっと訪れたい店。『食堂かりか』はそんな開放感溢れる、海の近くに建っています。
この日の夜は沖縄料理をハシゴするつもりだった私は、ここでは小腹を満たす程度…と「チキンカレー」と「プーリー」を注文。そういいつつも、満腹中枢の食べ過ぎ注意アラートが鳴ったら「サモサ」はテイクアウトすればいいや(笑)ということで、悩んだ末に何品か注文してしまいました。
料理が出来るまでの暫しの時間を童心にかえって海を楽しむ。ふと店のほうを見ると、ネパール出身のシェフ、ジェイシー・ナラヤンさんが小窓から微笑んでいる。料理が出来たようだ!
急いで戻り、砂浜に裸足の足を埋めながら冷たい「マンゴーラッシー」(写真上・左)をゴクリと飲むと疲れが吹っ飛び、カレーに手が伸びる。
スパイスを炒め、玉ねぎと共にペースト状に煮込んだグレービーソースをベースに作る本格ネパール「チキンカレー」(写真上・下)をこの楽園の中でいただけるなんて。揚げたての「プーリー」(写真上・上)の甘い匂いが食欲をそそる。中が空洞な薄い生地の揚げパンなので、見た目程ボリュームもなく、カレーとよく合う。
カレーはスパイスが効いてはいるが激辛ではなく、野菜の甘みとスパイスが絶妙な加減で手が止まらなくなる。少し食べだして余計お腹が空くのスパイラル。「スパイスは漢方、暑い時の食欲増進」は嘘じゃないですね!
サクサクとした衣の中に、コロッケの中身のようなホクホクのじゃがいもが入っている、といえば伝わるだろうか。そんな日本人にも馴染みのあるような味の「サモサ」(写真上)は、テイクアウトの心配をすることもなく胃に消えてしまいました(笑)。
お腹もいっぱいになったところで海を見る。どんどん傾きながらオレンジになっていく太陽と、刻々と変化する海の色と、さざ波や風の音に最高に癒される。なんだこれ。最高の贅沢じゃないか。青い海と白い砂浜とカレー。ロケーションは最高のスパイス! この感動はプライスレスだ。
【メニュー】
チキンカレー 900円
プーリー3枚 450円
マンゴーラッシー 500円
サモサ2個 500円
※価格は全て税込
※レストラン利用の方は、かりか専用駐車場を90分まで利用可能
食堂かりか
- 電話番号
- 050-5837-2039
- 営業時間
- 10:00~20:00(L.O.)、水曜は~15:00 ※11月~4月は 10:00~17:30(L.O.)
- 定休日
- 不定休 (11月~4月は水曜定休)、荒天時
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
創業51年。一人で切り盛りするおばぁ手作りの激盛りおでんが一皿1,000円『おでん六助』
沖縄にはおでん文化があるのをご存知だろうか? 沖縄には通年通しておでんをやっている店が沢山あります。地元の人が行くようなスナック、いわゆるおばぁの店ではおでんとカラオケはつきものだが、観光客にはディープ過ぎて入りづらい雰囲気があるうえに、おでん=冬の食べ物というイメージがある本土の人には沖縄まで行ってわざわざ食べるものでもないと思ってしまうのも理由の一つだろう。
沖縄おでんの最大の特徴は「てびち(豚足)」「ソーセージ」「青菜(店によって色々)」が入っているところ。だしは鰹と豚バラや鶏ガラなどをミックスしていて、味つけが店によって異なってくる。
紹介したいのは『おでん六助』。こちらは沖縄移住歴15年の知人のダイニングバー『ECAQI』(マスターが絵描きなのでエカキ)のマスターに教えてもらったお店。スナックは地元のタクシー運転手か飲み屋で聞け!が、私の持論。マスターが開口一番「ここのおでんがうまいって地元では評判だよ!」と、案内してくれたのが『おでん六助』でした。
こちらが『おでん六助』のおばぁこと新崎洋子(ひろこ)さん。お歳をお伺いするのは差し控えましたが、六助は今年で創業51周年を迎えたところ。20歳でオープンしたとしたら70歳越え? そんな歳にはとても見えないし、トークも客さばきも素晴らしい熟練の技。広い店内をたった一人で切り盛りしていて驚きます。
こちらの店では大体なんでも1,000円と思っていれば大丈夫。一人で行っても、二人で行っても「おでん」が一皿出たら1,000円。2皿出たら2,000円。ビールも泡盛も同じ。1杯1,000円、1合1,000円といった具合。ボトルは四合瓶が3,500円と書いてあったので、銘柄によって前後していくかもしれないが、いろんな種類の焼酎から選んでもどれも1合1,000円だったので、同じザックリルールなのかもしれません(笑)。
さて、冒頭説明した通り沖縄おでんには青菜が入る。別茹でを添えるのではなく、おでん鍋にスーパー袋からダイレクトイン! そしてグルグルかき混ぜて火が入ったら取り出すというワイルドなもの。量も豪快。青菜を泳がせている間に、おでんダネを取り出していく。
「あのう~。ここに来る前にすでに3軒ぐらいハシゴしてるんです。お腹結構いっぱいで…ス、スゴイもりもりですけど~。も、もういいですよ。残しちゃうと悪いですし。」と止めたが「大丈夫。さら~っと食べれちゃうから。」と洋子さん。本当?大丈夫?不安を覚える結構満腹の私たちをよそにグイグイ盛っていく。
「はいどうぞ~」と笑顔で差し出された「おでん」(写真上)はてんこ盛り。どでかいてびち、ソーセージ、卵、どでかい大根、青菜(レタス、空芯菜)どでかいジャガイモ、ちくわ、どでかい厚揚げ、こんにゃくなどなど、この量で1皿1,000円。プラス1合焼酎を二人で飲んで大満足。この日の払いは結局ひとり1,000円だった。安すぎる。
先ずは青菜をっていうか青菜の蓋をどかさないと何もたどり着けない盛り…「うまい!!!」
「洋子さんスゴイおいしいです。だしはどうやって作っているんですか???」と聞くと、本当に嬉しそうに微笑んで教えてくれた。「鶏ガラとカツオのだしを別々の鍋に作って、それを毎日合わせて作るの。うちは継ぎ足しは絶対にしないの、毎日作るのよ。」てびちも青菜も煮ているのにどうりで澄んだスープ!
「ガラは何時間煮込むんですか???」「3時、4時、5時…5時間かしら」「てびちは何時間でこんなに柔らかくなるんですか???」「3時、4時、5時…今ぐらいには」な、なるほど。洋子さんが15時出勤ってことはわかった(笑)。指折り数える洋子さんが微笑ましくて、もはや抱きしめたい。
ブラウン管久しぶりに見たなぁ…カラオケは1曲100円です。(お金は歌うときに洋子さんに渡してね!)
おいしいおでんを味わっているうちにうちにカラオケが始まった。「はい」と、タンバリンを渡され、見知らぬ人たちのカラオケに合の手を促す。おでんも半ばを過ぎた頃合いを見計らっての絶妙なタイミング。隣に座ったおじさんが妙にからみ酒で私に話しかけるのも見逃さない「はい!近づかない!触らない!嫌がるでしょ!」絶妙にいなしていく。本土から来た私たちの為に沖縄の歌をリクエストしてくれる配慮も忘れない。
私がいる1~2時間の間に、自分たちを含め15人ほどが入れ替わり立ち代り20代~70代ぐらいまで年齢層も幅広く訪れていた。理由はわかる。幾つになってもかわいらしい洋子さんとおいしいおでん。創業何年になっても洋子さんが生きている限り続く「うちなーんちゅ」に愛されるお店に間違いない! また洋子さんに逢いに必ず戻ると心に誓いたくなる夜になることを保証致します(笑)
【メニュー】
おでん 1皿 1,000円
ビール 1杯 1,000円
泡盛 1杯 1,000円
日本酒 1杯 1,000円
※価格は全て税込
おでん六助
- 電話番号
- 098-867-6540
- 営業時間
- 22時以降入店可(多少前後する場合あり)
- 定休日
- 不定休
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
飲みすぎた日の翌日に食べたい「ゆし豆腐」がなんと280円
沖縄は早起き文化があんまりないので朝早くやっている店がない。ビジネスホテルの味気ないごはんを旅の一食にカウントしたくない私は、「仕事前にゆし豆腐食べたい~!」と、とある飲み屋のカウンターで泡盛を煽りながらワガママを言っていたら、隣に座っていた見知らぬ海人(うみんちゅ)のおじさんが親切におしえてくれたお店がこちら『あやぐ食堂』。
開店直後の9時にお邪魔したのだが、朝からお客さんで混雑していた。テイクアウトのお弁当もやっているので、出勤前に受け取って出て行くお客さんも多かった。ホテルの部屋で食べたい! など、テイクアウトもお値段据え置きでやっているので、すっぴんの彼女のために早起きしてホテルに持ち帰るのもオススメ。そんなすてきな気遣いが出来るあなたは相当のモテ男だ。
こちらはいわゆる沖縄料理もある定食屋といったところだろうか、「チャンプルー」や「ソーキそば」など沖縄料理の合間にカツ丼やカレーライスなども揃った、毎日来ても飽きないお店。地元民の食を支えている。
昨晩深酒だけど胃を整えるためにも軽~く入れたい。そんな時にぴったりなのがこのゆし豆腐。「ゆし豆腐のみ」(写真上)の注文でなんと280円。この日は前日のはしご酒で胃に負担がすごかったので一杯のかけ蕎麦のようにこれを二人でわけあって食べて、一人の払いは140円。なんだかお店に申し訳ないぐらいだった(苦笑)。沖縄特有のソーキそばのようにあっさりとしているがコクもあるだしに浮いたふわっふわのゆし豆腐は五臓六腑に染みわたり、二日酔いが吹っ飛ぶ。
「何これ豆の味が濃くておいしい!!!」や~一人1杯ずつでもよかったかも。食欲が俄然蘇った。
こちらの豆腐はお婿さんである上原 健さんが首里にある姉妹店の『ななほし食堂』で作っているのを運んでいる作りたて。より作りたてをいただきたかったら『ななほし食堂』に行った方がいいのだがこちらは朝10時スタートで、朝食代わりというよりはブランチになってしまうので、今回はローカル感漂う『あやぐ食堂』をご推薦。ちなみに『ななほし食堂』はカフェっぽい雰囲気なので、若い女子などを誘う時はそっちに連れて行くときっとMMKだ(もててもてて困っちゃうの略)。
【メニュー】
ゆし豆腐のみ 280円
豆腐ちゃんぷる定食 600円
あやぐそば 530円
※価格は全て税込
あやぐ食堂
- 電話番号
- 098-885-6585
- 営業時間
- 9:00~20:00(L.O.)
- 定休日
- 水曜 (旧盆最終日休、年始休)
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
以上、「ロケーション」「ディープスポット」「ローカル感」と濃い~ラインナップでおおくりした「沖縄編」でした!あなたもぜひイチャリバチョーデー(出逢ったらみな兄弟)の精神で、行ってみてね!!
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【写真の撮り方コラム】《VOL.3 手間を惜しまず》器は撮る方向に合わせて動かすべし。
以前某ラジオ番組で、世界の渡部さんに携帯での料理の撮影の仕方を伝授しに行ったことがある。なぜか世界の渡部さんはお寿司も建物も全部縦位置で撮影していた。
あとで聞いたら「ブログだと縦位置の方が、写真の表示が大きくていいから」というのがその理由だったが、横長の建物が縦に切られてお店の外観や内観がわかりづらかったり、お寿司が真ん中に小さくあるだけで、上下に何もない構図になっていたりするのが気になった。
横位置(写真上・左)や縦位置(写真上・右)で撮影する時には、それぞれ器やお盆、副菜などを面倒がらずに横位置、縦位置に合った場所に動かすと、収まりが良くなる。
器が写真上・左の状態に置いたまま縦で撮ったら、沢庵は切れて上下に空きができてしまいますが、写真上・右のように器やお盆を移動すれば、ちゃんと構図に収めることができるからである。
料理と一緒で写真もそう。手間を惜しまずです。
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