一説では、かの国の英雄の名前に由来する料理、ジンギスカンでおなじみの「ラム」。生後12カ月以下の仔羊であるラムは、成羊のマトンより身質が柔らかく、クセも格段に控えめ。近ごろは栄養食材としても注目され、牛や豚、鶏に続く“第4の肉”として提供する店が増えている。
そのラムをメインに据え、ラムのしゃぶしゃぶ、通称“ラムしゃぶ”の食べ放題として人気なお店が東京・秋葉原にある『めり乃』だ。
白状しよう。まず「食べ放題」という無邪気なキーワード、しかも飲み放題が付いて3,680円(※コースによる)というリーズナブルさ。これらから“巷によくある若者向けの店“かと思いきや、どっこい、それをはるかに上回るうまさと太っ腹っぷりに、実は筆者、早くも次回予約済みである。
注目食材・ラムを心ゆくまで
「ラムは近年注目の集まっている食材です。栄養価が高く、特に脂肪燃焼に効果的な L-カルニチンは豚肉や鶏肉よりも多く含まれると言われています。またタンパク質や鉄分、ビタミンB2なども豊富で、女性におすすめしたい美容食材でもあります」と、運営企画本部の浅野源さん。
基本は「ラムしゃぶ食べ放題+2時間飲み放題付きコース」3,680円と、「ラムしゃぶ食べ放題+タンしゃぶ食べ放題+2時間飲み放題付きコース」 4,680円のコース(写真上)の2種類から注文。
ニュージーランド産のラムのショルダーは、そのわずかな脂のクセをも減少させるため、切り出した後に冷凍し半解凍で提供する(写真上)。整然と並ぶ肉の列上には、羊毛に見立てた綿アメ。決してお客の童心をくすぐるためだけの演出ではなく、これをつゆに溶かすことでコクと甘美な余韻を舌にもたらす黒子として鎮座する。
透けるようなさくら色の肉を昆布で取っただしにくぐらせる。ヒツジという異国生まれの動物の軽妙な風味が和の滋味深さと出逢い、それはそれは上品に味が膨らんでいく。が、それも一瞬。魅惑の味を確認しようとするもキメ細かい身質はわずかな芳香だけを残し、口の奥へと消えていく。そしてまた肉が並ぶ皿へ箸が伸びる。これが永遠に続けられそうなほど、軽く、うまい。
対する牛タンは、慣れ親しんだ味わいと適度に締まった身質が噛む行為を楽しくさせてくれる。2回目の注文以降は少量ずつ提供されるが、初回は迫力の60枚ほどが敷き詰められた牛タン無法地帯で始まる。
心ほぐす鶏ガラ×個性派の香草郡! ラムフォーは必食のサイドメニュー
そして、サイドメニューでとくに素晴らしいのが「ベトナム汁そば“ラムフォー”」(写真上)。
鶏ガラスープの熱でラム肉に火を通し、芳香放つスープをひと口。これが笑ってしまうくらいうまい。鶏の丸い味わいに胃の門がそっと閉じそうになるが、バジルやミント、パクチーなど個性派の布陣をちぎり入れると終息ムードは一転、むせ返るような香草の香りにふたたび食欲がかき立てられる。
遊び心満点のデザートで〆!
目にも愉しい「ひつじのもこもこパンケーキ」(写真上)は、ふっくらと口あたり軽く焼き上げたパンケーキをマンゴーソースやラズベリーソースなどで彩った遊び心溢れるデザート。フルーツの甘酸っぱさと綿アメの懐かしい甘みが余韻となって残る。
同店はすでに毎週通う常連もいるとか。しゃぶしゃぶという素材の持ち味を活かす方法で、ジンギスカンとはひと味違った魅惑のラムの世界を教えてくれる期待の店だ。
【メニュー】
・ラムしゃぶ食べ放題+2時間飲み放題付きコース 3,680円/1名様
・ラムしゃぶ食べ放題+タンしゃぶ食べ放題+2時間飲み放題付きコース 4,680円/1名様
・ベトナム汁そば“ラムフォー” 1,200円
・ひつじのもこもこパンケーキ 980円
※価格はすべて税抜
撮影:榊智明
鮪と炭火焼き うお炭 uozumi 秋葉原店
- 電話番号
- 050-5484-4152
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
- 営業時間
- 月~金・祝前日
ディナー 16:00~23:00
(L.O.22:00、ドリンクL.O.22:00)
土・日・祝日
12:00~23:00
(L.O.22:00)
- 定休日
- 不定休日あり
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