代官山といえば、ブランドショップや人気のカフェが点在し、流行最先端でお洒落なキーワードがぴったりとハマるエリアだろう。そんな場所に新たな日本酒のセレクトショップが誕生した。
『未来日本酒店』と名付けられたその店は、戦後間もない頃、実際に酒屋として営業されていた店舗をリノベーション。この界隈では一番古い建物で重厚な造りではあるが、高感度の高い代官山にしっくりと馴染んでいる。
「酒販店」「角打ちバー」「サロン」という3つの顔を持つ『未来日本酒店』
こちらの『未来日本酒店』は、「酒販店」「角打ちバー」「サロン」という3つの顔を持つ。
「酒販店」では、常時150種類の日本酒を扱っており、「FRUITS & DESSERT」「SPARKLING」「VINTAGE & LUXURY」「RAW & FRESH」「CLASSIC」「TERROIR & ORGANIC」「PICK UP」という7つのカテゴリーに区分して、日本酒初心者にも、外国人にもイメージしやすいよう表記している。
「FRUITS& DESSERT」は果実酒を意味し、『玉乃光酒造』の梅酒や『赤武酒造』のりんごやみかんを使った日本酒が並ぶ。口当たりも良く甘い、日本酒初体験者におすすめだ。
発泡酒の「SPARKLING」は、まるでシャンパンのような美しい泡を立ちのぼらせ、瓶内二次発酵させたきめ細やかな泡の「MIZUBASHO PURE」や「菊泉 ひとすじ」などがあり、乾杯酒に最適。
熟成酒の「VINTAGE & LUXURY」」は、綺麗に熟成され飲みやすいタイプ「水芭蕉 純米大吟醸 Vintage2005」や、芳醇で華やかな香りと複雑さを同時に味わえる「妙花闌曲」などがラインナップ。古酒は飲みにくいという苦手意識を持っている人でも、ひと口飲めば、きっとその思いは覆ること間違いないだろう。特別な日や贈り物にも最適だ。
絶対に押さえておきたい!若手杜氏の日本酒「Starsシリーズ」
ピックアップに並ぶお酒は、『未来日本酒店』でしか入手できないものも多数。特に、若手杜氏が未来日本酒店のためだけに醸した銘柄「Starsシリーズ」は注目だ。
「Stars Red」(写真左から3本目)は、新潟県『阿部酒造』の阿部裕太さんが担当。製造責任者になり立ての彼が造る酒は、淡麗の印象が強い新潟のお酒とは一線を画す、芳醇で旨口。
「Stars Blue」(同・4本目)は、石川県『吉田酒造』の吉田泰之さんによるもの。フルーティな酸味の中にうまみがあり、フレッシュでガス感も残るタイプ。
「Stars Pink」(同・5本目)は、島根県『一宮酒造』の女性杜氏・浅野理可さんが醸す、フルボディなお酒。ストーリー性があり、ボトルもスタイリッシュで新しい日本酒だ。
これらの若い実力杜氏が、今後の日本酒業界を担っていくのだろう。
「角打ちバー」ではレアな日本酒も400円前後で試飲可能!
「角打ちバー」では、昔からの角打ちのイメージとはかけ離れたスペースを用意している。
洋服を試着するように、日本酒も気軽に試飲して欲しいという思いから、店内のショーケースに入っているお酒のほとんどを400円前後(1杯70ml)で味わうことができる。看板に書かれているのはその日のおすすめ。
おつまみは、基本的に店内で販売されている、ご当地の逸品が味わえる。写真上は「牡蠣味噌乗せジャンボ冷奴」と、それに合うオススメの「山形正宗 秋あがり」。
この牡蠣味噌も気に入ったら購入でき、家でも簡単に作れる“速攻おつまみ”だ。
日本酒約140種類が3,500円で飲み放題の「サロン」も併設
2階に上がると、テーブルと椅子が設置された空間となっている。こちらの「サロン」は、2時間3,500円で飲み放題のスペースとなっている。
飲み放題の日本酒は、店内150種類のうち約140種類全て選択可能。ルールは簡単。1人2本までテーブルへ持っていける。飲んでいる途中でも、他の銘柄への変更は何度でもOK。好みのお酒を延々飲むのもよし、ひと口ずつたくさんの銘柄を試すもよし、自分のペースで楽しめる。
ただし、スパークリングに関しては、飲み切れる場合のみOK。封を開けてしまうと、ガスが抜け劣化が始まるからだ。しかし、数人で行った場合は飲み切れるだろう。乾杯用に選べば良いスタートをきれるはず。
おつまみは、1品注文すれば他は持ち込み可。おしぼり、箸、取り皿も人数分提供されるため、すぐ近くにあるスーパーやコンビニで購入して来店する人も多い。
友人たちと気軽に日本酒を楽しめる飲み放題だが、それだけでなく、1人で参加する人もいるという。酒燗器も無料でレンタルできるため、温度変化の味わいも確認でき、日本酒上級者がハマるのも頷ける。
このスペースは、今後、蔵元会や日本酒イベントなども定期的に開催する予定だというから、蔵元との交流を望んでいる人はぜひこまめにチェックしたい。
日本酒の仕入れは店長の寺田祐貴さん(写真上・左)とオーナーの山本祐也さん(同・右)で行っている。
基本的なコンセプトは、規模が小さい蔵。そして、造り手にスポットを当てた選び方だという。
「東京ではまだ認知度が低い、一般的には知られていないが実力がある蔵を優先的に、そして、4~5年先に大きく成長しているであろう杜氏の造った商品を並べていきたい」と寺田さん。
そして、山本さんは「日本酒が売れるための動線を作る。そして、日本酒業界を新陳代謝させる」と断言する。
未来日本酒店 Daikanyama
- 電話番号
- 03-6312-2448
- 営業時間
- 13:00~22:00(L.O.21:30)
- 定休日
- 年末年始
- 公式サイト
- http://miraisake.com
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。