渋谷駅と恵比寿駅の中間、並木橋交差点の一角に誕生したある一軒の店。通りに面した大きなガラス窓から望む店内は一見、洒落たカフェのようで、白壁にうどんを模したシルエットがくっきりと浮かび上がっている。
実はここ、元芸人・オモロー山下さんの店『山下本気うどん』の2号店。2017年10月4日にオープンしたばかりの渋谷並木橋の店である。
1号店オープンから5年、念願の2号店
『山下本気うどん』は、香川県高松市出身のオモロー山下さんが「店をやるならこんなうどん屋!」と、その味に惚れ込んだ新宿の繁盛店『うどん 慎』で修業後、2012年に目黒駅近くにオープンした店。故郷愛に溢れたしなやかな麺と関西風のだしの組み合わせ、さらに山下さん考案のユニークなメニューが受け、一躍人気うどん店の仲間入りを果たした。
そして待望の2号店。広報の門菜美さんは「渋谷並木橋の店では、昨今のうどん酒場の流れを汲み、よりゆったりと過ごしていただけるよう内装に配慮し、目黒店にはない一品料理やアルコール類もご用意しています」と話す。
「女性が食べやすく、飲んだ後の〆にも合うほっそりしなやかな麺が理想。本店とは小麦粉の配合や熟成を少し変えています。先日、山下さんにも来ていただいたのですが、『いいね!』とOKをいただきました」と、本店での修業を経て渋谷並木橋の店を任される店主・門勇馬さん。本店の麺を知る者からすれば、わずかではあるがたしかにコシを抑えてあることが分かる。代わりに麺表面のなめらかさが増したように思う。好みで店舗を使い分けるのもいいだろう。
山下さんも胸を張る“本気”の2大最強メニュー
看板メニューは、目黒店でも絶大な人気を誇る「カレボナーラうどん」と、「鶏天タルタルぶっかけうどん」の2種類。
「カレボナーラうどん」(写真上)は、カレー味とカルボナーラ味のいわばハーフ&ハーフで、目にも愉しく、何よりひと口ごとに変化する味わいの虜になる。門さんがおすすめの食べ方を教えてくれた。「まずはカレーとカルボナーラ、それぞれの味を。その後お好みで混ぜていただけば、3種類の味がお楽しみいただけます」。
対照的な味わいだからこそ混ざると面白い。“超”がつくほど濃厚な牛テールカレー、対して生クリームを使いながらもさっぱりとした口当たりに、隠し味の濃口醤油で和風に寄せたカルボナーラ。黒と白、対極の重なりが生む刹那な味わいに、どうにも箸が止まらなくなる。
ジャンクだがやみつきになる、そんなファインプレーを見せてくれたのが「鶏天タルタルぶっかけうどん」(写真上)だ。しっかりと締めたうどんに、こぶし大の鶏天と特製タルタルをトッピング。
濃いつゆで食べるのだが、この一見脇役のタルタルがどうだろう。シャープな酸味で鶏の脂を適度に引き締め、食べれば食べるほど食欲が増進される気さえしてくる。秘密は、1カ月間(!)しっかりと酢漬けにしたタマネギにあり。粗くきざんで食感を残し、つゆとの相性も考慮して味を調えてある。
うどんの他「天ぷら盛り合わせ」(写真上)に「さつま揚げ」「牛皿」など、ツボを押さえたつまみ数種と、飲みやすさを重視したはちみつ入りの「すだちなサワー」や「“本気”なレモンサワー」といった柑橘系のサワー、月替わりのお楽しみワンカップなども加わった『山下本気うどん』新店。より腰を据えて楽しめそうだ。次はうどん好きの友人を誘って夜、訪ねてみよう。
【メニュー】
カレボナーラうどん 930円
鶏天タルタルぶっかけうどん 890円
天ぷら盛り合わせ 790円
すだちなサワー 450円
※価格は税込
山下本気うどん 渋谷並木橋
- 電話番号
- 03-3407-5771
- 営業時間
- 平日 11:00~23:00(L.O.22:30)、土日祝 11:00~22:00(L.O.21:30)
- 定休日
- なし
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。