とにかくビッグサイズ! その大きさに思わず引き付けられる「新カステラ」
JR中央線・高円寺駅近くにある『新カステラ』。店名の通り、カステラを製造・販売する店だが、日本でおなじみのそれとは一線を画すオリジナル商品だ。
焼き上がり時間に店の近くを通ると独特のやさしい香りが漂う。さらにできたての、フワフワとした大きな「新カステラ」を丁寧に切り分ける様子を見てしまったら、そのまま通り過ぎるのは、むしろ勇気がいるかもしれない。
2017年8月にオープンした店だが、早い時期からリピーターが続出。そのため、当初は製造が追いつかず、並んでも買えなかったり、閉店時間を待たずに売り切れたりすることも多かったようだ。現在は店頭と電話で予約を受け付けており、前もって伝えておけば取り置きをしておいてくれる。
『新カステラ』のメニューは、卵をぜいたくに使った「プレーン」とプレーンにほどよい甘さの生クリームをはさんだ「生クリーム入り」、さらに期間限定商品の3種類をラインナップしている。
「プレーン」(写真上)は、できたてと時間が経って熟成した後では食感や味わいが異なる。できたては見た目がフワフワしており、食感はスフレのよう。たっぷり使われた卵の味が際立つような印象だ。
しかし時間が経つと「フワフワ」が「しっとり」に変化。シフォンケーキのような軽さがありながら、材料すべてがしっかり融合していることが分かる。やわらかさは保ちつつも、うまみが凝縮されることで、よりおいしさが引き出されるというわけだ。
「生クリーム入り」は、焼き上がってすぐに生クリームを挟むことができないので、購入したときからしっとりした状態。生クリームも自家製で「新カステラ」のやわらかさにマッチしている。
どちらも購入当日に食べきれないときには、冷蔵庫で保存を。プレーンのほうは、翌日、食べる前に電子レンジで温めるとふんわり感が出て、よりおいしく食べられる。
台湾で流行の大型カステラ「現烤蛋糕」が「新カステラ」になるまで
ところで、店名にもなっている『新カステラ』だが、これは台湾の港町・淡水地域で名物の大型カステラ「現烤蛋糕」を独自に研究し、新たに開発したもの。店長さんに話を聞いた。
「『新カステラ』は約1年かけて作り上げました。台湾の「現烤蛋糕」は新カステラよりもっと大きく膨らんでいます。また、焼く時間は当店より短く、温度も高いので、表面に厚みがあり、香ばしい仕上がりです」(店長さん)
「現烤蛋糕」は韓国でも扱っている店が多いため、台湾の他、韓国の「現烤蛋糕」についても研究し、日本でたくさんの人に喜んでもらうためにはどうすればよいかを考えたという。そして、イーストやソーダといった化学添加物を使わずにふっくらとさせる方法を開発し、「現烤蛋糕」とも、日本のカステラとも違う「“新”カステラ」を生み出したそうだ。
「新カステラは見た目だけでなく、味も工夫しています。甘さを控えめにして、食事としても食べられるようにしました」(店長さん)
実際に朝食としてプレーンを食べてみると、口の中にイヤな甘さが残ることもなく、やさしい味で、いつもよりちょっと幸せな朝が迎えられたような気がする。
おいしい噂は広がり、遠くから買いに来る人も
高円寺駅周辺を行き来する人の間で話題になり、あっという間にたくさんのファンを生んだ『新カステラ』。ひっきりなしに買い求める人が訪れ、また、予約した商品を取りに来る人も多いという。人気は衰えないどころか、むしろより多くの人たちを引き付けているようだ。
「今はわざわざ遠くから買いに来る人もいますよ。この間は『東京に来たらぜひ寄りたかった』とおっしゃる方がいて、そのお客様は北海道からいらしたそうです。それから、台湾で食べたことがある人が『あの味が忘れられない』と言っておいでになることも多いです」(店長さん)
また、期間限定商品も注目のひとつ。2017年12月までは「イチゴカステラ生クリーム入り」が販売されていたが、今後も期間限定で色々なテイストの「新カステラ」に出逢えるのが嬉しい。
今までにない味わいで値段も手ごろなので、ホームパーティの手土産にもピッタリ。見た目にも味にもインパクトがあり、喜んでもらえるに違いない。ただし、パーティに持っていくときには、その前に一度、自分用に購入したほうがいい。きっと切り分けた分では物足りないはずだから。
【メニュー】
プレーン 680円
生クリーム入り 880円
※価格は税込
新カステラ
- 電話番号
- 03-6383-1163
- 営業時間
- 11:00〜20:00(売り切れ次第閉店あり)
- 定休日
- なし
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。