初日の出と初詣スポットが豊富な鎌倉で「外ごはん」!
古都・鎌倉は、新宿駅からJR・湘南新宿ラインで約1時間。東京からのアクセスもよく、国内外からの観光客で年中にぎわう。お正月になるとさらに人が集まり一層華やか。それもそのはず、美しい初日の出を拝めるほか、初詣スポットがたくさんあるのだから。
JR駅から商店が軒を連ねる小町通りを抜けて、鶴岡八幡宮(写真上)へ。人の流れに続けば迷わず到着できる。鎌倉幕府を開いた源頼朝公が、由比ヶ浜にあった八幡宮をこちらに移したのが始まりと言われる。江戸建築で、国の重要文化財である本殿は圧巻で、毎年初詣ランキングでは10本の指に入る。
鎌倉駅から江ノ電に乗って、あるいはのんびり散策して長谷方面へ。鎌倉大仏に会いに行こう! 鎌倉駅前にはレンタサイクルもあり、自転車なら行動範囲がさらに広がるだろう。長谷寺の見晴台からのご来光も素晴らしい。
初日の出や初詣を満喫したあとは、鎌倉に根をはる名店を訪ねよう。元旦から営業している店も多くあり、お正月にふさわしいメニューにも出逢える。
元旦から暖簾をかける、地元自慢の名店『仲の坂』。出世を願って(!?)天然ブリで昼食を
鎌倉駅西口から徒歩2分。砂利道の路地突き当たりにある『仲の坂』は、一軒家の和食店。店主・加藤正和さんが生まれ育った鎌倉の字名「仲の坂」を店名に掲げて、この地で根を張り35年になる。元来、釣り好きの目利きで仕入れる活魚を、気軽な定食で味わえるのが醍醐味だ。
「お正月は市場が休みで仕入れが減るね。でも養殖や冷凍は使いたくない。だから、自慢のアジフライは、正月は出せないんだよ」と、加藤さん。元旦朝に、逗子にある「岩殿寺」(坂東三十三観音の2番札所)へ詣で、2018年最初の暖簾をかける。
イチ押しは、出世魚のブリを主役に盛る「刺身セット」(写真上)。刺身がメインだが、サイドメニューはカキフライと焼き魚からチョイスできるのがうれしい。天然ブリの甘くねっとりした食感と、カキフライの細かい衣でうまみを封じ込めたサクサク感を、交互に味わう贅沢ざんまいなお料理だ。
1人〜2人ならカウンターで、加藤さんの包丁さばきを眺めながら。家族づれなら奥のお座敷、掘りごたつ席で。
日本酒は、加藤さんが好きな岩手県の「酔仙」、宮城県の「浦霞」の2種類。お正月らしくお天道様が高いうちからお酒を傾け、粋な時間を過ごしたい。
【メニュー】
刺身セット(カキフライ付き)定食 1,730円
仲の坂弁当 3,780円
※価格は税込
仲の坂
- 電話番号
- 0467-25-5227
- 営業時間
- 11:30〜15:00(L.O.14:30)、17:00〜21:00(L.O.20:00)、日・祝は11:30〜21:00(L.O.20:00) ※元旦~3日は11:30〜18:00まで通し営業
- 定休日
- 木曜
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
四条流庖丁道の経験豊富な板前さんが腕を振るう『海月』で麗しい正月料理を
人が数珠つなぎになる小町通りを避けて、ひょいと脇道に入ると、思いのほか静かに食事を楽しめる地元自慢のお店に出逢う。元旦から4日までは、12時から21時まで通し営業する『海月』は、内緒にしておきたい穴場だ。鎌倉伝説の居酒屋『長兵衛』があった場所にあり、夏は海の家も営むという、知る人ぞ知る人気店なのだ。こちらのお店では、お正月ならではの特別メニューを用意する。
香りと色合いがお正月気分を高める「ゆず釜」(写真上)。こちら、ゆずの香りがお正月らしい! くり抜いた中には、オレンジに光るイクラがたっぷり。家でおせち料理を用意しなくても、『海月』でお正月気分が味わえる。
続いて、透き通っただしが上品に香る「お雑煮」をどうぞ。京都で腕を磨いた板長の、渾身の一椀だ。美しい包丁の技を愛でながら、伸び〜る丸もちに頬もゆるむ。
海色の器にひと際映えるのは、ボタンエビと三崎マグロを盛り込んだ「お造り」(写真上)。『海月』では日本酒を40銘柄ほどラインナップするが、なかでもおすすめは、岡山県『嘉美心酒造』の「冬の月」。通常のラベルのデザインは三日月だが、「120本に1本しかない満月ラベルを、ご用意できるタイミングもありますよ」と、店主の吉川美衣子さん。満月ラベルの日本酒に縁起をかついで乾杯しよう。
野菜不足になりがちなお正月、『海月』の名物「鎌倉野菜のせいろ蒸し」(写真上)でしっかりビタミン補給を。自家菜園も持つ『海月』ならではの、、新鮮で味が濃い野菜も登場する。
【メニュー】
お雑煮 600円
ゆず釜 1,000円
お造り 1,800円
鎌倉野菜のせいろ蒸し 900円
日本酒 嘉美心「冬の月」 1合800円
(お酒を注文の方のみ お通し300円)
※価格は税抜
鎌倉ごはん 海月
- 電話番号
- 0467-24-9335
- 営業時間
- 11:00〜15:00(L.O.14:30)、17:30~24:00(L.O.23:30) ※元旦〜4日は12:00〜21:00 通し営業
- 定休日
- 火曜
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長谷寺、鎌倉大仏でおなじみの高徳院が近い気軽な定食屋で、満腹しらす丼!
“定食屋”を掲げる『しゃもじ』は、一人でも、グループでも気軽に入れる食堂風。元気なスタッフに迎えられると、初詣で凍えた体も瞬時にほぐれる。
鎌倉出身で、イタリアンの経験もある店主・松浦啓太郎さんが「毎日食べたい、一生付き合う和食」に行き着き、「毎日食べるものこそ健康につながる」と、京都で丁寧に醸造される「千鳥酢」、種子島の無漂白の砂糖、羅臼昆布など素材から吟味する。
数あるメニューを眺めて迷ったら、迷わず「しらす鉄火丼」(写真上)を。紅白の彩りがなんともおめでたい! 口どけの良い天然メバチマグロの赤身と、ふわふわの釜揚げしらすの相性の良さは、半端ない。しらすはもちろん地場産で、鮮度は極上。ふっくらご飯にマグロとしらすを上手に乗せて、ひと口で。口中で三味一体になっていく。
途中、自家製「あおとう醤油麹」や、「寿司酢」をかけて味の変化を楽しむのが『しゃもじ』流。「あおとう醤油麹」はお土産にも喜ばれる。また、伊勢海老を食べて育った味の濃い地タコを使う「たこめし」も、新春にデビューする。
“定食屋”といえど、お酒も揃う。選りすぐりの日本酒、鎌倉ビールや国産生レモンを搾る「生レモンサワー」も人気ものだ。
【メニュー】
しらす鉄火丼 1,900円
だし巻き玉子定食 1,000円
たこめし定食 1,200円
からあげ定食 1,100円
鎌倉ビール(月) 800円
生レモンサワー 650円
※価格は税込
定食屋 しゃもじ
- 電話番号
- 0467-24-5888
- 営業時間
- 11:30〜14:30(L.O.)、17:00〜20:00(L.O.)ドリンクは~20:30(L.O.)閉店~21:00 ※2日から通常営業。予約は前日までに
- 定休日
- 火曜
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『和料理 日和』で、お正月のハレご飯に出逢う
広い窓から、鎌倉駅ホームと源氏山が見える『和料理 日和』では、凛とした雰囲気のなか、会席コースを楽しめる。鎌倉出身で41歳になる店主の沼上典正さんは、「同世代の人にもちゃんとした和食を味わっていただきたい」と、独立開店の理由を語る。
塗りのお盆に、八寸、焼き物、揚げ物、炊き合わせ、食事ものと、一品一品運ばれてくる会席コース。新年2日からは、晴れやかな「お正月会席」を用意する。
まずは、あったかいお雑煮(写真上・左)を。お椀の蓋をそっと開けると、「わ〜」と歓声がもれる。これぞ日本のお正月!と思わずにいられない。鶏節でとっただしと、鴨、海老芋、手毬麩、ほうれん草、レンコン、ゆず、しいたけと具沢山だ。
八寸には、セリと子持ち昆布のおひたし、生姜をアクセントにした黒豆、紅白なますなど。揚げ物(同・右)は、カニとエビの五色あられ揚げと続く。
「昔ながらのおせち料理は、三が日かけて食べるので、どうしても味が濃くなります。甘いから苦手という人も多いでしょう。私は、伝統を守りながらも、若い方にも召し上がっていただけるよう、少しアレンジをして、日本の伝統料理を伝えたいと思っています」と、沼上さん。味わいながらその心意気がしみじみ伝わってくる。
続いて、蓋つきの器で登場するのは「鮑の道明寺蒸し」(写真上)。このあと、焼き物、ご飯、赤だし、お漬物、自家製ちりめん山椒、デザートまでたっぷり楽しめる。
「予約をしていなくても、階段の下から1本電話をください」と、沼上さん。かしこまった会席の敷居を低くしたいと願い、2日から営業する。
【メニュー】
お正月会席 4,500円(昼夜とも)
日本酒1合 700円~
※価格は税込
和料理 日和
- 電話番号
- 0467-24-4499
- 営業時間
- 11:30〜/13:30〜(2部制)、17:30〜20:00(L.O.) ※2日から通常営業
- 定休日
- 水曜・第2火曜
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
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