牡蠣の中でも「真牡蠣」は、11月〜4月が旬とされている。産卵前の真牡蠣はうまみが凝縮されていて、濃厚かつクリーミーな味わいが特徴だ。
もちろんそのまま食べてもおいしいのだが、牡蠣の身をすり潰して「牡蠣豆腐」にして食べるのもオススメ! 見た目は豆腐そのものだが、味は牡蠣以上に濃厚。ひと口噛むごとに、濃いうまみと風味がじんわりと広がっていく感覚に、感動すること間違いなしだ。
ここでは、基本の「牡蠣豆腐」の作り方とアレンジレシピを紹介していく。
■基本の「牡蠣豆腐」の作り方
牡蠣豆腐に使う材料はたった5つ。作り方もシンプルで、さっと火を通した牡蠣を、豆腐とともにフードプロセッサーで撹拌し、蒸し固めていくだけ。
ポイントは、弱火で30分間じっくりと時間をかけて蒸し固めること。ここで火を強くしすぎると、”す”が立ってしまい、見た目だけでなく、食感のなめらかさが損なわれてしまうので注意。
■材料 (作りやすい分量)
・豆腐 … 400g
・牡蠣 … 200g
・卵 … 2個
・味噌 … 小さじ1
・片栗粉 … 大さじ1/2
■作り方 (調理時間:50分 ※豆腐の水切り時間を除く)
① 豆腐に重しをのせ、1時間程度しっかりと水切りをする。
② 牡蠣は塩水(分量外)で洗い、湯通しをしたらザルにあげ、①と一緒にフードプロセッサーでなめらかになるまで攪拌する。
③ ②に卵、味噌、片栗粉を加え、さらに攪拌する。
④ ③を耐熱保存容器に入れ、蒸し器で強火で5分、弱火で30分蒸す。
⑤ ④を蒸し器から取り出し、粗熱をとって冷蔵庫で冷ましたら、お好みの大きさに切り分けて器に盛る。醤油、だし醤油などの調味料でいただく。
続いて、牡蠣豆腐のおいしさを活かした簡単アレンジレシピも紹介する。
■まるで料亭の味! おもてなしにもオススメの「牡蠣豆腐の唐揚げ」
牡蠣豆腐を作ったらぜひ試していただきたいのが、牡蠣豆腐の濃厚クリーミーな味わいを引き立てる「牡蠣豆腐の唐揚げ」。
カリッと揚げた唐揚げにかぶりつくと、みぞれ餡のさっぱりジューシーな辛みのあとに、牡蠣の濃厚な風味が追いかけてくる。
実際よりも手が込んでいるように見えるため、特別な日のおもてなし料理としてもオススメだ。
■材料(2人分)
・大根 … 5cm
・青ネギ … 3本
・牡蠣豆腐 … 200g
・片栗粉 … 適量
・揚げ油 … 適量
・[A]かつお昆布だし … 200cc
・[A]醤油 … 大さじ1
・[A]みりん … 小さじ2
・[A]酒 … 小さじ1
・[B]片栗粉 … 小さじ1
・[B]水 … 小さじ4
・刻み海苔 … 適量
■作り方(調理時間:15分)
① 大根はすりおろす。青ネギは小口切りにする。
② 牡蠣豆腐を食べやすい大きさに切り、周りに片栗粉をまんべんなくつける。
③ 油を180℃に熱し、②の表面がカラッとするまで揚げる。
④ 鍋にAを入れて中火で熱し、沸騰直前になったら火を止め、ヘラで混ぜながらBを加え、ふたたび中火で熱して少しとろみがつくまで熱する。
⑤ 器に③の牡蠣豆腐を盛り、④を注ぐ。上に大根おろしをのせ、青ネギ、刻み海苔を散らす。
■ピリ辛スープとの相性が最高!「牡蠣豆腐のチゲ」
韓国料理のチゲには貝類でダシをとるものが多く存在するが、もともとうまみが凝縮されている「牡蠣豆腐」を使えばさらに風味がアップ。
ピリ辛スープが牡蠣豆腐に染みこみ、牡蠣豆腐からスープへはうまみが移り、それぞれがお互いを引き立て合う。
牡蠣豆腐は最後に加え、温める程度にしておくことで、煮崩れを防ぐことができる。
■材料 (2人分)
・しめじ … 1/2株
・タマネギ … 1/4個
・長ネギ … 1/3本
・青ネギ … 5本
・ニンニク … 1かけ
・牡蠣豆腐 … 200g
・キムチ … 150g
・豚バラ薄切り肉 … 150g
・ゴマ油 … 小さじ1
・[A]ナンプラー … 大さじ1
・[A]コチュジャン … 大さじ1
・[A]酒 … 大さじ1
・あさり(塩抜き済み) … 10個
・水 … 500ml
・顆粒昆布だし … 小さじ1
・卵 … 2個
■作り方(調理時間:15分)
① しめじは石づきを切り落としてほぐす。タマネギは薄切りする。長ネギは斜め薄切りにする。青ネギは小口切りにする。ニンニクはみじん切りする。キムチは大きければざく切りにする。豚バラ薄切り肉は2cm幅に切る。Aは合わせておく。
② 鍋にゴマ油、ニンニクを入れて中火で熱し、香りがたったらタマネギ、長ネギ、キムチ、豚バラ薄切り肉を加えてタマネギが透き通るまで炒める。
③ ②にしめじ、あさり、水、顆粒昆布だしを加える。沸騰してきたらアクを取り、Aを加える。
④ あさりの口が開いて野菜に火が通ったら、牡蠣豆腐をスプーンで大きめにすくい入れ、牡蠣豆腐が温まったら卵を割り入れ、青ネギを散らす。
旬の牡蠣のおいしさをギュッと閉じ込めた「牡蠣豆腐」、この魅力は伝わっただろうか。
シンプルな見た目からは想像できないほど濃厚なコクと、凝縮された牡蠣の風味を味わうことができる。牡蠣が旬を迎えている今の時季こそ、ぜひ試してみてほしい。
【レシピ作者プロフィール】
レシピ制作:フードクリエイティブファクトリー
「あなたとあなたの大切な人との暮らしをもっと穏やかで創造的に」を企業理念とする食のクリエイティブに特化した企画制作チーム。
食の企画、レシピ・商品開発、執筆、メディア出演、
イベントなどを手がけています。
HP:http://foodcreativefactory.com/
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