ランチだけ営業! 日本橋に現れた、大行列の煮干しパスタ専門店『sisi煮干啖』

2018年03月08日
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ランチだけ営業! 日本橋に現れた、大行列の煮干しパスタ専門店『sisi煮干啖』
Summary
1.西麻布『カルネヤサノマンズ』のオーナーシェフが新感覚のパスタ専門店を日本橋にオープン
2.栄養価が高く身体に優しい煮干したっぷりの新感覚パスタ「にぼたん」が絶品!
3.自然派ワインと煮干しパスタの組み合わせが楽しめる

東京・日本橋にオープンした“謎”のパスタ専門店『sisi煮干啖』とは!?

老舗百貨店や商業施設が立ち並び、オフィス街として知られている東京・日本橋。そんなビジネスマンが集まる街、日本橋で昼間だけ営業している「煮干しパスタ専門店」が2017年10月21日にオープンした。その名も『sisi煮干啖(ししにぼたん)』。

店名から想像するのは中華? またはイタリアン? オレンジ色のドアの外観が印象的な同店は、オープンしてから3カ月余り、現在では知る人ぞ知るお店として連日行列となっている。

一度聞いたら忘れられない『sisi煮干啖』の店名の由来は、外観の大きなロゴから連想できる。一風変わったこの絵柄は花札の「獅子に牡丹」からデザインしたもの。「獅子に牡丹」……、ししにぼたん。キャッチーな店名は、花札の「獅子に牡丹」と掛け合わせて名付けられた。

店内は、入口から一直線に伸びるカウンター12席のみが並ぶコンパクトな造り。木を基調とした温かみのある店内はイタリアンとはまた違った雰囲気。聞けば元々はラーメン屋だったのだとか。オープンから12時を過ぎた時間帯は近隣のサラリーマンを中心にカウンターは満席となる大盛況ぶりだ。

そして注目したいのが店内に描かれたやわらかいタッチのユニークな壁絵。こちらもロゴと同じく獅子と煮干し、ワインなど「あり得ないもの同士」が同じ構図で描かれている。なんとも不思議な雰囲気を醸し出している絵柄は、見事に店名に由来する「獅子に牡丹」の世界観が表現されている。

肉イタリアンから煮干しパスタ専門店へ。誕生のきっかけは肉料理のソース

『sisi煮干啖』のオーナーを務めるのは、神楽坂の肉イタリアン『カルネヤ』や西麻布の熟成肉レストラン『カルネヤサノマンズ』のオーナーシェフ・高山いさ己さん。実家は浅草の老舗焼肉店で、幼少の時から肉を毎日のように食べて育ったシェフだ。そんな高山シェフがなぜ煮干しのパスタ専門店を手掛けようとしたのか。

「煮干しを料理に使うようになったのは、2017年の夏頃、西麻布の『カルネヤサノマンズ』で煮干しのだしを使った肉料理のソースを期間限定で提供したのがきっかけでした。そのソースに使わない煮干しの頭とワタをフレークにして煮干しのパスタをコース料理のシメとして提供したところ、思いのほか評判がよく、作り続けているうちに煮干しパスタ専門店を開店しようと決めました」

香川県伊吹島の「伊吹いりこ」は臭みがなく味がふくよか!

煮干しパスタに使用する煮干しは、築地から仕入れている香川県・伊吹島の「伊吹いりこ」。ツヤも身の付き具合も通常の煮干しとは比べ物にならないくらい大ぶりの「伊吹いりこ」は、臭みがなく味がふくよかなのが特徴。高山シェフは魚屋や煮干しラーメン専門店を巡り、実際多くの煮干しの味を目と舌で確かめた結果、この「伊吹いりこ」にたどり着いた。

煮干しフレークとバターが最強のうまみの塊となる!

まずは、粉末状にした煮干しとバター、煮干しでとっただしをフライパンに加えて炒め、ベースになる煮干しソースを作る。この作り方のベースは、チーズとコショウをベースにしたイタリアの伝統的パスタ「カチョエぺぺ」のチーズを煮干しに変えたシンプルなレシピだ。

そして煮干しソースとアルデンテに茹で上げたパスタをからませて完成。

シンプルながらも丁寧に作られた「にぼたん」(写真上)は、チャーシュー、タマネギのみじん切り、海苔、うずらの卵がトッピングされた具だくさんのパスタだ。食べごたえがある自家製のチャーシューにシャキシャキした食感のタマネギという意外な組み合わせのトッピングは、それぞれの具材のうまみがうまくひとつにまとまっている。

「カルシウムが豊富に含まれている煮干しは、体内に吸収されにくいのですが、タマネギを一緒に食べると、体内に吸収されるのがとても早いんです」(高山さん)。

トッピングの具材を楽しんだあと、麺をいただいてみる。煮干しの味が主張しすぎず生臭さがまったく感じられない。そして太麺のパスタに煮干しの芳ばしいうまみが絡みつき、余すことなく煮干しの味を堪能することができる。特筆すべきは食べ進めていると時折感じる柑橘系の爽やかさ。太麺ながらもパスタの重さを感じない味の工夫もされている。

ふわふわのフォームが決め手!「にぼたん」と一緒に合わせたい「にぼ吸い」

「にぼたん」と一緒に合わせたいのが写真上の「にぼ吸い」。ユニークなメニュー名の正体は、煮干しのだしとジャガイモをすり流したスープ。繊細なフォームの上にたっぷりトッピングされている佐賀産の海苔は「にぼたん」のトッピングに使われているのと同じもの。

「にぼ吸い」の作り方もいたってシンプル。煮干しだしにすり下ろしたジャガイモを投入し、ひと煮立ちさせ、ミルクフロッサーで十分泡立てて完成。このフォームがトッピングの海苔をきれいに飾る重要な役割を果たしている。

「にぼ吸い」は、いわゆるジャガイモスープの部類に入るのだが、ジャガイモスープのひと言では片付けられない新感覚の味。しっかりとした煮干しの味を感じた後、ふわっとやわらかなジャガイモの風味が口の中に広がる。煮干しだしを使うことにより、味がよりふくよかに感じられ、そのバランスがまた絶妙なのだ。

夜は完全予約制! 昼も夜も大人気の自然派ワインは「にぼたん」と相性抜群

同店は基本、昼だけの営業だが、夜は完全予約制で営業する。そのためビールやワインをはじめとするアルコールも提供している。中でも自然派ワインを豊富に揃えており、お昼は一部を除いて赤・白ともに1杯500円で用意。ラインナップも高山さんならではのこだわりが見られ、ワンコインで楽しめるのは嬉しい。

高山さんのインスピレーションから生まれたオリジナリティあふれる煮干しパスタは、不思議とまた食べたくなるおいしさ。唯一無二の煮干しパスタを味わってみてはいかがだろうか。

【メニュー】
にぼたん(中) 850円
にぼ吸い 200円
ワイン(白) 500円
※価格は税抜

sisi煮干啖(ししにぼたん)

住所
〒103-0024 東京都中央区日本橋小舟町4-9
営業時間
10:30~15:30(土曜は11:00~15:00)
定休日
日曜・祝日
公式サイト
https://www.facebook.com/SisiNibotansisi%E7%85%AE%E5%B9%B2%E5%95%96-243739119484689/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。