連載第1回:「肉」をおいしそうに撮る方法【肉のヒマラヤ Teppan】
プロカメラマン・福田栄美子が教える『料理をおいしく魅せるためのスマホ撮影術』。
第1回は「肉」がテーマ。ロケ地は、赤坂に店をかまえる『肉のヒマラヤ Teppan』です。
肉ラヴァーなら渋谷の焼肉『炙り和牛と厳選炭火焼 焚火家』の名物料理「肉のヒマラヤ」をご存知の方も多いのでは? 利用客の90%がオーダーするというその「肉のヒマラヤ」を、なんと食べ放題で楽しめてしまう店として2017年12月にオープンしたのがココ、赤坂の『肉のヒマラヤ Teppan』です。
指南役のプロカメラマン福田栄美子さん(以下、福田カメラマン)と私カメラ知識ゼロの助手役ライターK(以下、助手K)は、普段は仕事でグルメ取材に出かける間柄。私助手K、最近インスタグラムを始めたものの“イマイチ”な写真しか撮れず、日々悶々…。そんな思いを抱えている人、私だけではないのでは?
そこで、プロの技を教わることができれば、SNSにアップしたグルメ写真にもっと「いいね」がもらえるはず! 福田カメラマン直伝のコツを知って、一緒にスキルアップしちゃいましょう!
プロの写真とスマホで撮る写真の違いを比較するためにも、まずはプロの機材で撮影した画像とともにお店を紹介します。そのあと、2人がそれぞれスマホで撮影した画像を並べて、違いやポイントを解説していきます!
それでは、さっそく中へ入りましょう!
●福田カメラマン&助手K
「こんにちは〜! 今日はよろしくお願いします!」
●福田カメラマン
「おぉ、今日撮影する肉はこれですね!ご用意いただきありがとうございます。さて、まずはお店ご紹介用に、プロの機材でキレイに撮影しまーす」
●肉のヒマラヤ Teppan 料理長(以下、料理長)
「はい、よろしくお願いします!」
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肉ラヴァーなら行かない理由が見つからない。肉三昧の食べ放題が楽しめる店
●福田カメラマン
「お客さんが写真を撮りまくる、とてつもないインパクトの肉料理があると聞きました 」
●料理長
「はい、こちらです、2月からの新メニュー『リブロース』(写真上・左)と看板メニュー『肉のヒマラヤ』用の塊肉(同右)です」
●福田カメラマン
「ひゃ~ どちらもデカい。存在感がすごすぎる!この『肉のヒマラヤ』用の塊肉は何人前ですか!?」
●料理長
「4人前です。1人前200gを目安にご用意しています。『肉のヒマラヤ』は、目の前の鉄板でこの塊肉に焼き目を付けたら、一度厨房に下げてスライスして、山のように積み上げています。テーブルに再登場するのが、こちらです」
●福田カメラマン
「うぉ~! 山積みされた肉のかたちが、まさにそびえ立つ“ヒマラヤ”!このビジュアル、写真を撮らずにはいられない(笑)」
●料理長
「はい、当店名物『肉のヒマラヤ』です。これが、食べ放題・飲み放題のコースに入っているので、思う存分”肉を喰らう”ことができますよ」
●助手K
「『肉のヒマラヤ』もおかわりできちゃうんですか!? びっくりです!
そしてさすがプロの写真! ダイナミックさと「おいしそう」が伝わってきますね! 」
●料理長
「テーブル席とカウンター席があります。テーブル席には鉄板があるので、塊肉を焼くときは私がテーブルへ行って、カウンター席のお客様にはカウンター越しに、お客様の目の前で焼いています」
●福田カメラマン
「どちらに座っても肉が焼けていく臨場感を味わえるんですね~。そしておひとり様でもカウンター席で肉を楽しめる! 寂しくない(笑)」
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●福田カメラマン&助手K
「では、ひとくちいただきまーす……おいしーーーい!!!」
●助手K
「『リブロース』は程よい脂身とやわらかい肉がなんともジューシーで、『肉のヒマラヤ』は赤身肉なのにしっとりやわらかく…本当にいい肉です、最高でした。さて福田さん、無性に肉を撮りたくなってきました。スマホでおいしそうに撮る方法、教えてください!」
●福田カメラマン
「かしこまり!」
「ステーキ肉の撮り方」からスタート
●福田カメラマン
「近藤さんが撮った写真と私の写真を、並べて比較していくよ。まずはお皿を覆い尽くすほどの大きなステーキ肉の『リブロース』からいってみよう。焼く前の、肉の撮り方ね」
△【左】助手K撮影、【右】福田カメラマン撮影
●助手K
「私が撮った写真と福田さんが撮った写真を比べると、色も違うし、構図も違う…。同じ被写体なのに、全然違いますね」
●福田カメラマン
「近藤さんは席に座ったまま斜めから撮影。私は立ち上がって、料理を真上から撮影したの。撮影する「角度」が違うだけで、こんなに仕上がりが変わっちゃうんだよね」
△【左】助手Kの姿勢、【右】福田カメラマンの姿勢
●福田カメラマン
「このお肉の見せたいポイントは、厚さよりも「大きさ」でしょ? つまりお肉の面積を大きく見せたいよね? その場合は、座ったまま撮るより真上から撮る方が大きく写るよ」
●助手K
「たしかに、同じお肉のはずなのに福田さんの写真のほうが断然大きく見えます!」
●福田カメラマン
「料理の何を見せたいのかによって、どの角度から撮影するのがベストなのかを自然と導き出すことができる、というわけ。さらに、スマホなどのサイズ感がわかりやすいものを隣に置いてみると、比較対象があることで、肉の大きさが強調できるよ。ちなみに、ひと昔前はスマホじゃなくてタバコの「ショートホープ」が定番だったな(笑)」
「焼いているシーン」はどう撮る?
●福田カメラマン
「次のお題は、焼いている肉の撮り方。ポイントはいわゆる”シズル感”。今まさに焼いている、というシーンをおさえてみて」
△【左】助手K撮影、【右】福田カメラマン撮影
●助手K
「私も福田さんのように、ヘラを使っているタイミングで撮ってみました!」
●福田カメラマン
「そうだね、ヘラがあることで『鉄板に乗っている肉』という状況が伝わりやすくなるね」
●助手K
「でも、わたしの写真は肉の大きさがうまく伝わってないような…なにが違うんだろう?」
●福田カメラマン
「ポイントはさっきと同じ、角度。もう少し上からにして、肉の面積を意識して撮ってみて。それから、肉は全面を焼いた後の茶色より“火が通る前”のまだ赤いうちのほうが断然おいしそうに見えるので、タイミングを逃さず撮ることが重要!
迫力の「塊肉」はどう撮る?
●福田カメラマン
「次は看板メニューの『肉のヒマラヤ』の塊肉を撮るよ!さっきと同じように、カメラの角度と肉の大きさを意識して撮ってみて」
△【左】助手K撮影、【右】福田カメラマン撮影
●福田カメラマン
「お。なかなかいい角度で狙えていると思うよ」
●助手K
「ですよね? なのに、肉の艶や赤身の鮮やかさとか、お肉の立体感は全然違うなぁ」
●福田カメラマン
「うんうん。どこが違うか、具体的に言えるようになってきたね。次はこの塊肉を鉄板で焼いているところを撮るよ」
△【左】助手K撮影、【右】福田プロ撮影
●福田カメラマン
「肉の焼き色は、人が意図的にコントロールできるものじゃないから、本当に難しい。経験的には最初に焼いた面がキレイなことが多い気がするけれど、それも絶対じゃない。おいしそうな焼き色が撮れるかどうかは、運もあるね(笑)」
●助手K
「なるほど。それでも、福田さんの写真はボリューム感も迫力もすごくでています! 」
●福田カメラマン
「『リブロース』を撮った時にも話したけれど、基本的に人は肉の赤味に惹かれていると思うの。焼き目をつけた茶色だけより、まだきれいな赤味部分がある状態で撮影するほうが失敗は少ないと思うよ」
●福田カメラマン
「ところで。近藤さんの写真はちょっと肉が遠すぎるね。調理中の撮影は、高温の鉄板に近づきすぎるのは危険だし、不意に熱々の脂が飛んでこないかドキドキするね。そんな時は“ズーム機能”を使ってみて。スマホカメラにもちゃ~んと付いてる。ほら、こうすると肉にぐっと近づいた写真が撮れるでしょ」
●助手K
「本当だ! 最近のスマホは画質がいいから、ズームしても十分鮮明に写りますね!」
いよいよ今回のメイン、「肉のヒマラヤ」を迫力満点に撮る方法!
●福田カメラマン
「さあ、最後に『肉のヒマラヤ』を撮るよ! このビジュアルが活きるように、撮ってみて」
△【左】助手K撮影、【右】福田カメラマン撮影
●助手K
「ヒマラヤの高さを意識して撮ってみました!」
●福田カメラマン
「素晴らしい!で、他に意識したところは? 高さ以外に気になる所はある?」
●助手K
「えーっと……」
●福田カメラマン
「高さを意識して撮影したところまでは60点! 写真を並べて見比べてみると、残念ポイントが見えてくるよ」
同じ料理を同じスマホで撮影しているのに、生まれてしまう明らかな差。福田カメラマンは一体、どんなテクニックを使ったのか…!?
※『肉のヒマラヤ Teppan』より、『dressing』プレミアム読者限定のご来店時特典を特別にご用意いただきました!
「塊肉」と「肉のヒマラヤ」の“最高においしそうな撮り方”とともにチェックして、撮り方を実践しに行ってみましょう!
※取材時にいただきましたご来店時特典は、2018/4/30 まで有効です。
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