世界中のパティシエが憧れるパリのパティスリー
広尾駅から広尾商店街を下って歩くと、オレンジと茶の洗練された大きな看板が目に入る。シックで洗練された佇まいとガラス張りのファサードから見える店内のきらびやかさに、道行く人々は立ち止まる。
その名も『アルノー・ラエール』。パリの芸術家たちが愛する街・モンマルトルとセーヌ通りに店舗を構えるパティスリーで、2018年1月13日に、東京・広尾にオープンした。
パティシエのアルノー・ラエール氏は由緒あるチョコレート愛好会「クラブ・デ・クロクール・ドゥ・ショコラ」により、欠かすことのできないショコラティエに選ばれたという実力派。多くのパティシエが渡仏すると足を運ぶ、注目のパティスリーのひとつだ。
ブティック内のショーケースには、艶めくケーキや焼き菓子、色とりどりのマカロンなど、美しいスイーツの数々が並ぶ。
フランス・ブルターニュ地方に根ざした郷土菓子の数々は、上質な塩とバターがポイント
アルノー・ラエール氏(写真上)はフランス・ブルターニュ地方の出身。ブルターニュ地方では伝統的な食文化が非常に大切にされており、そば粉のガレットやシードル(リンゴの発泡酒)などの特産品は日本でも人気が高い。また、潮の満ち引きが大きな同地方では、「ゲランドの塩」に代表されるように良質の塩が採れるため、それらを使った有塩バターや、塩キャラメルなどのお菓子も有名だ。
同店には、たとえば「ガレット ブルトンヌ」(ブルターニュ風焼き菓子)など、随所にブルターニュのエッセンスが散りばめられている。
日本でも認知度の高い「クイニー・アマン」(写真上)もブルターニュ地方のお菓子。「クイニー・アマン」という名前は「バターのお菓子」という意味を持ち、塩バターを折り込んだ生地を丸く成形し、表面のザラメがカラメル状になるまで焼き固める。
外側のバリッとした歯触りと、内側のもちっとした食感の対比が楽しく、甘さの中にも塩のアクセントが効いている。
つややかでシックなケーキは、食材そのもののおいしさが最大限に活きている
「タルトレット シトロン」(写真上)はひときわ可愛らしい形のレモンタルト。タルトの上部にはレモン風味のメレンゲが丸く成形されてのっており、さわやかでふんわりとしたメレンゲと、香ばしいタルトとの相性が抜群だ。
「トゥールーズ=ロートレック」(写真上)は、画家アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレックの名を冠した一品。中を割ってみると、質感と味わいの異なるチョコレートが、ムースやブリュレとなり層を成している(写真上・右)。これらが口の中で次々に現れ、一品でいくつもの味わいを堪能できる。
マカロンは「マロンカシス」(写真左・右下)や「ヴァニーユ」(写真左・左上)、「抹茶&プラリネ」(写真左・右上)など様々に取り揃えており、プチギフトにも喜ばれそうだ。
他にも、すべてグルテンフリーで作られたマロンとフランボワーズのケーキ(写真左上)やブルターニュの塩をきかせたガレット ブルトンヌ(写真右上)など、実にバラエティ豊かな品が揃っている。
多くの食材を使わず素材の質と食感で勝負。 熟練パティシエの真骨頂が味わえる
アルノー・ラエール氏の哲学として、一品に多くの食材を使わず、食べた時にレモンならレモン、カシスならカシスとすぐにわかることを大切にする。
また、チョコであれば、チョコの質感を変化させ、食べた時の楽しさや驚きを演出するという。熟練パティシエならではの、繊細なテクニックといえよう。
素材に実直に勝負するアルノー・ラエールの菓子は、美食の都パリに続き、東京でも愛されることは間違いないだろう。
贈り物を買うついでに自分の分も買っていこう。 思わずそんな気持ちにさせてくれる、チャーミングなパティスリーだ。
【メニュー】
・ガレット ブルトンヌ 700円
・コフレ6個入り 2,700円
・パウンドケーキ各種 1,900円/本より
・タルトレット シトロン 620円
・エクレールショコラ 480円
・トゥールーズ=ロートレック 750円
・クイニーアマン 320円
・モワルーショコラ 380円
アルノー・ラエール 広尾本店
- 電話番号
- 03-6455-7868
- 営業時間
- 10:00~19:00
- 定休日
- 火曜(4月より年中無休予定)
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。