いま注目すべき新・美食の街“南池袋・東通り”に個性派の新店オープン!
南池袋公園の劇的なリニューアルを皮切りに、絶えずおしゃれなカフェやレストランがオープンしている南池袋。
季節のデニッシュが大人気のベーカリー&ビストロ『RACINES(ラシーヌ)』や、テラス席が心地良いイタリアンレストラン『GRIP(グリップ)』など、“東通り”を盛りあげる『GRIP』グループが新たに生み出した『GRIP PROVISION(グリップ プロビジョン)』は、美食エリアで最も注目を集めるスポットのひとつだ。
「こんにちは!」。のびやかな美声は、店内から東通りまで響き渡る。微笑みを浮かべた美人スタッフが、せわしなく行き交うビジネスマンや散歩を楽しむ親子たちの心を奪い、ガラス戸の中へと誘う。
ランチの主役は、洞窟のなかで自然熟成された極上のブランド生姜!
自然光溢れるナチュラルな空間を、どこか懐かしく甘辛い香りが包みこむ。デイタイムに掲げられた看板には、愛らしい豚のロゴと『GINGER(ジンジャー)』の文字。その名の通り『グリップ プロビジョン』は、生姜焼き専門店として営み始める。
メニューは、150gまたは200gのロース肉と、平日限定・国産豚バラ肉の3つだけ。一番の人気は「山形豚特上ロース150g」(写真上)だ。
湯気から生姜が華やかに香ると、ぐっと食欲がそそられる。ステーキのような圧巻の姿態に、女子ならちょっぴり躊躇(ちゅうちょ)してしまいそうだが、しっとりと火入れされたロース肉は柔らかく、たっぷりの生姜をまとった脂はしつこくない。どうしてこんなにもまろやかで上品な味わいなのだろう。
「ポークジンジャーの主役は、生姜なんです!」。意外な答えとともに、同店のオーナーである金子信也さんが差し出してくれたのは、スライスされた鳥取県日光産の生姜。専用の洞窟で5カ月ほど熟成された日光生姜は、刺激的な辛みや渋みを拭い去り、噛めばほどける繊維からまろやかな甘みが溢れ出す。この素材が一番活きる調理法を探して、辿り着いたのが「生姜焼き」だった。
『ジンジャー』のこだわりはそれだけじゃない。タレを絡めてかき込みたくなる炊き立ての白飯には、無農薬で栽培された山形県産「つや姫」を。じんわり温もる生姜スープと、全国52もの契約農家から仕入れられた無農薬野菜のサラダがテーブルを彩り、お客の心身を口福で浄化する。
街灯が灯れば、果実のうまみ詰まった搾りたてサワーで乾杯!
日暮れとともに、『SOUR HOUSE(サワーハウス)』と名を変えた店内は、おでんや煮込み料理のだしの香りに優しく包まれる。カウンターに並んだおばんざいを選ぶお客の手には、しゅわしゅわと音を鳴らして弾けるレモンサワーが見える。
「系列店『ラシーヌ』で人気のデニッシュやジャム、デザートやソースに使っている果物たちの活躍の場を広げたいと思い、ここでは旬の果実でシロップやリキュールを作って、サワーとして提供することにしました」。そう話す金子さんがとくに惚れ込んだという香川県『フジカワ果樹園』の無農薬・ノンワックスのレモンで作られたサワーは今が旬。個性豊かな4種のレモンサワーを紹介しよう。
まずは定番の「搾りたてレモン」(写真上)。グラスに唇が触れる瞬間、舞い踊る甘酸っぱい色香に癒される。飲めばレモンの清涼が口中にそよぎ、渋みや苦みを全く感じさせない。
澄みきったレモンのうまみに驚くのも束の間、現れたのは焼酎だけが注がれたグラス。ここに、カリブ海の塩で2週間漬けたレモンの果肉を加えれば「塩レモン」(写真上)が完成する。ほのかな塩味で甘みが引き立てられたサワーは、汗ばむ身体を落ち着かせるのにぴったりだ。
ソーダとリキュールを別々に供する「リモンチェッロ」(写真上)は、濃度を好みで調整できると人気の一杯。アルコール度数の高いスピリタスで仕込んだリキュールは、これまでの柔らかい口当たりとは違って、ピールのうまみが力強く襲ってくる。「レモンピールがこんなにうまいのは、農薬やワックスを使わずに丁寧に育てられたゆえの醍醐味ですね」と金子さん。
薄くスライスされたレモンがたっぷり詰まった「生はちみつレモン」(写真上)は、濃厚な甘みに思わず口角がキュッとあがる。
甘い蜜は、ニュージーランド産、無添加・無農薬・無ろ過のアカシア生ハチミツに輪切りのレモンを加えただけのシンプルなもの。浸透圧によってレモンから水分が生まれ、しっかりとした酸がハチミツにじわりと溶け込んでいく。しつこくないのは、天然の甘みだけで作られているからだろう。
“ Provision=食材庫”と名付けられた本当の理由
「自宅でも味わえたら嬉しいのに……」。そんなお客の願望などお見通しです、とでもいうように、カウンターから振り向けばパッと輝くレモンにニンジン、ケールなど、色とりどりの食材たちが並ぶ(写真下)。
昼夜問わず誰でも利用できる店内のマルシェは、名前の通り“街の食材庫”として、池袋の住民たちと全国の生産者をつなぎ続ける。ランチに通うお客の熱いリクエストから商品化された「大葉と新玉ねぎのオリジナルドレッシング」(1,250円)は、なんと月に4,000本も売れるというから驚きだ。
新しくおしゃれなものを追求したわけではない。生姜に果物、野菜など最高の素材を一番いい形で味わってもらいたい…と考え抜いて行き着いたのが、二毛作レストランというスタイルだった。
そこには、住みよく変わりゆく池袋を、街ごと居心地のよい大きなリビングにしよう! という金子オーナーの願いが込められている。毎日、気持ち良く過ごしていただきたいというポリシーは、スタッフ全員によって体現されているから、明るく心地よい空間が生まれるのだろう。
【メニュー】
<GINGER>
・ポークジンジャー150g 1,300円
・ポークジンジャー200g 1,600円
・国産豚バラ生姜焼き 1,000円
※価格は税込
<SOUR HOUSE>
・搾りたてレモン 580円
・塩レモン 650円
・生はちみつレモン 650円
・リモンチェッロ 650円
※価格は税別
GRIP PROVISION(グリップ プロビジョン)/GINGER(ジンジャー)/SOUR HOUSE(サワーハウス)
- 電話番号
- 03-6903-1917
- 営業時間
- GINGER 11:30~14:00(L.O.13:30)、SOUR HOUSE 17:30~23:00(L.O.22:00)土/GINGER 12:00~15:00(L.O.14:30)、SOUR HOUSE 17:30~23:00(L.O.22:00)、日・祝/GINGER 12:00~15:00(L.O.14:30)、SOUR HOUSE 17:30~22:00(L.O.21:00)
- 定休日
- 月曜(祝日の場合は営業し、翌日の平日が定休日)
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。