日本を代表する海辺の観光地に、初めてできた本格的で気軽なイタリア食堂
宮城県・JR仙台駅から電車に乗って約40分。右手の視界が開けて、穏やかに凪(な)いだ海が見えてくる。きらきらと太陽を反射する波間には、緑を冠した小さな島々と、牡蠣の養殖いかだ。初夏の松島は、輝きにあふれている。
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日本三景のひとつとして名高い松島。その玄関口となるのが、JR仙石線の松島海岸駅だ。駅前はラウンドするロータリーになっており、電車の発着時間ともなれば、各旅館の送迎バスで大賑わい。その一角に2017年夏、『松島イタリアン Toto』がオープンした。
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ロータリー側に開けたエントランスは、ガラスの大窓を開け放てばオープンテラスに。ワイワイと賑やかな声があふれ、これからの季節は、ここがとっておきの特等席!
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1階は漆喰(しっくい)の白壁に落ち着いた色味のウッドフロア、奥には活気に満ちたオープンキッチン。港町のトラットリアらしい、明るく健康的な雰囲気がとても心地よい。
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漆喰の階段を昇れば、2面の開口を有する2階フロア。大きめのテーブルと椅子がゆったりと配され、落ち着いた雰囲気だ。窓辺のソファ席に座れば、松島海岸駅とロータリーを上から眺める視点となり、何だか新鮮。ホームにすべりこみ、やがて発車してゆく電車を見ながら、「帰りの電車、一本遅らせてもいいかな」と気持ちはすでにのんびりモードに。
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中休みがないので、ランチタイムに急かされることなく気ままにお昼が楽しめるし、なんなら日の高いうちからワインを傾け、海辺の夕暮れに心を染めてもいい。ましてこの場所、最終電車がホームを出る5分前まで、慌てず悠々とすごせるのだ。
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3階は、気の置けない仲間が集まるのにぴったりの、ちょっとプライベート感のあるフロア。2階同様着席なら28名、立食なら35名までのパーティが可能なので、貸切での相談もお任せあれ。
地元・松島をはじめ宮城三陸の新鮮な魚介が主役のランチは神コスパ!
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時間帯を問わず不動の一番人気を誇るメニューは、「山盛り魚介のペスカトーレ」(写真上)。ランチタイムには、この大皿パスタに前菜の盛り合わせとプチデザート、ドリンクが付くから、ついつい昼からワインをオーダー&そのままカフェ飲みに移行、というゲストも少なくない。
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この日の前菜(写真上)。まず目を惹いたのは豚の耳やこめかみ、豚足を煮込み、煮込んだスープのゼラチンで具を固めたコッパ。くにゅくにゅとした弾力を楽しむうちにゼラチンがとけ、おいしいスープで口の中がいっぱいに。
ゼッポリーニには青海苔が練り込まれており、港町らしい味わい。フリットの紫人参も近隣の農家で育てているものだそうで、驚くほどに甘い。キノコのフリッタータ、ラタトゥイユ、豆のサラダなど、野菜をふんだんに使った健康的な味わいで、甘みや塩味、酸味などのバランスがとてもよく考えられ構成されている。
鮮やかなミネラル感、桃を思わせる甘さ、わずかに潜む海草のような風味がある、アプリコットのような黄色が美しい微発泡の白ワイン「コスタディラ・ビアンコ」と合わせると、盛りだくさんの前菜がより味わい豊かに。多彩な味わいをパクパク、しゅわしゅわのワインをゴクゴク飲めば、さあ、お待ちかねのメインディッシュがやって来る。
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メインの「山盛り魚介のペスカトーレ」(写真上)は、近隣の港に揚がる獲れたての魚介をどっさり使った、貝や甲殻類のうまみたっぷりのパスタ。この日は大ぶりのアサリやムール貝、ホタテ貝、シジミにタコ、エビが主役。海のジュと塩気、アンチョビと最後に加えたトマトのエッセンスが厚く幅広いもちもちのリングイーネに染み込み、山盛りのボリュームもなんなくお腹に収まってしまう。
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オープンキッチンの奥の真ん中にどーんと備わっているタイル張りのドーム。それは、ピッツァの専用窯(写真上)。
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ナポリピッツァの代名詞ともいえる『カプート社』の小麦粉で作る生地は、小麦の豊かな風味とのびの良さが特徴。ほどよく熟成させ、手で伸ばして丸く成形。青海苔を使ったオリジナルのソースをたっぷりぬって、モッツァレラとトマト、しらすをのせて窯の中へ。焼き時間は、およそ1分。
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『Toto』でしか味わえない「青のりとしらすクリームピッツァ」(写真上)のできあがりだ。弾けるようなルッコラの風味、青海苔としらすが醸す豊かな磯の味わいが、クリスピーな生地とこんなにマッチするなんて。ナポリピッツァならぬ松島ピッツァが名物となる日も近いかも。
小さなヴァカンスに松島の魚介とナチュラルワインを!
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ディナータイムには、アラカルトが多彩にメニューオン。中でもおすすめは「マグロほほ肉のソテー トマトとケッパーのソース」(写真上)だ。さっと火を通したマグロのほほ肉は、やわらかくほぐれ、まるでよく煮込んだ牛肉のような食感。ジューシーなマグロのうまみは、フレッシュトマトとケッパーが爽やかなソースと抜群の相性だ。
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宮城県川崎町のワイナリー『ファットリア アル フィオーレ』の「hana」の、ハイビスカスやバラを思わせる香りと穏やかな酸が、溌剌(はつらつ)とした味わいを包んでくれる。白ワインなら、「レ・コステ」もいい。濃密な果実味、複雑味にも富み、続く料理を選ばない包容力のある1本だ。美しい松島の自然、おいしい松島の幸には、ワインもできるだけナチュラルで造り手の顔の見える味わいを。そうして選ばれた自然で陽気なワインが、気軽にグラスで楽しめるのも実に魅力的。日本を代表する海辺の観光地に、初めてできた本格的かつ気軽なトラットリア。松島の昼が、そして夜が、さらに楽しくなる一軒だ。
【メニュー】
Toto名物! 山盛り魚介のペスカトーレ 1,800円
青のりとしらすクリームピッツァ 1,600円
マグロほほ肉のソテー トマトとケッパーのソース 1,800円
本日の魚介とハーブのサラダ 1,200円
さっぱり! レモンティラミス 600円
グラスワイン 600円~
※価格は税別
松島イタリアンToto
- 電話番号
- 050-3313-4543
- 営業時間
- 11:00~21:00
- 定休日
- 不定休日あり
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
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