築100年の蔵で食べる「和だし&スパイスカレー」が至福! 八王子に誕生した『くらごはん』

2018年08月17日
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築100年の蔵で食べる「和だし&スパイスカレー」が至福! 八王子に誕生した『くらごはん』
Summary
1.ノスタルジックな雰囲気あふれる石蔵に誕生した、八王子『くらごはん』
2.毎日でも食べたくなる! 和だしと11種類のスパイスを合わせた至福の味
3.手作りにこだわった福神漬けや惣菜も必食

レトロな癒し空間でいただく至福のカレー

豊かな自然に恵まれ、大学や高校などの教育機関も多い八王子は、食のスポットも充実していることで有名。その八王子に思わず訪れたくなる雰囲気抜群な店が誕生した。

築100年の石蔵を改装して作られたカレー店『くらごはん』だ。

非日常的な空間でスパイスと和だしが見事に融合した和風カレーが食べられるとあって、開店初日から大勢の人が訪れるなど評判を呼んでいる。

JR八王子駅北口から徒歩10分ほど。学生やファミリー層でにぎわう商店街を抜けてしばらく歩くと、突如その蔵が現れる。周りの建物の中でも石蔵はひときわ異彩を放ち、その存在感が際立っている。

入り口の見事な石のアーチに昭和を思わせる木の引き戸。思わず建物に見とれていると、どこからともなくスパイシーな香りが漂ってきて、おいしいカレーに出逢える予感にワクワクした気分が高まってくる。

店内はテーブル席が12席、カウンター席が7席ほど。窓はないが天井が高く、年月を経た石積みの壁が独特の味わいを醸し出している。

もともと蔵にあったという古めかしいタンスやミシン台に加え、店主の田中裕美(たなかひろみ)さんが趣味で集めたアンティーク雑貨や食器類などがそこかしこに置かれ、ノスタルジックな雰囲気にあふれている。

古くから宿場町として栄え、生糸貿易の中心地でもあった八王子には、あちこちに趣のある古い建物が残っている。田中さんはご主人とともに、同店の他に古民家をリノベーションした『中町(なかちょう)食堂』というバルを手がけており、他におもしろい物件はないかと探していたところ、この石蔵に出逢ったという。

この蔵で何をしようかと考え至ったのがカレー専門店だった。魅力的なカレーを作れば、駅から離れた立地でも大きなアピールポイントになると考えたからだ。

本格的なスパイスのおいしさに満ちた和だしカレー

「この空間に合うカレーを作りたいと考えて、和だしのカレーを思い付きました。骨董の和皿などが好きなんですが、蔵の雰囲気や和皿に合う和風のカレーをイメージしています。」と田中さん。

目指したのは”体に優しいカレー”だ。店を始める前に食べた薬膳カレーが、胃にもたれることなく、おいしく食べられたことに感動した田中さん。そこで、一からスパイスについて勉強。小麦粉を使わないカレー作りにこだわり、試行錯誤しながら、和だしとスパイスが融合したカレーを完成させた。

メニューは「豚バラのスパイスカレー」と「スパイスチキンカレー」、「今週のスパイスカレー」の3種類に、こども向けにカレードリアが用意されている。

「豚バラのスパイスカレー」(写真上)は、昆布と煮干し、カツオの和だしをベースに11種類のスパイスをブレンドしたもの。あめ色になるまでひたすら炒めたタマネギや、トマトなどの野菜がほどよいとろみを生み、さらに隠し味として醤油と梅酒を使っている。

皿が運ばれてくると、立ち上るスパイスの香りがたまらない。ひと口食べると、だしのうまみと野菜や梅酒などの甘みがフワッと広がり、その後にスパイスの辛さがガツンと来る。
コショウが強めなのだが、それが和風の味わいにまとまったカレーにぴたりと合っている。

カレーの具材はトロットロになるまで煮込んだ豚バラ肉のみ。ゴロゴロと入った豚肉は食べごたえ満点だ。トッピングはシャキシャキの生野菜と、パリパリしたゴボウの素揚げ。色々な食感を楽しんでもらいたいと考え、カレーの具とはせずトッピングにしたそうだ。

野菜は季節によって変わるが、この日は豆苗とスライスしたタマネギがどっさり盛られていた。シャキシャキの野菜と共にカレーを食べると、口の中がサッパリしてさらに食欲が増す。

目指しているのは、毎日でも食べたくなる体に優しいカレー

2つ目の定番カレーが「スパイスチキンカレー」(写真上)。豚を使ったカレーのテーマが和風なのに対し、こちらはオーソドックスなスパイスカレーを目指した。鶏ガラで取ったスープに、豚バラカレーとは異なる10種類ほどのスパイスを合わせ、ヨーグルトでとろみとマイルドさをプラスしている。

味の決め手はホールスパイス(粉状でない原形のスパイス)で油に香りづけをすること。スパイスの味や香りが際立つという。味わいは正統派のスパイスカレーながら、じんわり効いているシナモンが個性的だ。
トッピングには生野菜に加えて、パクチーが使われている。スパイシーさを強調したカレーと相性抜群だ。

どちらのカレーも合わせるのは白いご飯。近くの米店でカレーに合うお米を選んでもらい、精米したてを届けてもらっている。少し固めで一粒一粒ふっくらしたご飯が、スパイシーながら家庭的でホッコリするカレーに合っている。

テーブルには辛さを増すためのチリパウダー(写真上・左)と、香りを増すガラムマサラ(同・右)が置かれている。好みの味に変化させても楽しい。

どちらのカレーも小麦粉を使わないので油分控えめ。サラッとしていながら、スパイスがしっかり効いているため満足感が得られる。常連さんが毎週食べても飽きないというのもうなずけるおいしさだ。

家庭的でホッコリなごむ手作り福神漬けや惣菜も見逃せない

すべてのカレーには、スープと惣菜がセットになっている。スープは、カレーのベースになっている和だしの二番だしと鶏ガラスープを合わせている。あっさりと和む味わいだ。

惣菜は「本日のお惣菜」として日替わりで用意されている。田中さんお気に入りの器に盛られ、セルフで好きなだけ食べることができる。惣菜のアイデアは、料理好きな主婦が多いスタッフで出し合っているとか。どれも心が和む家庭的なものばかりだ。

「できるだけ、色々なものを手作りしたいんです」(田中さん)と、カレーの名脇役、福神漬けも自家製だ。こだわりは熊本産の甘口醤油を使っていること。

うまみと甘み、コクを兼ね備えた甘口醤油にみりんを加えて、ダイコンやニンジン、キュウリなど季節の野菜を漬け込んでいる。
砂糖を使っていないため甘さが控えめで、野菜のうまみとパリパリした歯ごたえが生きている。テーブルにガラスの器ごと置かれ、食べ放題なのもうれしい。

薬膳を勉強して、薬膳カレーをいつか店に出してみたいと語る田中さん。日々、新しいカレーメニューにチャレンジしているとのこと。豚バラやチキンもまた違った味わいのカレーで登場してくるかもしれない。

時間がゆっくり流れていくような個性あふれる石蔵という空間が八王子にはある。本格的なスパイスカレーを堪能しに出掛けてみてはいかがだろう。


【メニュー】
豚バラのスパイスカレー 980円
チキンスパイスカレー 980円
※価格はすべて税込

くらごはん

住所
〒192-0073 東京都八王子市寺町48(寺町調剤薬局裏)
電話番号
042-699-0654
営業時間
11:00~17:00(L.O.16:00)
定休日
土・日・祝日(不定休は公式サイトで要確認)
公式サイト
https://www.instagram.com/teramachikuracurry/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。