フランス北西部に位置するブルターニュ地方の郷土料理「そば粉のガレット」。そば粉をベースにした生地を薄く伸ばして焼き上げたものだ。
海に面し自然の豊かなブルターニュ地方は、海の幸が豊富な反面、湿気が多く小麦の栽培には適していなかった。そのため、そば粉を料理に使うようになったという。
ガレットは手軽に作れて、食事系もスイーツ系もどちらでも楽しめるのが魅力だが、おいしく作るためには、知っておきたいポイントが5つある。ポイントといっても難しいテクニックはなく、簡単に実行できるものばかりだ。
ではさっそく、そのポイントから紹介しよう。
■基本の「そば粉のガレット」をおいしく作る、5つのポイント
【point1】生地に少量の「ハチミツ」を入れる
生地に少量のハチミツを入れると、ハチミツの保湿効果によりしっとりとした生地に焼き上がる。
【point2】生地をひと晩寝かせる
生地は、混ぜてすぐには焼かず、ひと晩寝かせると生地が落ち着いておいしく焼き上がる。
【point3】フライパンに入れる直前に再度混ぜなおす
ひと晩寝かせた生地は、やさしく混ぜてから使用する。混ぜてから焼かないと生地にムラが生じて焼き上がりに影響する。
【point4】焼くときの火加減は「中火」
火加減は中火がベスト。弱火でじっくり時間をかけると生地が乾燥してしまい、強火だと焦げやすい。しかし、レシピに蒸す工程がある場合は、焦げすぎを防ぐため蒸している間は弱火が良い。
【point5】生地の周りがカリッとしてきたら、折りたたみのサイン!
おいしく焼き上げるには、生地の完成を見極めるのが重要。ガレット生地の周りがカリッとしてフライパンからはがれてきたらOK! 折りたたんで成形しよう。
■シュガーバターでシンプルに食べる「基本のガレット」
5つのポイントをおさえたところで、まずは「基本のガレット」を工程写真付きで紹介しよう。
生地のおいしさをストレートに味わうなら、シュガーバターでシンプルに食べるのがオススメだが、お好みでメープルシロップやハチミツをかけてもいいし、フルーツをトッピングしてもおいしい。
■材料(2枚分) 直径26cmのフライパンを使用
<生地>
・卵 … 1個
・そば粉 … 70g
・塩 … 小さじ1/4
・水 … 170ml
・ハチミツ … 小さじ1
<トッピング>
・グラニュー糖 … 適量
・バター … 適量
・バター … 10g
■作り方(調理時間:15分) ※生地を寝かせる時間は除く
① ボウルに卵を溶きほぐし、そば粉、塩、水を入れて混ぜ、ハチミツを加えてさらに 混ぜる。
② ラップをして冷蔵庫にひと晩おき、生地を寝かせる。
③ フライパンに1/2量のバターを入れて弱火で熱し、バターが溶けたら中火にし、②の生地をよくまぜてから1/2量を流し入れる。
④ 表面全体が乾いて生地の周りがカリッとし、焼き目に程よい焼き色がつくまで焼く。
⑤ 三角形になるよう生地の周りを中央へ折りたたみ、成形する。③~⑤を2回繰り返す。
⑥ 器に盛り、グラニュー糖を全体にかけ、バターをトッピングする。
■とろ~り卵を絡めて食べるのがおいしい「生ハムとキノコとチーズのガレット」
半熟に焼き上げた卵を崩して絡めながら食べるのがおいしい、生ハムとキノコとチーズのガレットのレシピ。
キノコは舞茸とマッシュルームを合わせて使うと、味と香りが重なり合って複雑なおいしさが加わる。舞茸はこんがりと焼いて余分な水分を飛ばしてから生地で包むのがコツ。キノコから水分が染みでて生地が水っぽくなってしまうのを防ぐことができる。
■材料(2枚分) 直径26cmのフライパンを使用
<生地>
・卵 … 1個
・そば粉 … 70g
・塩 … 小さじ1/4
・水 … 170ml
・ハチミツ … 小さじ1
<トッピング>
・舞茸 … 1/2パック
・バター … 3g
・マッシュルーム … 4個
・グリュイエールチーズ(もしくはゴーダ) … 40g
・パセリ … 3g
・生ハム … 4枚
・卵 … 2個
・オリーブオイル … 小さじ2
・塩、コショウ … 適量
■作り方(調理時間:20分) ※生地を寝かせる時間は除く
① 「基本のガレット」レシピの①~②と同様の工程で生地を作り、準備をしておく。
② 舞茸はひと口サイズに手でちぎる。フライパンにバターを入れて弱火で溶かし、舞茸を入れて中火でこんがりと焼いたら取り出す。
③ マッシュルームは厚さ3mmに切る。グリュイエールチーズはチーズ削り機で細かく削る。パセリはみじん切りにする。
④ フライパンに1/2量のオリーブオイルを入れて中火で熱し、①の生地をよくまぜてから1/2量を流し入れる。
⑤ 表面が乾燥してきたら舞茸、マッシュルーム、生ハム、グリュイエールチーズをのせ、中央に卵を割って落とす。
⑥ フタをして弱火で5分ほど蒸して卵に火を通す。
⑦ フタを外して中火にし、生地の周りがカリッとしてきたら、四角形になるよう生地の周りを中央へ折りたたみ、成形する。④~⑦を2回繰り返す。
⑧ 器に盛り、塩、コショウをふってパセリを散らす。
■焼き上げたガレット生地にトッピングするだけ! 「アボカド・サーモン・クリームチーズのサラダ風ガレット」
フレッシュなレタスとアボカドをトッピングしてサラダ感覚で食べられる、サラダ風ガレットのレシピ。アボカドとサーモンの組み合わせは、ガレット生地との相性もいい。クリームチーズはお好みの量をつけながら食べると味の変化を楽しめる。
レタスとアボカド以外にも、トマトやズッキーニなどの野菜をたっぷり加えるのもオススメだ。
■材料(2枚分) 直径26cmのフライパンを使用
〈生地〉
・卵 … 1個
・そば粉 … 70g
・塩 … 小さじ1/4
・水 … 170ml
・ハチミツ … 小さじ1
〈トッピング〉
・アボカド … 1/2個
・フリルレタス … 2枚
・イタリアンパセリ … 2枝
・スモークサーモン … 6枚
・クリームチーズ … 60g
・レモン汁 … 小さじ2
・塩、コショウ … 適量
・オリーブオイル … 小さじ2
■作り方(調理時間:15分) ※生地を寝かせる時間は除く
① 「基本のガレット」レシピの①~②と同様の工程で生地を作り、準備をしておく。
② アボカドは皮をむき5mm幅に切る。フリルレタスはひと口サイズに切る。イタリアンパセリは枝から葉を摘む。
③ フライパンに1/2量のオリーブオイルを入れて中火で熱し、①の生地をよくまぜてから1/2量を流し入れる。
④ 表面が乾いて生地の周りがカリッとしてきたら、四角形になるよう生地の周りを中央へ折りたたみ、成形する。③~④を2回繰り返す。
⑤ ④を器に盛り、アボカド、スモークサーモン、フリルレタス、イタリアンパセリ、クリームチーズをトッピングし、レモン汁、塩、コショウをふる。
5つのポイントを守ればおいしさが格段にアップする、基本のガレットとアレンジレシピを紹介した。シンプルな「基本のガレット」の作り方を覚えれば、スイーツ系、食事系の両方を楽しめる。トッピングをお好みの材料に変えて、優雅なブランチをコーディネートしてみよう。
【レシピ制作者プロフィール】
管理栄養士・料理研究家 五十嵐ゆかり
「楽うまヘルシーな時短ごはん」をモットーに、心とカラダにやさしい時短レシピを提案。
忙しい平日は時短でおいしく、時間のある休日はちょっと丁寧に、を心がけた暮らしに役立つレシピ開発をしている。
食材2つの組み合わせで栄養素を効果的にとるレシピを提案し、食品企業や各媒体にレシピ提供をしている。著書に『食材の栄養素を最大限に引き出す便利帖』や『発酵いらずのちぎりパン』、『塩レモンでつくる基本のおかず』など。
食のクリエイティブディレクターとして、SNS拡散400,000以上の実績をもつ食のコンテンツマーケティング企画制作会社フードクリエイティブファクトリーでは、年間1,000を超えるレシピや食の企画をディレクションしWEB媒体や食品企業に提供。
食の企画、レシピ・商品開発、執筆、動画制作、テレビ出演、イベント出演、インフォマーシャル出演、講演、料理教室、食品企業のレシピサイト制作やホームページ制作のディレクションなど、多方面で活動中。
Twitter:https://twitter.com/igarashi_yukari
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【調理・撮影】
フードクリエイティブファクトリー
「あなたとあなたの大切な人との暮らしをもっと穏やかで創造的に」を企業理念とする食のクリエイティブに特化した企画制作チーム。
食の企画、レシピ・商品開発、執筆、メディア出演、
イベントなどを手がけています。
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