創業者兼シェフは高級レストラン出身
『Num Pang Kitchen(ヌン・パン・キッチン)』は、東南アジアフードのファストフードレストランチェーンだ。2009年にユニオンスクエアの近くに1号店をオープンし、現在マンハッタンで5店舗、ボストンで1店舗を展開。どこも連日お客でいっぱいだ。有名グルメガイド『ザガット・サーベイ』からニューヨークの「ナンバーワン・ファストカジュアル」に選ばれたことがあり、2016年には料理本『Num Pang(ヌン・パン)』が出版された。
創業者は、アメリカ出身のベン・ダイツ氏と、カンボジア出身のラザ・チャポリ氏。2人はマサチューセッツ州にあるクラーク大学で出会った。卒業後、ダイツ氏はニューヨーク郊外にある料理の名門校「The Culinary Institute Of America(ザ・キュリナリー・インスティーチュート・オブ・アメリカ)」で学び、『Bouley(ブーレー)』『Daniel(ダニエル)』『Le Cirque(ル・サーク)』など、フレンチの最高級レストランで経験を積む。
一方、チャポリ氏もレストラン業界で経験を積んでいた。そして、2人はニューヨークのレストランで偶然再会。その後、チャポリ氏が最初のカンボジア料理レストランをオープンした時にダイツ氏が手伝った。そのレストランでカンボジア風サンドイッチがヒットしたことから、2人はカンボジア風サンドイッチを軸にしたお洒落でかっこいいファストカジュアルレストランをやりたいと考え、それが『ヌン・パン・キッチン』のオープンに繋がった。
1号店のオープンは2009年。リーマンショックの翌年で、景気が悪かった時期だ。2人は、手ごろな値段でクイックに食べられて、他のファストフードチェーンがやっていない東南アジアフードにニーズがあると考えたのである。現在は、チャポリ氏は『ヌン・パン・キッチン』を離れ、ダイツ氏が創業者兼シェフとして舵を取っている。
ボリューム満点! ヌン・パン サンドイッチ
ちなみに、「ヌン・パン」はカンボジア語で「パン」や「サンドイッチ」を意味する。最も人気が高いのは、「ファイブスパイス・グレイズド・ポークベリーサンドイッチ」(写真上)だ。柔らかいフランスパンにたっぷりの具材をサンドしており、酢漬けのニンジンが効いている。ベトナミーズサンドイッチの「バインミー」を思わせるサンドイッチである。
どんぶりものでは、「レモングラス・ブレイズド・ビーフショートリブ」(写真上)の人気が高い。ビーフの他、インゲン、ニンジン、パクチー、ムラサキタマネギが入り、スパイシーなチリソースとヨーグルトがかかっている。ご飯は玄米、ジャスミンライス、そして小麦の原種であるスペルト小麦・ファロとキヌアと玄米を混ぜた「スーパーグレインズ」の3つから選べるが、「スーパーグレインズ」をオーダーする人が特に多いそうだ。
サイドディッシュの「チャード・ブロッコリー」(写真上)も人気メニューの1つ。ちょっと焦がしたブロッコリーに豆腐、レモン、ライム、パクチー、ハラペーニョ、塩コショウを混ぜた「スパイシー・ゴッデス・ドレッシング」をかけている。メニューは全体的に、食欲をそそるスパイシーな味付けの料理が多い。
壁には目に鮮やかなストリート系グラフィック
ちなみに、飲み物の中には「カンボジアン・アイスコーヒー」がある。ミルクを入れてもらったら、日本のミルク入りアイスコーヒーを連想させる懐かしい味だった。
壁に描かれたイラストはファンキーでカラフルなストリート系。ニューヨークで流行っている新興カジュアルレストランは、ドーナツやアイスクリーム、ピザなど食のジャンルを問わず、ファンキーなグラフィックを取り入れているところが多い。ニューヨークで成功するための、王道的な手段の1つなのかもしれない。
【メニュー】
FIVE-SPICE GLAZED PORK BELLY(ファイブスパイス・グレイズド・ポークベリーサンドイッチ) $9.95
LEMON GRASS BRAISED BEEF SHORT RIB(レモングラス・ブレイズド・ビーフショートリブ) $13.95
CHARRED BROCCOLI(チャード・ブロッコリー) $3.95
CAMBODIAN ICED COFFEE(カンボジアン・アイスコーヒー) $4.95
Num Pang Kitchen(ヌン・パン・キッチン)UNION SQUARE
- 電話番号
- 646-791-0439
- 営業時間
- 月曜~土曜 11:00~21:00、日曜 12:00~8:00
- 定休日
- 無休
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。