どうも、料理芸人のクック井上。です!
僕は料理が得意ということもあって、芸人なのに今では仕事の9割が料理に関すること。しかし、料理でお仕事を頂く前は、小劇場で行われる若手お笑いライブに、月に何回も出演していました。
若手お笑いライブのほとんどは、新宿や中野の劇場に集中していて、よく終演前後に、東中野のとある中華系食堂で腹ごしらえをしていました。
今回は、シャキッとおいしい餡と、数多の若手芸人の思い出が詰まった、東中野の焼き餃子を紹介しますよー!
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やってきたのは、JR東中野駅東口から徒歩数十秒、駅すぐそばにある『大盛(おおもり)軒』。ナイスネーミング!
1982(昭和57)年にオープン、あるオリジナルメニューが有名で、熱狂的なファンが多いお店。
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▲あえて昭和の香りを残しているという店内
カウンター8席・テーブルは30席と、比較的こういうお店としては広い方でしょうか。これだけ広いのに、平日のランチ時だけでなく、昼過ぎから夕方の中途半端な時間でも、続々とお客さんが入ってくる人気ぶり。夜や休日は満席ということも多々あります。
さて、先にも記した、ここならではのオリジナルメニューを紹介する前に、まずは僕の大好きな餃子からいただきましょう!
餃子とライスがセットになった「餃子ライス」お願いしまーす。
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▲キタ…(生唾ゴクリ)
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▲キタキタ…(お腹グゥグゥ)
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▲やったー、待ってました~!(両手を上に!)
しっかり焼き色がついた“よく焼き”の美しい餃子の登場です! くぅ~、たまらん!
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ガブっと噛んだ皮は、製麺所に特注で作ってもらっているそうで、大判でしっかりした厚み。そんな皮の中には、キャベツのシャキシャキ感が魅力的な餡がぎっしり。しっかり目の皮とのコントラストが最高です。
キャベツの他、餡には豚挽き肉、ネギ、ショウガ、ハーブニンニクが使われています。ハーブニンニクを使うことでマイルドな味わいになり、食後もニンニクの香りが気になりにくいんだって! 『大盛軒』という男性的な店名に反して、細かい気遣いがハンパないです。
さらには、下味の付け方に妙があります。塩コショウ・鶏ガラスープ、ここまではわかりますが、なんとお醤油は“粉醤油”を使っているそうですよ。粉末の醤油を使用することで、餃子の水っぽさを抑える効果があるとのこと。またもや細かい気遣いがハンパないです。
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さぁ皆さん、店名は『大盛軒』ですよー。餃子とライスで、ガッツリいっちゃいましょう♪ もちろん単品を注文して、ビールで一杯やるのもおすすめ!
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ちなみにこちらは、餃子のお持ち帰りも可能です! “餃子をお持ち帰りができるお店はうまい!の法則”知ってますか? この法則は滅多に裏切られることがありません。
ぜひ、自宅でも『大盛軒』の餃子を味わってみてくださいね。(※ただし生餃子に限り、6~9月頃は販売を休止しているのでご注意を!)
お客の7割が注文!『大盛軒』の看板メニュー「鉄板麺」
さて、餃子を堪能したところで、『大盛軒』の一番人気のオリジナルメニューをご紹介といきましょう。
なんと、お客さんの7割以上が注文するという、押しも押されもせぬ超人気メニュー! それが「鉄板麺」です!もはや『大盛軒』どころか“中野区のソウルフード”、といっても過言ではないほどの食べ物なのです。
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▲一番人気の「鉄板麺」。鉄鍋は直径17cmほど
野菜をたっぷり使った「野菜鉄板麺」や牛肉バージョンの「ビーフ鉄板麺」など、鉄板麺にも種類がいくつかあります。今回は、スタンダード&人気No.1の、豚肉を使った「鉄板麺」をオーダー。
こちら、メニュー名で勘違いしがちですが、麺を鉄板で焼いているわけではありません。実は「鉄板麺」=「鉄板焼き」+「半ラーメン」のセットのことを指します。
つまり、デフォルトで半ラーメン付きなんです。だから、お腹パンパンで半ラーメンがいらない時なんかは、「○○鉄板焼きライス」と注文しなくてはならないのでご注意を。初めての方には、独自ルールがちょいと難しいですよ(笑)
ここで事前に覚えてから行きましょう。あっ、できあがったようですよ!
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わぁ、運ばれてくると同時に聞こえてくる、ジュワーっという素敵な音。そしてもうもうと立ち昇る湯気! もう、この時点でいい香りが鼻から脳天を突き抜けて、食欲を刺激しまくり。
余談ですが、2代目店主の村上茂さんによると、真夏は「鉄板麺」の湯気で店内の冷房が効かなくなるとか。業務用の冷房に勝つ湯気って、どんだけの量よ(笑)
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鉄板焼きは至ってシンプルな料理。鉄板のうえにキャベツと豚バラ肉がたっぷり乗っていて、そこに醤油ベースの特製ダレがかかっています。一見、こってりした味わいに見えますが、実はそうじゃない。見た目以上にさっぱりしています。
というのも、特製ダレにはお酢が入っているんです! この配合が秀逸なんですよ。例えるなら、野菜がたっぷり入った和風ドレッシングのような味わい。さっぱりしているので、バクバク食べられますよ。
店名も『大盛軒』と男性的、看板メニューの見た目も男性的なのに、以前、某女性誌に掲載されてからは、女性にも大人気なんですって。こりゃ納得!
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▲お米は、国産のコシヒカリを使用
とはいえ、さすが『大盛軒』。その名の通り、てんこ盛りのご飯は、普通盛りなのに300g! 通常のお茶碗のほぼ倍。超絶腹ペコ状態での来店をおすすめします(笑)
そして、この鉄板焼きには、一応スタンダードな食べ方、というかコツがあるので紹介しますね! ここで事前に覚えてから行きましょう、Part2!
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まずは、セットでついている生卵を落とします。卵を落とす時は、中央にくぼみをつけてくださいね。そしてカリカリニンニク(ニンニクチップスのこと)をオン。
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さらに、ペッパーソースをドバ~ッドバ~ッと、これでもかとかけて素早くかき混ぜて…! 変わった食べ方? いえ、これがスタンダードかつオススメの食べ方なんです。
特製ダレのうまみ&酸味+ペッパーソースの辛み&酸味が加わって、独特な味わいになりますが、これがどこにもない無国籍な味なのに心地いい。
生卵が、個性の強い調味料やトッピングの全てをまろやかにし、絶妙なバランスを成立させます。もちろん最初はそのまま食べて、あとから卵をのっけたり、ペッパーソースをかけたりしてもOK! 食べ方は皆さんの自由です!
「常連さんほど、酢や醤油を入れたり、ペッパーソースをかけなかったり、追加で肉を大盛りにしてみたり。それぞれのこだわりの食べ方があるんですよね」と茂さん。皆さんも、自分なりのスタイルを見つけてみてくださいね。
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さて、セットの「半ラーメン」も、鉄板焼きに勝るとも劣らぬ秀逸メニュー。スープはあっさりとした醤油ベース。やや太めのちぢれ麺を使用しており、つるっとした喉越しがGOOD! 海苔とネギのみというシンプルなトッピングが、さらにおいしさを引き立てます。
「こだわりの点などありますか?」と聞くと、「こだわりがないのがこだわり」と、茂さん。いやいや、ご謙遜を。普通のことを毎日普通に、そして生み出される流行に左右されない味。これが一番難しいはず。ゆるぎない自信がちゃんと伝わる味です。
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ちなみに、この「鉄板麺」というセットを考案したのは、茂さんのお父様であり先代の武生さん。『大盛軒』創業当時からあるメニューで、店名の通り「たくさん食べてほしい」という思いが込められているとのこと。
今ではメガ盛りなど、大盛りをウリにしているお店は多いですが、当時は大盛りのお店は珍しかったそうです。メガ盛りの先駆けだ! なんせ店名『大盛軒』。分かりやすいし、どストレートで潔い。
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▲最後は店主の茂さんとパシャリ!
いかがでしたか、東中野『大盛軒』。
正直、中野と新宿の間の“東中野”というメジャーではない駅で、こうして長い間、愛されているというのは、本当に凄いことだと思います。真の人気店、ここにありです!
人気No.1の「鉄板麺」とオススメの餃子、両方を食べてほしいけど、ただでさえ大盛りのセットに餃子をつけたら、体育会系の学生でもない限り、食べられないようなボリュームになっちゃいます。なので、両方食べたい方は、みんなでワイワイ訪問してシェアするといいですね。
うん、1つのおぼんに鉄板焼き、300gの大盛ごはん、半ラーメンが乗っている「鉄板麺」の写真を見たら、餃子を食べたい人は、言われなくてもみんなそうするか(笑)
そうそう、常連さんもカップルや友人何人かで来られる方が多いそうで、週末は子連れのファミリーがたくさんいるとのこと。
彼氏と彼女と『大盛軒』。友人と家族と『大盛軒』。みんなでワイワイ『大盛軒』。分け分けシェアして『大盛軒』。『大盛軒』は、中野区の平和の象徴です。
撮影:佐々木雅久
【メニュー】
餃子ライス 700円
お持ち帰り餃子 焼餃子500円、生餃子450円(サービス品:生餃子4人前 1,600円)
鉄板麺 900円
生ビール 500円
※価格はすべて税込
大盛軒
- 電話番号
- 03-3371-5743
- 営業時間
- 月~日 11:00~22:30(L.O.22:00)
- 定休日
- 年末年始(2017年12月31日~2018年1月3日) ※※お盆(8月中旬)
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
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