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大豆の旬は10~12月。大豆は一年中出回っていて味に変わりはないように思われるかもしれないが、旬の大豆は香りがよく甘みがあり、みずみずしいのが特徴で、この時期に作られる豆腐はよりしっかりと大豆の風味を感じることができる。
今回は旬の大豆の甘みと香りを存分に味わえる、家庭でも作りやすい「ざる豆腐」のレシピを紹介しよう。
■できたての温かい豆腐が味わえる! 旬の大豆で作る「ざる豆腐」の作り方
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豆腐を手作りする、と聞くと難しく感じるかもしれないが、大豆と軟水のおいしい水(軟水の天然水かミネラルウォーター)、そしてにがりと、材料はとてもシンプル。
大豆を水につけおきしてしっかりふやかしたらミキサーまたはフードプロセッサーにかけ、鍋で煮て大豆の甘みを引きだしていく。注意するポイントは、にがりを入れる温度とタイミング! レシピにならって作っていこう。
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■材料 (直径15cmのざる1個分)
・大豆 … 300g
・水(軟水) … 1,200ml ※軟水の天然水かミネラルウォーターを用意
・にがり … 大さじ1と1/2
■作り方(調理時間:30分 ※大豆の浸水時間と水切り時間は除く)
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① 大豆はざるに入れて洗ってから鍋に入れる。ひたひたの水(分量外)を加えて、大豆が簡単に割れる状態になるまで13~15時間ほど水にひたし、浸水させる。
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② ①の大豆と水を3~4回に分けてミキサー(フードプロセッサー)にかける。滑らかになるまで撹拌したら大きめの鍋に入れる。
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③ 強火にかける。焦げないようにたえずへらで鍋底からしっかり混ぜる。沸騰したら弱火にし、混ぜ続ける。アクがでたら取り除きながら約10分煮る。
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④ 大きめの鍋の上にざるを置き、その上にさらしの濾し袋を敷いて③の大豆を入れ、水分がでなくなるまで搾る。(搾った水分が豆乳、さらしの中に残ったものはおから)
《ポイント》
搾る作業は大豆が熱いうちに行うこと。そうしないと仕上がりの味が悪くなる。
※熱いので、厚手のゴム手袋があれば使用するなどして、やけどに注意。
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⑤ 搾り出した豆乳を弱火にかけて70~75℃になったら火を止め、にがりの半量を入れる。へらでゆっくりと混ぜると、少し固まってくる。
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⑥ さらにゆっくりと混ぜながら残りのにがりを少しずつ加えていき、中身が分離して透明な部分を確認したら蓋をして10分おく。
《ポイント》
にがりは固まるのが早く、一度に入れるとにがりが全体に回らないうちに固まってしまうので、様子をみながら数回に分けて加える。
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⑦ バットの上に置いたざるに、水で濡らし固く絞ったさらし(25cmの正方形)を敷き、⑥で固まった白い部分をおたまですくって入れていく。
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⑧ ざるがいっぱいになったら、ざるからはみ出ているさらしで表面を覆い、平たい皿などをのせて重石をし、好みの固さになるまで10~15分水切りすれば完成。
■保存期間
できたてのほんのり温かいうちにいただくのがより大豆の風味が感じられ、一番おいしい。
すぐに食べない時は冷蔵庫で保存し、2日以内に食べきる。
■おからの使い道と保存方法
豆乳を搾りさらしの中に残った「おから」は、大豆の栄養がたっぷりと含まれているので、余すことなくおいしく食べきってほしい。定番のお総菜であるおからの煮物はもちろんのこと、おからにキュウリやニンジンなどを加えたおからサラダや、おからを使ったドーナッツなど、さまざまな料理で活用できる。
おからは、冷蔵庫保存で2日以内、冷凍保存で1ヵ月を目安に使い切ってほしい。
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旬の大豆を使ったざる豆腐のレシピを紹介した。旬の今しか味わえない大豆の甘みと香りに、箸が止まらなくなるだろう。
2日ほどはおいしくいただけるが、時間が経つと水分が抜けすぎて固くなり風味も落ちてくるので、できればできたてのほのかに温もりの残ったざる豆腐を味わっていただきたい。冷蔵庫で冷やす場合も、冷えたらすぐに冷奴などで味わうのがオススメだ。
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【レシピ制作者プロフィール】
料理研究家/調理師 滝野千鶴
東京生まれ。物心ついたときからの料理好きで、料理をする母親をみて調理のコツを学び、独学で調理師の免許を取得。 その後、料理教室でフランス料理、イタリア料理などを学ぶ。また、こどもが食物アレルギーを持っているため、こどもの体質改善を目指して発酵料理についても学ぶ。
「大切な人にほっとしてもらえる料理」をモットーに、現在は食のコンテンツ企画制作会社フードクリエイティブファクトリーでレシピ開発や執筆などを行っている。
【調理・撮影】
フードクリエイティブファクトリー
「あなたとあなたの大切な人との暮らしをもっと穏やかで創造的に」を企業理念とする食のクリエイティブに特化した企画制作チーム。
食の企画、レシピ・商品開発、執筆、メディア出演、
イベントなどを手がけています。
HP:http://foodcreativefactory.com/
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