肉マイスター・田辺晋太郎のイチ押しの1軒『日本焼肉 はせ川』
世界各都市には代表的な繁華街が存在する。
NYなら5th Avenueやタイムズスクエア、ロンドンならピカデリーサーカス、香港なら中環(セントラル)。日本、東京といえば銀座。そう、古くから日本中の憧れであり、世界からもこの街を目指してたくさんの人々がやって来る。

最近では多くの外国人観光客が好んで食べる日本食の中に「和牛」とりわけ「日式焼肉」が大きなウェイトを占めるようになった。
しかしながら、日本の文化、日本料理を究めた職人が提供する「日本料理としての焼肉」というものを提供できている店はあったのだろうか?
白木のカウンター、土壁、数寄屋造りの趣の中で日本料理を究めた職人が肉を切り、和牛という素材に合わせたタレや味付けで食べることができる焼肉店。
それは日本一の繁華街「銀座」に存在した。
『日本焼肉 はせ川』。

ちょっと覗いてみましょう!
本物の日本料理が“日本焼肉”への期待を高める

場所は数寄屋橋交差点からワンブロックほどの距離、大通りに面した入口から階段を上り見渡せばそこは寿司屋に来てしまったのかと見まがうほどの数寄屋造り。

白木のカウンターの奥には幾多の包丁が飾られ、何百年前の茶器や器が並ぶ。
カウンターに無煙ガスロースターがあることでようやく、「あ、焼肉店でよかったんだよね?」と胸をなでおろす。
焼肉店では絶対に見かけることのない陶器の置物がカウンターの上にはいくつも用意されていた。

これで焼いた肉を休ませるのか? と、ついつい肉を焼くことに念頭を置いた自分の思考回路が働くが、実際は、「そちらは寿司屋さんが握りや切り身を置くゲタと同じです。そこに、切ったお肉をご提供します」と、見るからにお肉に愛着を持って接してくれるんだろうな、と期待できそうな職人さんが丁寧に説明してくれた。しかも、内田鋼一さんという有名な陶芸作家の作品であり、彼の作品がこの店の器を多く占めるという。
なんというゴージャスな雰囲気だろう……。
1人4~5万円を優に超えてしまうのではないか、私の残高は大丈夫か? と恐る恐るメニューを拝見すると、なんと10,000円以下からコースがきちんと存在するではないか!?

銀座で、個室もあって、この値段設定はありがたい! でも、どうせだったら和牛のシャトーブリアンも食べたいよなぁ、焼きしゃぶも焼きすきも……と悩んでいると、このコースが目に入った!!
「平家コース 16,800円(税込み)」
よし、こうなったら今日は奮発してこのコースにしてみよう! そういえば「平家みちよ」ちゃんって『ASAYAN』のオーディションで1位になってその時にモー娘。が誕生したんだよなぁ、なんて平成を回顧していると……
「こちらお通しとして日替わり旬の3品でございます」(写真下)

わお! まさに日本料理!
鎌倉野菜(小松菜とあやめかぶ)のお浸し、近江こんにゃくと麩のきんぴら、バイ貝の甘煮の3品がお盆に並ぶ。それぞれきちんと素材の味を前面に出しながらも、ちょうどよい塩梅で味付けされており通常の焼肉ではない、日本料理としての焼肉への期待がさらに高まっていく。

続いては飲むお野菜、本日は「バターカボチャのすり流し」(写真上)。バターナッツカボチャとは名前はいたく洋風だが、味付け自体はだしの風味がきちんと感じられつつも野菜の食物繊維をとることでヴェジタブルファーストとして体のことをちゃんと考えている流れとなり、これまた連れてきた女子にも受けるだろうなぁ、と一人妄想が膨らむ。

さらには「函館産ヒラメのお造り」(写真)と、ここまでまさに日本料理のコース。このまま終わってしまうのではないか? いやいや、今日は焼肉だ。これからが本番だ!
と、ここでもう一つお野菜が登場! もう本当に焦らすのが得意なんだから!

「はせ川厳選 早採り野菜のサラダ」(写真上)は野菜ソムリエ上級プロの荒川あやこさんが選んだ、あくが少なく野菜そのものの味がきちんと感じられるような、その日に採れた一番いい野菜をサラダに。
口直しにちょうどいい野菜がたっぷり食べられるし、その味付けがこれまたいい!! 塩昆布とオリーブオイルだけでこんなに野菜がおいしく食べられるのか! と、まさにお肉もいいけど野菜も名物! と言い切るだけのことはある、納得の味だ。
最上級「焼肉」は悶絶級にうまい! コスパも最強だった!
さぁ、もう準備万端! カモンベイベー! お肉ちゃん~。
いやいや、USAのビーフでない、和牛ですよ、お客さん。

はい、出ました! 「最高級部位2種食べ比べ」(写真上)として、厚切り芯タンとハラミ(サガリ)が登場! 内田鋼一先生作のゲタに乗るお肉の美しさにまず視覚からすでに持っていかれている自分がいた。

しかし今のご時世なかなかこの2種類を新しいお店がスルッと仕入れるのは難しいのでは? と聞いてみたところ、なんとミートアーティストの佐藤雄介さん(写真上・左)が自ら朝早くから卸業者さんのところに出向いて一緒に処理もするのだとか!

やはりそうしてきちんと業者さんと向き合うことでいいお肉、つまり自分がとりたい肉を選ぶことが出来るようになるわけですね~、さすがです!
さぁ、ここでようやく肉マイスターの本領発揮!

厚切りタンを焼く極意を伝授。厚切りのタンは多方面から均一に火を入れてタン自体の脂で表面がシュワシュワカリカリとなってきたらお皿にとって、すぐに口に入れ、、、ないんです!
ゆっくり休ませて肉汁を落ち着かせてから口に入れましょう! そうすることで何倍もタン自体のおいしさを感じることができます。
しかもこちらは生の本わさびが登場! 自分ですりおろせる楽しさがあり、外国人のお客様は大喜びなんだとか!(するのがめんどうくさい人は、すったやつ下さい、といえば出してくれるみたいですけど、やはり自分でやりたいですね)
わさびと肉の相性も楽しんだ後はいよいよハラミ(サガリ)の番!
おや? なんだこの細長いタレは? と思っていると……

「塩で食べたい人もタレで食べたい人もいると思うので、ここにもみダレを置きますのでタレ味がお好みの方はここにお肉をくぐらせてから焼いてください」
おおおお! なんという寛容なスタイル! これで焼肉における千年戦争「タレ味VS塩」に終止符が打てる! まさにあんたの好きな感じでやればいいよ! とそれぞれの自由をリスペクトしてくれる提供スタイルはうれしい限り。

つけダレもこってますよ。最初に出される膳には3つのタレが用意されています。そばちょこに入っているタレは醤油がきりっと立った感じでそこにだしの風味が香るタイプ、それ以外に味噌だれもあるが、やはりハラミ(サガリ)にはきりっとした醤油ダレが合う~~!!!
NEXT MEAT、次の肉にいきましょう。
うわ!! なんだ!? まるで宝物が入った塗りものの箱のようなものが出てきましたね~。
開けてみましょう、パカッ!!

おおおお! レーヒー!! そうです、ヒレ肉ですよ、その中心のシャトーブリアンですよー!!! しかも金箔がのってる~!!! 黒トリュフまで~!! 杉本彩さんもびっくりのゴージャス&ゴージャス! と、思わずテンションが上がってしまうのはもう仕方ないよ、うん、仕方ない。

フレッシュな十勝産和牛のシャトーブリアンをしっとりと焼き上げたらそこにトリュフ塩、そして……

ウソッ!!! と叫びたくなるようなトリュフ削りまくり祭りがスタート~、わっしょい!
まだ若さが前面に出る十勝和牛に、トリュフの本場イタリアはトスカーナ産の黒トリュフの華やかなドレスをまとわせることで一気に妖艶さと気高さMAX! まさに「和牛界の広瀬すず 紅組司会バージョン」といったところか?
う~ん、ちがうな……、つまり何が言いたいかというと、とにかく美味しい! 華やか!! 優勝だね!!!

と、お肉を食べてあまりにテンションが上がり過ぎたのを「日替わり 旬の蒸し物」として「銀杏とあわび茸の茶わん蒸し」(写真上)で少しクールダウン。

そしてお刺身でも食べられる「殻付きホタテの網焼き」(写真上)が登場。お肉と魚介のたんぱく質ハイブリッド摂取だなんて最高じゃないですか!
いわゆるひとつの緩急が大事なんですよね、お肉もお肉だけでは食べ続けられない。こういう日本料理、だしのうまみを挟むことで美味しくお肉が食べられるんですよ。
なんて言っていたら目の前にこの霜降りがド~ン!!

十勝和牛のイチボを焼きしゃぶで!(写真上)

仙台牛のサーロインは焼きすきで!(写真上)
ちょっと待ってよ、ねぇ~。これはうれしい不意打ち! 赤身のお肉も美味しいですけど、やっぱりこうやって霜降り肉の薄切りもいいよね~!

焼きしゃぶのタレは自慢のゴマダレ(写真上)。これがちょっと本当に異次元です、アナザーワールドです! 飛びます飛びます!!
日本料理の極意がこういうところに生きてくるわけですよね、女性でも5枚くらいお代わりしちゃう人がいるというのが激しく頷ける逸品。

そして焼きすきのこの卵!見てくださいよ!!(写真上)
奈良県は「吉野こだわり卵」のなんと濃厚なこと! まるで醤油漬けにしたみたいな濃厚ねっとり具合に官能! 堪能! 感動です!!
ヨネ(お米)持ってきてー!! と叫びたくなる、とんでもないファイナルウェポンだったわけですが、なんと〆の一品が、え?? これ??(写真下)

に~く~ず~し~!!!!(ドラえもん風で)
しかも仙台牛のシンシン(もも肉の中でも一番ヒレ肉のような味わいの部分)にウニとイクラも乗っちゃったりなんかしちゃったりして~!
〆にまたこれ、反則ですね、悶絶死したらどうしよう? と遺言書きたくなるレベルです。
冷静になって考えてみますと、これだけのお肉とお料理が出て16,800円(税込)なんですか? 銀座ですよね? 個室もありますよね?
接待とかに使ったらどれだけ効果的なんでしょうか? 大人のオトコならデートでも行けますよね! GINZAの中心で愛を叫べますよ!!
高コスパすぎて色んな使い方の妄想をしていると、もう最後だから頭を冷やせと言わんばかりにデザート(写真下)が登場。

まぁね、焼肉屋さんのアイスなんてまぁそんなにね……、あれ? ウマいぞ、いや、めっちゃウマい!!! なにこれ?
「こちらは滋賀県の『宝牧場』の牛乳にオリーブオイルを入れて練りこんだ自家製の”はせ川プレミアムアイスクリーム”です」
いやー恐れ入りました! しかもかかってるオリーブオイルが薫り高くてなんとも贅沢な味わい。とてもすっきりしちゃってもう一度初めからいいですか?
あ、もう予約で席が埋まってる? そりゃそうだよね、すいません! また改めて来たいです、期待です!!

お酒だって、ソムリエの柴田宏史さんが厳選したワインから日本酒、焼酎までレアなお酒が勢ぞろい! また土・日・祝日はランチもリーズナブルにやってるんだとか、これも要チェックですね~。
日本料理を極めた職人が肉を極め、肉割烹とは違うきちんと「焼肉」に向き合った日本料理×焼肉の名店『日本焼肉 はせ川』。
焼肉の新しい選択肢として、肉マイスター・田辺晋太郎のイチ押しです!!
焼肉×和食 日本焼肉 はせ川
- 電話番号
- 050-5484-4570
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
- 営業時間
- 月~金
ディナー 17:00~23:00
(L.O.22:00)
土・日・祝
ランチ 11:30~16:00
ディナー 16:00~23:00
(L.O.22:00)
- 定休日
- 不定休日あり
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
