3時間コトコト炊いたあんこが絶品! 京都で話題の「どら焼き」専門店『どらやき 亥ノメ(いのめ)』

2018年12月17日
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3時間コトコト炊いたあんこが絶品! 京都で話題の「どら焼き」専門店『どらやき 亥ノメ(いのめ)』
Summary
1.京都の北野天満宮の近くにどら焼き専門店がオープン
2.生地は毎朝焼き立て! 3時間かけてコトコト炊くあんこも絶品
3.イートインもでき、さらにイートイン限定トッピングメニューを用意

「どら焼き」専門店が京都・北野天満宮近くにオープン!

梅と紅葉が有名な京都の北野天満宮のほど近く、京福電気鉄道北野線・北野白梅町駅から徒歩3分ほどの静かな住宅街に2018年9月にオープンしたのが、どら焼き専門店『どらやき 亥ノメ(いのめ)』だ。

京都に和菓子店は多いものの、どら焼き専門店は珍しい。しかも、カフェ風のカジュアルな雰囲気のため若い人でも気軽に立ち寄ることができる。

「いざ、自分の店を開こうと思った時に、京都には古い和菓子屋さんは多いけれど、若い人にももっと気軽に楽しんでもらえるものはないかと考えて、どら焼きにたどり着きました」。

そう語る店主の大塚英晃さん(写真上)は京都・桂にある名店『中村軒』をはじめとした和菓子店で修業し、かつては神戸の製菓学校の講師もしていた。お菓子の道に進む前は和食店でも働いたこともあるなど、さまざまな経験を経ながら腕を磨き、同店をオープンさせた。

やっとたどり着いた理想の“餡”は、おばあちゃんの素朴な味

できたてのあんこを一口いただくと、ほどよい甘さで、後味はあっさり。口どけもなめらかで、どこか懐かしい味わいだ。

「自分が理想とする餡の炊き方と出逢ったことも、どら焼き屋をしたいと思った理由の一つ。ぜひ、あんこを楽しんでほしいんですよ」と大塚さん。

餡の炊き方は、以前働いていた『中村軒』のものをベースに、砂糖を極力控えて、小豆の風味を最大限に生かした炊き方にこだわっている。「昔おばあちゃんが炊いていたような、コトコトと時間をかけて、ゆっくりと炊き上げるという素朴な炊き方です。小豆の皮が煮崩れますが、そうなることで皮の味もするし、舌触りも楽しめると思うんです」。

賞味期限に関しては、砂糖が少ないことから日持ちがせず、購入した日から翌日まで。裏を返せば、それだけできたてのおいしさが楽しめるというわけだ。

ふっくら、きめ細やかな生地は、毎朝一枚一枚手焼きで

メニューは、通常サイズの「どらやき」と、ミニサイズの「亥ノどら(いのどら)」の2種類をラインナップ。通常サイズはあずきが1種類、ミニサイズの「亥ノどら」には、あずきの他、抹茶、黒糖、クルミがそろう。

生地にもこだわりがあり、焼き立ての芳ばしい香りも一緒に楽しんでもらいたいからと、毎日早朝から一枚一枚手焼きしている。

自然豊かな京都市西京区の大原野(おおはらの)まで直接行って仕入れる新鮮な卵を使った生地は、ふっくらと弾力があって、きめも細やか。それでいて、食べると後味は軽いという絶妙な食感だ。

また、同店では餡の種類に応じて生地そのものの味を変えている。

抹茶味(写真上・奥から2つ目)の生地には1861年創業の宇治の老舗『山政小山園』の抹茶をブレンド。黒糖味(同・手前から2つ目)は黒糖を入れることで、ほんのりと茶褐色に。クルミ(同・手前)は生地にクルミを練りこみ、あんこにもクルミを入れることで、そのコクがふわりと広がる。

イートインもOK! 店内だけで食べられる特別メニューも楽しみたい

イートインできるのも同店ならではの楽しみだ。カウンター席のすぐ目の前が厨房になるので、大塚さんが生地にあんこをはさむ作業を眺めたり、大塚さんとおしゃべりを楽しんだりと、甘党にとっては至福の時間が過ごせる。

しかも、イートイン限定のメニュー「どらやきセット(つぶあん+お好みのドリンク)」をオーダーすると、どら焼きに無料で「トッピング」をサービスしてくれる。

トッピングには、「バター(有塩と無塩の2種類からチョイス)」「生クリーム」「ラムレーズン」「チーズ」がありその中から一つを選べる。できたてのあんこの温かさによって、トッピングがいい具合に溶け、なんとも贅沢な味わいに。
取材時は「ラムレーズン」(写真上・右奥)をチョイス。手作りのラムレーズンはあんことの相性も抜群で、ラムレーズンのふわっと広がる芳醇な香りと深いコクがあんこの甘みをさらにふくよかにしてくれる。

ドリンクは店主自ら足を運んで選んだ逸品ぞろい

「どらやきセット」に付いてくるドリンクも、大塚さんが製造元まで足を運び、どら焼きとの相性を考えて吟味したものばかり。奈良にある自然・有機栽培の『月ヶ瀬健康茶園』の和紅茶やほうじ煎茶、神戸の『萩原珈琲』のコーヒーなどがそろっている。

そのなかでもオススメは、大塚さんが丁寧に点ててくれる『山政小山園』の抹茶を使った「おうす(少な目の抹茶で点てられた薄茶)」(写真下・右)。

ピンクのハート型をした可愛らしい抹茶用茶碗に思わず目を奪われるだろうが、こちらの茶碗、ただ可愛いだけではい。

もともと店名の「亥ノメ」は、大塚さんがイノシシ(亥)年生まれで、奥様がひつじ(羊)年生まれだったことから、「亥」と「メ~」という羊の鳴き声を合わせて名付けられた。また、ハート型の文様をお寺や神社などでは “猪目(いのめ:猪の目)”と呼ばれていることにもちなんで、「おうす」はハート型の茶碗で提供しているという。

茶碗は猪の目をテーマに器を作る愛知県瀬戸市の作家さんの作品で、華やかなピンク色の器がどら焼きに映え、ついつい写真に撮りたくなるほどだ。
「猪目茶碗を作られている作家さんを偶然知ったことから縁を感じ、ぜひ使わせていただきたいとご連絡しました。とても素敵な組み合わせになってうれしいです」と大塚さん。

そんな茶碗でいただく抹茶は格別。ほろ苦い風味がどらやきの甘さを引き立て、ホッと和むようなおいしさだ。

「おもたせで持っていってもらいやすいよう、朝9時からオープンしています」と大塚さん。
季節に応じて限定販売するどら焼きもあり、冬はチョコレート味が登場する予定だ。

食べると思わず笑顔になる出来立てのどら焼きを手土産に、友人宅を訪れてみては?


【メニュー】
どらやき あずき 260円
亥ノどら あずき 170円、抹茶・黒糖・くるみ 各190円
どらやきセット 710円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税込です。

どらやき 亥ノメ(いのめ)

住所
〒602-8384 京都府京都市上京区紙屋川町1038-22
営業時間
10:00〜17:00 (喫茶 12:00〜15:30)
定休日
水曜日、第2・4木曜日、毎月26日
公式サイト
https://www.instagram.com/dorayaki.inome/?hl=ja

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。