2020年もあとわずか。年末の定番料理といえば「そば」だろう。
家でそばを食べる場合、市販のめんつゆで手軽にそばつゆを作る人が多いはず。でも、より本格的な味わいを求めるなら、そばつゆ作りからこだわりたい。
では、自宅で蕎麦屋のように風味豊かなそばつゆを作るにはどうしたらよいのか。
おいしいそばつゆを作るためには、「かえし」と「だし」を合わせるとよい。
「かえし」とは、醤油、みりん、砂糖を煮詰めた調味料のこと。すぐに使わず、寝かせることでまろやかに仕上げるのがポイントだ。
「だし」となるカツオ節は、厚削りを使ってより濃厚なうまみを引き出そう。さらにサバ節を合わせて煮出すことで、蕎麦屋のような本格的な味わいのそばつゆになる。
そもそも、「めんつゆ」と「そばつゆ」はまったくの別モノ。めんつゆはだしが多めに入っており、さまざまな料理に合うように作られている。一方そばつゆは、蕎麦に最適な濃い目の味付けで、蕎麦専用のつゆだ。
■本格そばつゆを作るために守るべきポイント4つ
これから紹介する4つのポイントを押さえれば、お店のような本格的なそばつゆを作ることができる。
【point1】かえしは「寝かせて」まろやかに
醤油、みりん、砂糖を煮詰めてつくる「かえし」は、最低でもひと晩、冷蔵庫で寝かせること。寝かせることで、醤油の角が取れて味がまろやかになる。
寝かせる時には空気を遮断しないことが大事となる。密封せずに、布巾をかぶせて保管しよう。
時間がある場合は1週間ほど寝かせると、より熟成されてさらにおいしくなる。
【point2】昆布は、濃厚なうまみが出る「羅臼昆布(らうすこんぶ)」を使用
昆布には種類が色々あるが、品種によってだしの味に違いが出てくる。
北海道の羅臼町沿岸で採取される「羅臼昆布」は、コクの強さが特徴。濃厚なうまみと甘みのあるだしを取ることができ、そばつゆにぴったり。
【point3】カツオ節は、コクと風味の強い「厚削り」を使用
カツオ節は、一般的な「薄削り」ではなく「厚削り」を使うことで、コクと風味の強い濃いだしに仕上げることができる。
薄削りのカツオ節よりも長く煮る必要があるので、濃厚なだしが出るまでじっくり丁寧に煮出そう。
【point4】サバ節とカツオ節を1:1の割合で混合する
豊かな香りを出すカツオ節だが、サバ節を混ぜることで濃厚なコクと甘みを加えることができる。カツオ節とサバ節それぞれの良さを合わせ、香り豊かで濃厚な味わいのだしに仕上げよう。
■蕎麦屋のような「本格そばつゆ」
ポイントを押さえたら、実践あるのみ! レシピを見ながら丁寧に作っていこう。
■材料(作りやすい分量)
・本みりん … 40ml
・砂糖 … 40g
・醤油 … 200ml
・羅臼昆布 … 5g(約8cm)
・水 … 1,000ml
・厚削りのカツオ節 … 20g
・厚削りのサバ節 … 20g
■作り方(調理時間:45分) ※寝かす時間を除く
① <かえしを作る>鍋に本みりんを入れて弱火で熱し、フツフツしてきたら沸騰させないように1分半程煮てアルコールを飛ばす。
② 砂糖と醤油を加えて沸騰させないように弱火で5分煮詰め、85℃になったら火を止めてアクを取り、常温で冷ます。
③ 消毒した保存容器に②を入れて密封しないように上から布巾をかぶせ、冷蔵庫でひと晩寝かす。
④ <だしを作る>固く絞った布巾で昆布表面の汚れを取り、鍋に水と昆布を入れてそのまま30分置く。火をつけて弱火で熱し、沸騰直前に昆布を取り出す。
⑤ ④の鍋に厚削りのカツオ節とサバ節を加え、中火で15分煮る。火を止め、そのまま5分置く。
⑥ ザルにキッチンペーパーを敷き、⑤を漉す。(えぐみが出るので絞らないように)
⑦ ③のかえしと⑥のだしを合わせる。(※かけそばの場合は「かえし:だし」で1:8、もりそばの場合は1:3の割合)
かけそばは、丼に茹でたそばと、お好みでネギやかき揚げ、油揚げなどをトッピングする。
■保存期間の目安
かえしは密封して冷蔵庫で1カ月程度保存可能。
そばつゆは密封して冷蔵庫で3日程度保存可能。
※かえしは、そばつゆの他にも煮物やすき焼きの割り下、丼のタレなど様々な料理にも活用できるので、作り置きしておくと便利な調味料だ。
蕎麦屋のような本格そばつゆを作る方法をご紹介した。
4つのポイントを守れば、残さず飲み干したくなるほどうまみたっぷりなそばつゆを家庭で作ることができるので、ぜひ試してみてほしい。
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