プロも実践!「揚げだし豆腐」をおいしく作るためのポイント3つ
居酒屋から割烹まで、広く提供されている「揚げだし豆腐」。メニューにあるとつい注文したくなる、馴染み深き人気の一品だ。
実は、国産大豆を使った豆腐の旬は1~2月だと言われている。秋から冬の入り口にかけて収穫された大豆が、貯蔵期間を経て豆腐として出回るのがこの時期なのだとか。温かい時期ならば冷奴がおすすすめだが、寒いこの時期ならばカリふわ食感のおいしい揚げだし豆腐がオススメだ。
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基本の揚げだし豆腐の作り方に加えて、クリームチーズやカツオ節でアレンジした揚げだし豆腐も紹介する。
まずはおいしくつくる3つのポイントから押さえよう。
【point1】豆腐に塩を振る。
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豆腐の種類は、崩れにくい木綿豆腐がオススメ。カットし、それぞれ全ての面に軽く塩をまぶしておくことで、下味をつけながら、余分な水分を抜くことができる。このひと工夫で、重石をする手間も省ける。浸けおく時間は15分ほどが目安だ。
【point2】薄力粉と片栗粉は、1:1の割合で。
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衣となる粉は薄力粉と片栗粉、これらをバランスよく混ぜることでおいしそうなきつね色、かつ厚みのあるカリふわな衣ができあがる。小麦粉だけでは薄い衣になりやすく、片栗粉だけだと硬い衣になりやすいので、「1:1」のバランスが理想。
【point3】豆腐は小さめにカットし、短時間で揚げる
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豆腐は小さめにカットするとよい。大きすぎると衣のカリカリ感が損なわれ、小さすぎると豆腐自体の水分が失われてしまう。豆腐一丁(約300g)を6等分した程度のサイズが目安。
【1】外はカリカリッ!中はふわふわ!「基本の揚げだし豆腐」
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カリッと芳ばしく揚げた衣に包まれた、ふわふわ熱々の豆腐。こんがり揚がった豆腐に、あんをかけて薬味をのせたら完成だ。表面がカリッカリのうちに召し上がれ。
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■材料(2人分)
・木綿豆腐 … 1丁(約300g)
・塩 … 適量
・大根 … 10cm
・小ネギ … 3本
・薄力粉 … 20g
・片栗粉 … 20g
・揚げ油 … 適量
・濃いめのだし … 200ml ※水200mlに対して顆粒和風だし小さじ2/3が目安
・みりん … 大さじ2
・醤油 … 大さじ2
・[A]片栗粉 … 大さじ1
・[A]水 … 大さじ1
■作り方(調理時間:30分)
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① 木綿豆腐は6等分に切りバットに並べ、それぞれ全ての面に軽く塩をまぶし、15分おく。
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② 大根はすりおろして、小ネギは小口切りにする。
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③ 薄力粉をふるい、片栗粉と混ぜ合わせたものをバットに入れる。①の豆腐の水気をキッチンペーパーで拭き取りバットに入れ、豆腐の全面に粉をまんべんなくつける。
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④ 鍋に揚げ油を入れ180℃に熱し、③をこんがりと揚げていく。(※180℃の目安は、菜箸を入れたときにシュワシュワと細かい泡が出る程度)
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⑤ 別の鍋に、だしとみりんを入れて中火にかける。フツフツと沸騰してきたら醤油を加えてひと煮立ちさせる。
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⑥ Aを合わせて水溶き片栗粉を作り、⑤に加える。この際、⑤はたえず木べらで混ぜ合わせるようにする。
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⑦ 器に④の揚げだし豆腐を盛り、器のふちから⑥を注ぎ入れる。すりおろした大根をのせ、小ネギをちらす。
【2】こっくり濃厚!「クリームチーズ入り揚げだし豆腐」
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豆腐の間にクリームチーズを挟んで作ると、揚げだし豆腐にこっくり濃厚なうまみが加わり、ビールにぴったりのおつまみに変身。
仕上げにレモンをのせることで彩りがよくなるだけでなく、爽やかな柑橘の風味が加わってあと味もよい。隠し味のハチミツは、全体の味を底上げしてくれる重要な役割をもつのでお忘れなく。
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■材料(2人分)
・木綿豆腐 … 1丁(約300g)
・クリームチーズ … 60g
・塩 … 適量
・薄力粉 … 25g
・片栗粉 … 25g
・揚げ油 … 適量
・だし汁 … 150ml
・ハチミツ … 小さじ1/2
・塩 … 小さじ1/4
・醤油 … 小さじ1
・[A]片栗粉 … 小さじ1
・[A]水 … 小さじ2
・レモンの皮(千切り) … 適量 ※ワックス・防腐剤・防カビ剤不使用のものを推奨
■作り方(調理時間:40分)
① 木綿豆腐は6等分に切り、さらに厚さを半分にする。それぞれ全ての面に軽く塩をまぶし15分置き、キッチンペーパーで水気を拭き取る。クリームチーズは、縦横の長さを豆腐と同じにして薄切りしたものを6個作る。
② 薄力粉をふるい、片栗粉と混ぜ合わせたものをバットに入れる。①の豆腐の厚さを半分にカットした面を下にしてバットに入れ、薄く粉をつける。
③ 鍋に揚げ油を入れ170℃に熱しておく。揚げる直前に、豆腐2切れの粉をつけた面でクリームチーズを挟み、全体に粉をまぶして鍋に入れる。クリームチーズに色がついてきたらバットに取り出す。
④ 別の鍋にだし汁とハチミツ、塩を入れ中火にかける。フツフツしてきたら醤油を入れ、Aで水溶き片栗粉を作り、木べらで混ぜながらとろみをつける。
⑤ 器に③を盛り、④を器のふちから注ぎ入れ、レモンの皮をのせる。
【3】風味と香ばしさがぐんとアップ!「カツオ節の揚げだし豆腐」
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冷奴の上に乗っている定番の食材「カツオ節」。もちろん揚げだし豆腐にも好相性だ。ただし、今回のレシピではカツオ節は上にのせるわけではない。カツオ節を衣にしていただく揚げだし豆腐なのだ。カツオ節独特の上品な魚の香りに、揚げだし豆腐の衣の芳ばしさは、抜群のマッチングだ。
生姜をのせ、最後にお好みの青菜のおひたしを添えると美しい色合いになるだけでなく、青菜の香りとあいまってどんなお酒にも合うおつまみになる。
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■材料(2人分)
・木綿豆腐 … 1丁(約300g)
・塩 … 適量
・薄力粉 … 20g
・片栗粉 … 20g
・卵白 … 1個分
・カツオ節 … 10g
・濃いめのだし … 200ml
・みりん … 大さじ2
・醤油 … 大さじ2
・揚げ油 … 適量
・[A]片栗粉 … 大さじ1
・[A]水 … 大さじ1
・おろし生姜 … 適量
・茹でほうれん草や、菜の花など … 適量(お好み)
■作り方(調理時間:35分)
① 木綿豆腐は6等分の大きさに切りバットに並べる。それぞれ全ての面に軽く塩をまぶし、15分おく。
② 別のバットに薄力粉をふるい、片栗粉と混ぜ合わせる。①の豆腐の水気をキッチンペーパーで拭き取りバットに入れ、豆腐の全面に粉をまんべんなくつける。
③ 卵白をボウルに入れ、泡立て器などでよくときほぐす。別のバットにカツオ節を入れる。
④ ②の豆腐を③の卵白にくぐらせ、カツオ節を全体にまぶす。
⑤ 鍋に揚げ油を入れ170℃に熱し、④がカリッとするまで揚げ、バットにとる。
⑥ 別の鍋に、だしとみりんを入れて中火にかけ、フツフツと沸騰してきたら、醤油を加えひと煮立ちさせる。
⑦ Aを合わせて水溶き片栗粉を作り、木べらで混ぜながら加え、とろみをつける。
⑧ 器に⑤を盛り、器のふちから⑦を注ぎ入れ、おろし生姜をのせる。お好みで茹でたほうれん草や菜の花などの色味を添える。
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冬が旬の豆腐を使った揚げだし豆腐のレシピに加え、アレンジレシピ2つを紹介した。カリッとした衣の中からふわふわの豆腐があらわれ、舌の上にのるこっくりとした大豆のうまみは、この季節ならではのおいしさだ。ぜひ試してみてほしい。
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【レシピ制作・撮影】
フードクリエイティブファクトリー
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