コーヒーとチーズを味わう新感覚の喫茶店
チーズを使った軽食やつまみ、さらに、コーヒーやアルコールを昭和レトロな雰囲気のなかで楽しめる、新感覚のカフェ&バーが、2018年8月東京・高円寺に誕生。その名も『チーズ喫茶 吾輩は山羊である』。8月〜1月まではプレオープン期間にも関わらず、チーズ好きや喫茶店好きの客が集まり、密かに話題となっている。
一度聞いただけで覚えてしまう店名『チーズ喫茶 吾輩は山羊である』。山羊チーズを提供する店かと思いきや、名付け親のオーナー・松田洋輔さん(写真下)によれば、次のような発想から辿りついた名前だという。
「コーヒーを発見したとされるエチオピアのカルディ少年は、もともと山羊使いだったと言われています。そして諸説ありますが、チーズの発祥は、中近東あたりで偶然のもと誕生した山羊チーズという説も。これらの歴史を顧(かえり)みた結果、コーヒーとチーズに共通するのが”山羊”だったわけです」
松田さんはもともと、昨今のチーズブームを牽引してきた東京・池袋と南青山にあるチーズレストラン『DAIGOMI(ダイゴミ)』を立ち上げた人物。『DAIGOMI』は多彩なチーズをさまざまな角度から楽しめるとあり、予約が殺到する人気レストラン。
そんな松田さんが喫茶スタイルのチーズ専門店を出店したのは、よりカジュアルにチーズに親しんで欲しいとの想いから。コーヒー1杯の利用から軽食利用、そして夜は食事はもちろん、ごはんを食べた後に訪れるバーとして、シーンを問わずさまざまな使い方ができる喫茶業態にすることで、入りやすい店を完成させチーズの魅力を発信していく。
国産を主力に20種類のチーズを用意!
「国内には北海道から沖縄まで、各所にチーズ工房があります。ただ、牧場のお土産用のチーズとして販売されることが多く、飲食店に並ぶことは少ない。そこに行かないと食べられないチーズを一人でも多くの人に知ってほしいと、国産のチーズを主に扱っています」(松田さん)
チーズは国産を中心に、20種類以上を常備。全国30~40のチーズ工房とのつながりを活かし、そのときしか入らない品種なども不定期で用意する。
「チーズ珈琲」ってどんな味!?
まずはここでしか味わえない一押しのドリンク「チーズ珈琲」を見ていこう。
デンマークやスイスの田舎では、ブラックコーヒーにチーズを入れて飲む文化があるという。しかし、それではクセが強過ぎるため、同店ではカフェラテにアレンジ。ミルクにチーズを溶かし込むことで、コーヒーにチーズのコクをプラスした味づくりをしている。
チーズ珈琲は「クリームフロマージュラテ」(写真上)「ゴルゴンラテ」「チェダーラテ」の3種類を用意。
「クリームフロマージュラテ」は、通常のカフェラテよりもミルクのコクが主張する味わいに。一方の「ゴルゴンラテ」は、青カビ特有のクセがあるが、飲んだ後の余韻で青カビの風味が楽しめる。最もクセが強いのが「チェダーラテ」で、塩気や油分があるためバターコーヒーのようなどっしりとした味わいが特徴だ。
コーヒー豆はチーズの風味を活かすために、香りが落ち着いていてコクがあるタイプを使用。また、牛乳はコクや甘みが主張しすぎないタイプをセレクトする。
専門店ならではのチーズ尽くしのパンも絶品!
お腹が空いたときに立ち寄って食べたいのが「チーズ喫茶のチーズトースト」(写真上)。喫茶店のチーズトーストとは見た目も異なり、バンズでチーズをサンドするスタイル。
さすがチーズ専門店だけあって、チーズの使い方も豪華だ。パルメザンやコルビージャック、フレッシュモッツァレラ、レッドチェダー、モントレージャックなど7種類ものチーズをたっぷりと使う。
「口に持っていったときの香りのインパクトを持たせるため、バンズの表面にレッドチェダーとパルメザンを使います。その他のチーズも、飲み込んだ後の余韻が楽しめるよう、クセが少なく、コクの強いものを中心に選びました」(松田さん)
サンドするのはチーズだけでなく、モルネソース(ベシャメルソースにチーズや卵黄を加えたソースの一種)とベーコンでカルボナーラのような味わいに。ボリューム感もありながら、食べ歩きできるサイズも嬉しい。
赤ワインに合うプリン!?
喫茶店のスイーツも見逃せない。「チーズ喫茶のカスタードプリン」(写真下)は、女性のみならず男性をも虜にしてしまう一品だ。
こちらはレッドチェダーを使った焼きプリンのため、生地はしっかり硬め。甘さは控えめでチーズのコクと塩気を感じられる、お酒と一緒に楽しみたい味わいだ。
「昼にコーヒーと合わせてもよし、夜中にワインと合わせてもよしと、いろんな時間に食べてほしいと考えた味わいです。特に樽熟成の赤ワインとの相性がよく、赤ワインの芳醇な香りを高めてくれますね」と松田さん。
チーズとワインの定番コンビの一歩先をいく「チーズのプリン×赤ワイン」。この組み合わせを押さえておけば、ツウの仲間入りだ。
ノスタルジーな雰囲気漂う空間でチーズの多彩な楽しみ方を体感
店内は1階のカウンターと2階のテーブル席で構成。特に2階のテーブルと椅子は、閉店した喫茶店から譲ってもらったもので、新しい店にどこかノスタルジーな雰囲気を漂わせる。
2階の各テーブルには、カスタネットやトライアングルなどの楽器を用意。この呼び鈴代わりのアイテムも、訪れたお客を楽しい気分にさせてくれる。
▲レトロな雰囲気漂う2階席の様子
「このお店を開いたきっかけは、国産チーズを広めたいとの想いからです。まずはこのお店から始まり、今後はテイクアウト専門店や移動販売などで、国産チーズをたくさんの人に知ってほしいと考えています。
直近では、日本酒とチーズ、ジントニックと山羊チーズといったペアリング提案を行う予定です。夏までにはチーズを使ったソフトクリームで、おもしろいことを考えてもいます!」と松田さんは今後の展望を楽しそうに話してくれた。
▲1階の様子。店主と会話が楽しめるカウンターは7席を用意
普段チーズが食べたいと思っても、なかなか少量買いできるところが少ない。一方でこのお店ではチーズを使った軽食やつまみだけでなく、チーズ単品をおつまみ感覚でも提供してくれる。さらに、チーズコーディネーターの資格を持つ松田さんが、チーズの知識を教えてくれるため、勉強の場としても訪れたい。どの時間帯でも楽しめる喫茶店で、チーズの世界に酔いしれてみては。
【メニュー】
クリームフロマージュラテ 550円
ゴルゴンラテ 550円
チェダーラテ 550円
チーズ喫茶のチーズトースト 680円
チーズ喫茶のカスタードプリン 480円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税込です
チーズ喫茶 吾輩は山羊である
- 電話番号
- 03-5364-9357
- 営業時間
- 12:00〜翌2:00、水曜のみ18:00〜翌2:00
- 定休日
- 火曜日
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。