ブリの旬は、12~2月頃。この時期に獲れるブリは「寒ブリ」と呼ばれ、1年のうちで最も身が締まっていて脂ものっている。
ブリは、脳の働きをよくするといわれるDHAや、血液をサラサラにするのを助ける働きが期待できるEPAの他、美肌づくりをサポートするとされるビタミンB群やビタミンEなど、女性に嬉しい栄養素が含まれる食材。
ブリ大根や照り焼きなど、和食のイメージが強いが、洋風アレンジでもおいしく食べられる。
今回は、旬のブリの食感をダイレクトに味わえるカルパッチョや、うまみたっぷりのアクアパッツァ、まろやかでコクのあるクリーム煮など、簡単に作れる洋風レシピを3品ご紹介。
ブリの臭みをとるには?
生でブリを使う時は臭みが気になるところだが、ある調味料を使えば簡単に臭みを取ることができる。
それはズバリ「醤油」。生のブリをスライスしてから、少量の醤油をかけてなじませておくと臭みが気にならなくなるのだ。
また、ブリを煮過ぎるとパサパサで固くなってしまうので、加熱時間は5分程度を目安としよう。
爽やかなソースが脂ののったブリと好相性「ブリのカルパッチョ」
旬のブリは、キュッと締まった身と脂のノリの良さが特徴。旬ならではのおいしさをダイレクトに味わえる洋風アレンジが、ブリの刺身を使ったカルパッチョだ。
ラディッシュを添えると華やかさがアップし、おもてなしにもぴったりの一品に。
材料(2人分)
・ラディッシュ … 3個
・パセリ … 5g
・ブリの刺身(サク) … 150g
・醤油 … 小さじ1/2
・[A]塩 … 小さじ1/5
・[A]黒コショウ(粗挽き) … 小さじ1/2
・[A]粒マスタード(なければマスタード) … 小さじ1/2
・[A]レモン汁 … 大さじ1/2
・エクストラバージンオリーブオイル … 大さじ2
作り方(調理時間:10分)
① ラディッシュは薄切りにする。パセリはみじん切りにする。ブリは3~4mmの薄切りにしてバットに重ならないように並べる。
② ブリに醤油をまんべんなく回しかけ、指先で表面を軽く叩いたら、裏返してもう片面も同様に軽く叩き、ラップをして食べる直前まで冷蔵庫に入れておく。
③ 器にAを入れてよく混ぜ、エクストラバージンオリーブオイルを加えて、トロッとするまでさらに混ぜる。
④ ②の水気をキッチンペーパーで拭いて器に盛り、ラディッシュをのせ③を回しかけてパセリを散らす。
魚介とトマトのうまみが引き立つ「ブリのアクアパッツァ」
続いて紹介するのは、ブリの切り身で作る「ブリのアクアパッツァ」のレシピ。
アサリやトマトなどを白ワインで煮てうまみを引き出したアクアパッツァは、ブリとの相性も抜群。一見手間がかかるように見えるが、煮込むだけなので意外と簡単。身が固くならないように煮過ぎないのがポイントだ。
材料(2人分)
・ミニトマト … 6個
・イタリアンパセリ … 10g
・ニンニク … 1かけ
・ブリの切り身 … 2切れ
・塩 … 少々
・アサリ(※砂抜きしたもの) … 10個
・黒オリーブ … 6個
・水 … 100ml
・白ワイン … 30ml
・塩 … 適量
・コショウ … 適量
・エクストラバージンオリーブオイル … 大さじ1
※アサリの砂抜き方法と、うまみをアップさせるテクニックはこちらをチェック!
作り方(調理時間:20分)
① ミニトマトはヘタを取る。イタリアンパセリは粗みじんに切る。ニンニクは潰す。ブリの切り身は両面に塩を少々振って5分ほど置き、キッチンペーパーで水分を拭き取る。
② 厚手の鍋に水、ブリ、アサリ、黒オリーブ、ミニトマト、ニンニク、白ワインを入れて蓋をし、中火で熱する。沸騰したら弱火にし、5分煮てアサリの殻が開き、ブリに火が通ったら火を止める。
③ ニンニクを取り出し、塩、コショウで味を調えて器に盛る。エクストラバージンオリーブオイルを回しかけ、イタリアンパセリを散らす。
濃厚クリームにレモンの酸味がアクセント!「ブリのレモンクリーム煮」
最後に紹介するのは、ブリの切り身で手軽にできる「ブリのレモンクリーム煮」のレシピ。
煮物は和風だけでなく、クリーム煮にして洋風にアレンジするのもおすすめ。レモン果汁を加えることで、酸味のアクセントが加わりクリームのまろやかさも引き立つ。
材料(2人分)
・レモン(防腐剤、ワックス不使用のもの) … 1個
・タマネギ … 1/2個
・アスパラガス … 3本
・ブリの切り身 … 2切れ
・醤油 … 小さじ1/2
・オリーブオイル … 小さじ1
・小麦粉 … 小さじ2
・顆粒コンソメ … 小さじ1
・水 … 150ml
・生クリーム … 100ml
・クレソン(飾り用・お好みで) … 2〜3本
作り方(調理時間:20分)
① レモンは半分を薄くスライスし、残りの半分は果汁を搾る。タマネギは薄切りにする。アスパラガスは根元の硬い部分を1cmほど切り落とし、残りの部分を下から1/4の長さまでピーラーで薄く皮をむき、4cmの長さの斜め切りにする。
② ブリはバットに入れ、醤油を回しかけて軽く揉み込み5分置く。その間にフライパンにオリーブオイルとタマネギを入れ中火で熱し、タマネギがしんなりするまで炒めて取り出す。
③ ブリの水気をキッチンペーパーで拭き取り、小麦粉を薄くまぶして、②のフライパンで中火で熱し、ブリの表面の色が変わったら、もう片面も同様に焼く。
④ ③に水とコンソメ、タマネギ、アスパラガスを加え、蓋をして時々混ぜながら中火で4分煮る。生クリームを加えて、沸騰させないようにしながら、とろみがつくまでさらに2分ほど煮る。
⑤ レモン汁小さじ1/2を加え、塩、コショウ(分量外)で味を調えて器に盛り、レモンのスライスをのせ、お好みでクレソンを添える。
旬のブリを使った洋風アレンジレシピをご紹介した。
脂がのった最高においしいブリは、和食だけでなく、お洒落で華やかな洋風アレンジにもぴったり。
生でブリを使う場合は、冒頭でご紹介した方法で臭みを取れば手軽においしくいただけるので、ぜひ試してみてほしい。
【レシピ制作者プロフィール】
料理研究家/調理師 滝野千鶴
東京生まれ。物心ついたときからの料理好きで、料理をする母親をみて調理のコツを学び、独学で調理師の免許を取得。 その後、料理教室でフランス料理、イタリア料理などを学ぶ。また、子供が食物アレルギーを持っているため、子供の体質改善を目指して発酵料理についても学ぶ。
「大切な人にほっとしてもらえる料理」をモットーに、現在は食のコンテンツ企画制作会社フードクリエイティブファクトリーでレシピ開発や執筆を行っている。
【調理・撮影】
フードクリエイティブファクトリー
「あなたとあなたの大切な人との暮らしをもっと穏やかで創造的に」を企業理念とする食のクリエイティブに特化した企画制作チーム。
食の企画、レシピ・商品開発、執筆、メディア出演、
イベントなどを手がけています。
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