話題の再開発エリア・インダストリーシティに『ジャパンビレッジ』がオープン
ブルックリンに2018年11月末、日本食専門店とフードホールの複合施設『Japan Village(ジャパンビレッジ)』がオープンした。場所は、ブルックリン南部のサンセットパークにある再開発プロジェクト「インダストリーシティ」。巨大なビル群が並び、訪れる人が急増しているエリアだ。『ジャパンビレッジ』はその一角にできた。現時点での広さは1,800平方メートル強。しかし今後、さらに規模を拡大していく予定だ。
『ジャパンビレッジ』の仕掛け人は、「インダストリーシティ」開発部門のディレクター、ジム・ソモサ氏。ソモサ氏は何度も日本に行ったことがあるほどの大の日本ファンだ。以前はマンハッタンのアッパーイーストサイドにある老舗日本食料品店『片桐』の近くに住んでいて、しょっちゅう買い物に行っていたという。
そのソモサ氏が7~8年前にブルックリンに引っ越した時、ブルックリンには日本食料品店がないことに気がついた。ソモサ氏は、「日本食はエキゾチックでヘルシーだし、アメリカ人はみんな日本のカルチャーに興味がある。いつかブルックリンにも日本食料品店を出したい」と思うようになったという。
地元の日本食料品店とパートナーシップ
ソモサ氏の計画はますます本格化。複数の日本食料品店に一緒にやらないかと持ち掛けたところ、マンハッタンで3店舗を展開しレストランも経営もしている『Sunrise Mart(サンライズマート)』が快諾。
『サンライズマート』は、2019年春頃には『ジャパンレッジ』内に、同スーパーに加え、堀こたつ風の座席を備えたレストラン『輪久和久(わくわく)』をオープンする予定だ。さらに、同施設に隣接したビルの2階を使って、日本の化粧品や紙製品、お茶などの売り場を同年春以降にオープンする計画が進んでいる。全部完成したら、日本の食と雑貨を集結した一大エンポリアム(商業施設)が誕生することになるのだ。
オープン時に来店したお客は90%がアジア人
『ジャパンビレッジ』オープン当日は、大変な人出で大混雑した。ソモサ氏によると、お客の90%はアジア人で、そのうち90%が日本人だったという。
ソモサ氏は、「それでいい」と断言する。「日本人が多く来ていることは、オーセンティック(本物)であることを意味し、オーセンティックであることは非常に重要」というのが、ソモサ氏の考えだ。
フードホールでは、ボリュームのあるフードが人気
『ジャパンビレッジ』の約半分は日本食料品を売る『サンライズマート』で、残りのスペースはフードホールになっている。
今一番人気があるのはラーメン。やはりラーメン人気は根強い。
日本の国内外に数十店舗を展開するラーメン店『せたが屋』で特に人気があるのは黒ニンニクの入った「黒マー油ラーメン」(写真上)。同店では富士山のように中央にパルメザンチーズを盛ったラーメンも出しているが、とりわけアメリカ人を狙ったメニューより、正統派ラーメンの方が好まれるようだ。黒ニンニクがいかにも健康によさそう、というのも「黒マー油ラーメン」の人気の理由かもしれない。
うどんとそばの店『五平』も人気。どちらかというとうどんの人気が高く、中でも「海老天ぷらうどん」(写真上)が好まれている。腹持ちがよさそうに見えることが人気の理由という。
カレーも人気が高い。丼物やカレーを出している『盛屋(もりや)』では、「ポークカツカレー」(写真上)が一番の売れ筋。やはり、ボリュームがあることがオーダーにつながっているようだ。
近隣店舗へもたらす相乗効果に期待
『ジャパンレッジ』の建つ「インダストリーシティ」の中には、NY初の日本酒醸造所『Brooklyn Kura(ブルックリン・クラ)』がある。『ジャパンビレッジ』がオープンしてから顕著に、『ブルックリン・クラ』の来店者数も増えたという。
今後の『ジャパンレッジ』のさらなる発展で、相乗効果がどこまで波及していくかが、注目されている。
【メニュー】
Black Garlic Tonkotsu (黒マー油ラーメン) $15.00
Ebi-Tempura Udon(海老天ぷらうどん) $15.00
Pork Katsu Curry(ポークカツカレー) $10.00
Japan Village(ジャパンビレッジ)
- 電話番号
- 347-584-4579
- 営業時間
- (フードホール)日曜11:00~20:00、月曜~木曜12:00~20:00、金曜12:00~21:00、土曜11:00~21:00
- 定休日
- 無休
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※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。