どうも、餃子大好きの料理芸人のクック井上。です!
「住みたい街ランキング」では毎回上位の中目黒。どこもかしこも、お洒落なお店ばかり。うん、確かに住みたくなります。しか~し、たまには肩の力を抜きたくなりません?
あるんです、ホッと落ち着く古き良きお店が。中目黒で30年以上も愛される町中華が。そのお店、単なる老舗町中華じゃございません。あのミュージカル俳優や、子だくさんで有名な某俳優さんも、こよなく愛するお店なんです。そして、ここの餃子が絶品!
さぁ、行きましょう。お洒落タウン、中目黒上級者に30年以上愛される、老舗町中華の旅へ。
東京・中目黒で30年以上続く町中華『宝来』
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というわけで、コチラがそのお店。東急東横線・東京メトロ日比谷線「中目黒駅」から徒歩約5分の『中華 味の宝来(ほうらい)』。
この地には1984(昭和59)年にオープンした老舗店。それまでは恵比寿で10年ほど営業していたそうです。
(1984年の10年前から営業していたということは…、1974年あたりの創業? おっ、45歳の僕とほぼ同い年じゃないですか。)
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元々は、現在の店主・篠田順子さんのお父様が創業。
「昔は店を継ぐつもりはありませんでした。学生の頃は犬の美容師の専門学校に通っていましたし、社会人になってからは出版社などで働いていました。」と順子さん。
しかし、実家に帰ってきたのを機に、お店を手伝うようになり、お父様のあとに店主を務めていたお母様が昨年、他界…。
お店の灯を消さないよう、順子さんが店を引き継いだんですって。
色々、お話しをお伺いしたいですが、それはまた追々。
店内は、カウンター席とテーブル席に加え、小上がり(写真下)もあり。
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郊外なら結構ありますが、都内の中心部でこういう作りの町中華、レアですよね。
落ち着くし、団体での利用ができるのが嬉しいところです。
そして圧巻なのが、壁に貼られたメニューの多さ。1、2、3、4…、ざっと数えただけでも100種類以上あるじゃないすかー!
「父の時はもっとありました。」と順子さん。凄いっ!
僕の大好きな餃子は「焼き餃子」「水餃子」「揚餃子」「湯餃子」の4種類もありますよー。うひょひょー!
色々迷っちゃいますが、まずは定番の焼き餃子をいただきましょう!
キャベツの部位にもこだわった絶品「焼き餃子」
すいませーん、焼き餃子1枚! と焼けるまでに、餃子の事を根掘り葉掘り聞いちゃいましょう。
おっ、厨房奥に上下でバッサリ分けられたキャベツを発見。これは何かありそう。
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ということで聞いてみたところ、キャベツにはこだわりがあって、餃子にはキャベツの下部分のみを使うんですって。
下の部分は、芯に近くてシャキっとした歯ごたえ。だから餃子にマッチするというわけ。一方、上の葉の部分は回鍋肉(ホイコーロー)などに、手でちぎって使うそう。
そうそう、キャベツにもお肉や魚と同じで、部位があるんですよね。そして、お料理ごとに部位を使い分ける。もちろん、その部位と特徴を活かすように。
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包む前の餃子の餡を見せてもらったのですが、非常にきめ細かい。
キャベツを細かく刻み、手ぬぐいで絞って水分を取ってるんですって。なるほど、食感の良い部位の魅力を、更に引き出す作戦ですね!
「この工程は地獄ですね(笑)」と、順子さん。
門外不出の餃子の仕込み作業は、順子さんしかできないのだとか。
わぁ、なんとお一人で!?
お疲れさまです。そう、餃子作りって力仕事。体力的に大変だとは思いますが、おいしい餃子のためにがんばってください!
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さぁ、歴史と体力が生み出した餃子の餡を、やや大判の皮で一つひとつ丁寧に包んでいきます。まずは、多めの餡を皮に置き、ひだを作りながら、余計な餡を押し出すようにギュッギュッと包んでいきます。
すると、皮パンパンに餡が詰まった餃子が出来あがるって訳。お見事!
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そして鉄板でしっかり焼き目をつけて……。
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はぁー…、なんですか、この焼き目は。もうため息とよだれしか出ませんやん。
焼き面以外の白い皮の部分からは、キャベツ・ニラ・ネギの緑色が透き通って見え、めっちゃセクシー!
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くぅー、さっそく、いっただきまーす!
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焼き目はサクっとした独特な食感。野菜多めの餡にはニンニクもたっぷり、ショウガの香りも…
あかん! めっちゃビールに合う餃子です。
「前に、ショウガたっぷりの餃子が流行した時に、うちでもニンニクを減らしてショウガの量を増やしたんですが…。やはり元々の配合に戻しました。」と順子さん。
時代によって、紆余曲折あったけど、お父様の味が完成形だったんですね。
元々の味、今の配合がいいです、順子さん。ビールとの相性、抜群。いや、もはやビール泥棒ですよ!
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ちなみに、月曜~土曜の17時30分~19時までの間は、タイムサービスとして「生ビール+餃子」のセットが980円でお得!
会社帰りに速攻で『宝来』に向かえば、ビールと自慢の自家製餃子で、ご機嫌センベロ町中華ってわけ。(そしてサワーも安い!)
また、焼酎のボトルキープも行なっております。もちろん、氷代や割物は別途お金がかかりますが、それにしてもお得過ぎでしょ!
さらに、累計10本キープすると、次の1本は無料でもらえるというサービス付きですってよ。
大勢でボトルキープ→ちょいと寄って飲んでまたボトルキープ→いつの間にか10本→1本無料(よしっ笑)
中目黒にあって、居酒屋感覚で使える町中華はありがたいですね!
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あっ、お酒の話ばっかりしてしまいましたが、ご飯との相性も抜群な餃子。酢醤油を少し多めにつけて、ご飯にワンバンさせてから餃子をパクっと行ってください。めちゃ美味ですから。
っていうか、餃子もおいしいけど、一粒一粒たった、ツヤツヤのご飯が凄い!
新潟県魚沼から産地直送のコシヒカリを使用しているんです。ブレンドされていない、純粋な魚沼産コシヒカリは、そんじょそこらのご飯とは、味わいが全然違います。
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白米を頼むとセットで付いてくる「ぬか漬けとスープ」(写真上)も箸休めにGOOD!
こういう、味わい深いぬか漬けが出てくるお店、貴重です。
ちなみに『宝来』では、テイクアウトもありますよ。(ただし、お店の混雑状況によっては対応できない場合もありますのでご注意を。)
もし持ち帰りするなら、「揚餃子」はいかがですか?
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餃子の中身は同じですが、揚げていることで持ち運びしやすいですし、時間が経っても味わいが変わりにくくておすすめです。
桜が咲く頃に、目黒川をお散歩しながらひとつまみ。一品持ち寄りのお花見に持参していくのもいいかも。
ぜひ食べておきたい! 人気メニューの「モヤシソバ」
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さて、お目当ての餃子を紹介しましたが、先ほどもお伝えした通り『宝来』は、提供メニューが100種類以上。そんな中でも、一番人気かもしれない一品をご紹介。
ランチにもよし、飲んだシメにもよしの「モヤシソバ」です!
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なみなみと注がれたスープとたっぷりの野菜がうれしい!
モヤシだけでなく、ニンジン、ホウレンソウを使っているから栄養的にも良さそうですよね。噛んだ時に、フーッと香る、ホウレンソウがいい仕事をしています。
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野菜は、一度炒めて餡かけにしているので、いつまでもスープが冷めずにアツアツ。
少し甘めの餡かけが醤油ベースのスープと混ざり合うと、誰もが笑顔になる優しい味わいに。たまりません。
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麺は細ちぢれ麺で、野菜や餡かけともしっかり絡みます。ボリュームもたっぷりなのでランチにはもってこいだし、飲んだ後でも、野菜のおかげでペロッといけちゃう、罪なやつです。
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ここでオススメの食べ方講座。ある程度食べたら、調味料で味変するべし! お酢やラー油をかけて味変する方が多いそうですが、僕は、お酢+コショウをたっぷり入れるのが好きです。
各調味料を直接スープにかけると、味がそれだけになってしまうので、いろんな味を試したい方は、れんげの中に調味料を加えてみてもいいかも。れんげに小さい世界を作るイメージかな。
あっ、こだわりが強くてすいません(汗)
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▲最後は、店主の順子さんとパシャリ!
「餃子」も「モヤシソバ」も、おいしい上にボリューム満点で大満足!
中目黒は、雑誌から飛び出したようなお洒落なお店ばかりかと思ったら大間違いで、実は懐の深い街なのです。その懐の奥の奥の奥、それが、30年以上の歴史を誇る町中華『宝来』。
あのミュージカル俳優や、子だくさんで有名な某俳優さんもこよなく愛している理由は、味だけではなく、老舗町中華としての佇まいの中に、定食屋のような馴染みやすさや、居酒屋のような居心地の良さ、実家のようなあったかさにもあると思います。
(あっ、“あのミュージカル俳優”や“子だくさんで有名な某俳優さん”はここでは誰とは書けませんが、店内のポスターでピンとくるかもしれません)
時代に応じて、新しいお店やお洒落なお店ができては消え、できては消える大都会・東京。
ですが、『宝来』の歴史は目黒川の流れの如く、この街にこれからもずっとずっと流れ続けて欲しい。そう思わずにはいられません。
ホッと落ち着く古き良きお店、それがその街の本流、主流だと、僕は思います。
撮影:佐々木雅久
【メニュー】
餃子(6個) 550円
揚餃子 700円
モヤシソバ 780円
白飯 250円
ビール(大瓶) 880円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税込です。
宝来
- 電話番号
- 03-3791-7057
- 営業時間
- 月~土曜 11:30~14:30・17:30~22:30(L.O.21:30)、日曜 11:30~21:00
- 定休日
- 水曜、祝日
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
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