吉田うどん専門店『月見里』が東京にオープン!
山梨県富士吉田市を発祥とする「吉田うどん」をご存知だろうか? 太くて固い麺が特徴のご当地うどんだ。そんな吉田うどんを食べられる店が東京に出現した。
それが板橋区の遊座大山商店街に店を構える『吉田のうどん 月見里(つきみさと)』だ。「月見里」は“やまなし”という読み方もあり、『月見里』の本店はその名の通り山梨県内にある。
同じく山梨出身のオーナー・山本健一さんがご当地の食文化を全国に発信したいという想いから、2018年12月に東京進出を果たしたのだ。
吉田うどんは麺の太さと噛みごたえが命! 『月見里』のおいしさのポイントは?
「吉田うどん」を初めて食べる人が驚くのは、やはり麺の太さとその噛みごたえだろう。第一印象を決める麺は、吉田うどんにおいて一番大事だといってもいい。
『月見里』では麺を山梨の本店で手打ちして一晩寝かせ、毎日東京店に直送している。悪天候などで配達ができない場合は、いさぎよく休業する。山梨の本店で製麺する理由は製麺技術を持つ人が限られているためだが、何より、麺作りに富士山麓の水が欠かせないからなのである。
「当然ですが、うどんは水質で仕上がりが異なります。東京の水がぬるく感じるくらい、山梨の水は冷たくしゃきっとしており、その水質こそ『月見里』の吉田うどんのおいしさの秘訣でもあります。また一番難しいのは塩加減で、その日の温度や湿度によって配合を調整できるノウハウがあることも『月見里』の特徴でもあります」と山本さんは力説する。
噛めば噛むほど小麦の甘さが口に広がる「吉田うどん」!
では早速、定番メニューの「かけうどん 肉きつね」(写真上)を食べてみよう。今回はここにわかめをトッピング。コシの強い「讃岐うどん」に比べて見た目にも明らかに太い麺は、もちっとして固い。しかしこの固さのおかげで、噛めば噛むほど小麦の甘さが口に広がる。
余韻が残ることを目指しているというつゆは、毎日東京で、千葉県九十九里の煮干しと北海道の日高昆布でだしをとる。吉田うどんといえば味噌も思い浮かべるが、『月見里』では味付けに醤油を使う。
さらにつゆの余韻を引き立てるのが、上に乗る甘辛い味付けの豚肉だ。現地では馬肉を使うことも多いが、『月見里』では脂の甘みと肉質にこだわった山梨県のブランド豚「甲州乳酸菌豚クリスタルポーク」を使用。つゆに溶け出したこの脂が、うどんに奥深いコクを加えている。
麺そのものを味わいたい人におすすめしたいのが「つけ麺」(写真上)だ。こちらは吉田うどんの定番具材のひとつ「肉きんぴら」が乗っている。
つけ麺のつゆに麺を少しだけ付けて食べると、麺の小麦の甘さがより感じられる。
鳥もつや野沢菜炒めなど郷土のおつまみメニューも!
うどんを食べるだけではなく、居酒屋としても利用してほしいと、おつまみメニューやアルコール類を豊富に揃えているのも『月見里』の特徴だ。
人気は「甲州鳥もつ煮」(写真上)。ご当地グルメのグランプリを決めるB-1グランプリにおいて優勝したことがあり、今や山梨を代表する料理だ。鶏のもつを醤油と砂糖で甘辛く煮ており、もつの弾力を感じつつも臭みがない。うどんのあとでも箸が止まらない一品だ。
「ちょい辛野沢菜炒め」(写真上)は、野沢菜の漬け物を炒めた料理。ゴマ油の香ばしさとタカノツメのピリリとした辛さがこれまたクセになる味で、お酒のつまみにぴったりだ。
▲山梨県の日本酒や焼酎が取り揃えられ、つい長居してしまいそう
店舗は1階がカウンター、2階が小上がりになっており、うどんをさっと食べるもよし、居酒屋として利用してもよし、さらには飲んだあとの締めのうどんを楽しんでもよし。「吉田うどん」をメインにしながら、さまざまなシーンに対応できるのもうれしい限りだ。
「山梨の食文化をもっと広めたい」と山本さん。今後の動きに期待したい。
▲山梨県出身の山本健一さん(右)と弟の達也さん(左)
【メニュー】
かけうどん 肉きつね 800円
つけ麺 肉きんぴら 900円
甲州鳥もつ煮 580円
ちょい辛野沢菜炒め 480円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税別です
吉田のうどん 月見里
- 電話番号
- 03-6905-6535
- 営業時間
- 11:00~15:00(L.O.14:30)、18:00~24:00(L.O.23:00)
- 定休日
- 無 ※悪天候・交通状況によって休業の場合あり
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。