和の名料理人『懐石 小室』店主小室光博さんが、特別にレシピを公開!
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小室さんの目と舌で選ばれる、信頼の季節の食材。『懐石 小室』では、それらを椀物や焼き物、煮物など日本料理のおまかせコースとして月ごとに展開している。器にも造詣が深く、コレクションも多彩で、季節を目でも感じられるのが嬉しい。家庭で季節の食材をシンプルに楽しむなら「和え物」ということで、春の山菜を用いたごま和えを教えていただいた。
「和え物は、食材と和え衣をそれぞれ用意し、食べる直前に和えると水っぽくなりません。何度も作って自分好みの具材と和え衣のバランス、味の濃度を見つけてください」
まずは作って食べてみることからスタート。その味わいを体験してみましょう!
小室さんから紹介いただくのは、「山菜のごま和え」
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煎りごまは開封すると香ばしさが飛んでしまうので、使う前に煎りなおして香りをたたせます。
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このひと手間が大事! 和え衣はごまとだしと薄口醤油の3つです。うまみのある鶏肉を加えると、砂糖なしで味がまとまります。
プロの味に近づく、3つの秘訣
季節の野菜でアレンジできる「山菜のごま和え」レシピをご紹介します。
次の「3つの秘訣」でおいしさアップ。省くことなく、実践しましょう。
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【その1】具材は和えやすく、食べやすい大きさにそろえる
具材は、3cmくらいの大きさにそろえましょう。衣をまといやすく、ひと口で複数の具材が味わえます。
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【その2】ごまは使う前にもう一度煎って、香ばしさを復活
ごまを鍋に入れ、まんべんなく火が通るようにやや火から離したところでゆすりながら煎ります。
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【その3】水気をよくしぼり、食べる直前に和える
生で食べられる具材は生のまま加えて食感アップ。食べる直前に混ぜると水っぽくなりません。
材料(4人分)
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■基本のごま衣
・白ごま(いりごま) … 大さじ4
・薄口醬油 … 大さじ1弱
・だし(鰹、昆布) … 大さじ1
■具材
・山うど … 9cm
・うるい … 100g
・こしあぶら … 30g
・熱湯(ゆがき用) … 適量
・塩(ゆがき用) … 少々
・ささみ … 1本
・酒(酒蒸し用) … 適量
作り方(調理時間:約40分)
■下準備
・調味料を計量する。
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・うるいとこしあぶらは、塩を入れた熱湯で1分~1分半ゆがく。冷水にとって冷まし、長さ3cmほどに切りそろえ、水分をしっかりしぼる。
・小皿にささみを入れ、表面がしっとりする位の酒を注ぎ、蒸し器で蒸す。ほどよく火が入ったら取り出して冷まし、指で割く。
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・山うどは長さ3cmに切り、厚めに皮をむく。厚さ1.5mmの短冊切りにする。軽く水にさらしてアクをとり、水気をふき取る。(食感を生かし、山うどは生で使用)
準備完了。調理スタート!
<ごま和え衣を作る>
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① 小鍋にごまを入れ、遠火の強火で、鍋をゆすりながら芳ばしい香りがするまで煎る。
- ポイント
- 黄金色に色付くまで、絶えず鍋をゆする。決して焦がさないこと。
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② ①をすり鉢に入れ、すりこぎ棒を回してごまをする。
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③ 薄口醤油とだしを混ぜる。
- ポイント
- ・広がったごまは、ゴムベラを使うと集めやすい。具材は食べる直前に和える。
<食べる直前に和える>
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④ うど、ささみ、うるいを加えて軽く和え、最後にこしあぶらを加えて全体を和える。
- ポイント
- ・具材に水分が多いと味がぼやけてしまうので、ゆがいた野菜はしっかりしぼっておくこと。
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⑤ 衣がしっかり絡んだら、器に盛る。
完成!
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「ごまを煎りなおすひと手間で、味わいは格段に変わります。食材のもつ水分によって味の濃淡が変化しますので、味見をして薄いときは薄口醤油で調整するとよいでしょう。ぜひ季節の食材で作ってください」と小室さん。
山菜それぞれの食感が楽しく、噛むたびにごまの香りがふわっと広がります。いつもと違う香ばしさにびっくり! 箸の止まらない一品になりました!
編集協力:須永久美
撮影:平瀬夏彦
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2018年2月『懐石 小室』の移転後の店と、春の料理を特別取材。訪れるものの心を掴む、小室光博氏の魅力に迫りました。
ご紹介記事はこちら!
懐石 小室
- 電話番号
- 050-5487-3109
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
- 営業時間
- 12:00~13:00
17:00~20:00
〜2月7日
- 定休日
- 日曜日
祝日
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
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