点心を高級中華に昇華させる『YAUMAY』
2018年11月8日、東京・丸の内に開業した商業施設『丸の内二重橋ビル』。その商業ゾーン『二重橋スクエア』2階に、ロンドンのカリスマレストランプロデューサー、アラン・ヤウ氏による点心専門店『YAUMAY(ヤウメイ)』がオープンし、人気を集めている。
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香港出身のアラン氏は、現在18カ国で展開している日本食レストランチェーン『wagamama(ワガママ)』の創業を皮切りに、ロンドンで超人気の点心レストラン『HAKKASAN(ハッカサン)』『Park Chinois(パーク・シノワ)』を展開。
一流シェフによる本格的な点心を、内装にもこだわったスタイリッシュな空間で提供する“ブティック・ディムサム(ファッショナブルな点心)”旋風を巻き起こした人物として有名だ。2006年には外食業界への貢献度が評価され、イギリスの大英帝国勲章を受賞している。
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▲インパクトのあるエントランスに期待も高まる
同店のオープンにあたっては、海外でヘッドシェフを務めていた名だたる4名のシェフが集結。世界中でも、ここでしか食べられない独創的な点心を提供している。
全てが見えるキッチン、高級レストランのようなフロア
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入り口を通るとすぐ目に入るのが、英国風のクラッシックなスタイルの中にスタイリッシュなセンスを感じさせるウェイテイング・バー。
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バーカウンターに向かって左奥には大きなガラス張りのテラス席がある。皇居前・丸の内仲通りを見下ろすことができる開放感のある空間で、これからの季節には街路樹の緑が鮮やかに映えるだろう。
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バーカウンターに向かって右側には、レストランフロアに通じる細い廊下が伸びている。そこを進むと、右手に突然、オープンキッチンが出現!
広いキッチンのほぼ全てが見渡せ、まるでキッチンの中を通り抜けているような錯覚をおぼえるほどの臨場感だ。
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点心をつくりあげる作業台が通路に沿って設置されており、目の前で世界的なシェフたちの鮮やかな手さばきを逐一見ることができる。目の前で次々に美しい点心が誕生していく様に、目が釘付けになる。
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レストランフロアに目を向けると、そこにはヨーロッパのテイストが効いたモダンでスタイリッシュ、かつ高級感のある空間が広がっている。
日本初!寿司屋の影響を受けた点心のシェフズ・テーブル
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フロアとキッチンの間には、キッチンが見渡せるカウンター席が設けられている。アラン氏が寿司屋で用いられている白木(塗料を塗らず白地のまま仕上げた木材)からインスパイアを受け、点心をカウンターで楽しめるシェフズ・テーブルを日本で初めて実現したという。
寿司屋のように、カウンター越しに食べたい料理を目の前にいるシェフに自由にオーダーでき、おまかせでコースを楽しむこともできる。
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▲カウンターには、8cmもの厚さがあるヒノキの一枚板を使用
一流シェフが厳選した、約20種類のオリジナリティあふれる点心!
空間もさることながら、さらにユニークなのが料理だ。一般的な中華レストランは、前菜をはじめ炒め物や揚げ物、麺類、ご飯類などメニューの豊富さが特徴だが、同店が提供するのは、中華のトップシェフたちが厳選した点心約20種類のみ。
しかも、本来は朝食や昼食として屋台などで食べるような軽食である点心を、ディナータイムにもランチタイムと同メニュー・同価格で提供している。
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多くの料理は、3個1セットで小さな蒸籠(せいろ)に入り、熱々で運ばれてくる。一番人気だという「帆立焼売」(写真上)は、下の部分がエビとイカのすり身、上にホタテが丸ごと入っている一品だ。
ひと口ほおばると、すり身のなめらかさ・ホタテの弾力・トビコのプチプチ感と、さまざまな食感が交錯し、各食材の濃厚なうまみがひとつになって口の中に広がる。
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繊細な皮から透けて見えるグリーンが鮮やかな「豆苗と海老の蒸餃子」(写真上)は、食感がしっかりした台湾の豆苗とエビのすり身を、米粉で作った皮で包んだもの。エビのプリプリ感、豆苗のシャキシャキ感、そしてプルプルした食感のなめらかな皮のハーモニーにうっとりする。
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そして同店の看板メニューともいえるのが、柔らかい子鹿肉をエシャロットとともに煮込み、香ばしいパイ生地で包みあげた独創的な点心「蝦夷鹿肉のパイ包み」(写真上)。
熱々のパイ皮はサクッと芳しく、鹿肉はほのかな甘みの後に鮮烈で複雑なスパイスの香りが広がる。このバランスが絶妙だ。点心のようでもあり、フレンチのパイ包みのようでもあり、たまらなくワインが欲しくなる一品。
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続く「クリスピーアロマダック」(写真上左)は、アラン氏が展開するレストランの定番メニューとして、世界中で愛されている「クリスピー・ダック」を北京ダックスタイルに仕上げている一品だ。
ボリュームもあるので、グループでシェアするのにぴったりの一皿だ。キャビアを乗せた『YAUMAY』オリジナルスタイル(写真上・右)には、「これが点心!?」と誰もが驚くことだろう。
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デザートのおすすめ「カスタードパン」(写真上)は、割るとアヒルの卵の卵黄で作った熱々のカスタードがとろりと流れ出すので、食べる際にはご注意を。
カスタードはわずかな塩味があり、非常に濃厚。かなりのアツアツだが、このなめらかさを味わうためには、運ばれてきたらすぐに食べるのがおすすめだ。
新たな中華の可能性を感じる点心専門店
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ほど近い日比谷エリアには、“世界一安いミシュランガイド掲載レストラン”と称される香港の点心レストラン『ティム・ホー・ワン』があり、渋谷にはサンフランシスコ発の飲茶・点心レストラン『ダンプリングタイム 餃子時間』が日本初上陸するなど、点心は今、大きく進化しつつある。
そのなかでも際立って異彩を放っているのが同店。
おしゃれで高級感がありながら、カジュアルな点心のよさも持ち合わせており、女性一人のランチから接待まで、さまざまなシーンで使い勝手がいい。今までの“点心”とはまた違ったおもしろさを持つ新たな店が誕生した。
【メニュー】
海老蒸餃子(3個)900円
帆立焼売(3個)1,300円
蝦夷鹿肉のパイ包み(3個)1,500円
クリスピーアロマダック 4,800円
トッピング用のキャビア(クリスタルインペリアルゴールド 30g)12,000円
カスタードパン(3個)800円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税別です
※別途10%のサービス料あり
YAUMAY
- 電話番号
- 03-6269-9818
- 営業時間
- ランチ:11:00~15:00(L.O.14:30)、ディナー:17:00~23:00(L.O.22:30)
- 定休日
- 不定休日あり ※※但し、1/1及び法定点検日は除く(店舗により異なる場合があります。)
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
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