新グルメスポット「裏浅草」には隠れた名店が多数!
観光客で賑わう浅草寺を抜けて少し歩いた先にある、閑静な一角“浅草観音裏(あさくさかんのんうら)”。かつては花街として栄え、老舗料亭や名店が軒を連ねていたこのエリアには、今もなお伝統を守る老舗が点在する。
しかし最近では意欲的な新店も増え、グルメスポットとしての注目度が急上昇。“裏浅草”とも呼ばれるこのエリアは、老若男女問わず、美味を求める人たちで賑わいを見せている。
今回は、そんなグルメスポット裏浅草でオススメのお店を6軒紹介しよう。
【1】原点回帰のビストロ料理にファン多し! 抜け感のあるクラシカルが魅力『ノウラ』
浅草寺から北へ進み、老舗料亭が並ぶ通りを超えて住宅地に入ったところにあるフランス料理店『HOMMAGE(オマージュ)』をご存知だろうか。『ミシュランガイド東京 2019』で二つ星を獲得し、地元からも遠方からもファンが絶えない超人気店だ。
その店のすぐ裏手にあるのが、今回紹介する『noura(ノウラ)』。
そう、こちらの店は、『オマージュ』の荒井昇シェフによる2号店。『オマージュ』が創作フレンチであるのに対し、『ノウラ』は正統派ビストロ。そういった意味でも、独特なネーミングに納得がいく。
腕を振るうのは、20年前に荒井シェフとともにフランスで修業をしていた松本義夫シェフ。
“普遍的、時代に捉われない”というコンセプトの通り、白を基調にした食器やリネン、清潔感のある内装は、松本シェフの料理をさらに魅力的に映し出す。
「オニオングラタンスープ」(写真上)も、クラシカルなレシピを忠実に再現。2時間かけてじっくり炒めたたっぷりのタマネギと、濃厚なグリュイエールチーズを使っているが、 オニオンスープにありがちな“クドさ”はない。濃厚さを感じる一歩手前、不思議とスルスルといただける味わい。松本シェフの作る料理には、計算された“抜け感”があるのだ。
150~200gのオーストラリア産ブラックアンガス牛を強火でサッと焼いた「ステックフリット」(写真上)も、シンプルながら絶妙な火入れ。肉のうまみを逃がさぬよう、表面に薄くカリッとした膜を作る松本シェフのテクニックは実に見事。
流行りを追わず、ただまっすぐに美味を求める『ノウラ』ならば、どんなときでもあなたに口福感を与えてくれるはず。
noura
- 電話番号
- 050-5488-3168
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
- 営業時間
- 水~日・祝日
ランチ 11:30~15:00
(L.O.13:30)
ディナー 18:00~22:00
(L.O.20:00)
月曜祝日の場合は営業いたします。翌々日の水曜日が振替の店休日となります。
ご予約は前日の午前10時より受け付けております。なお、ご予約ご希望日の前日がお休みの場合、その前の営業日が受付日となります。また6名様以上の団体様や貸切でのご予約の場合は優先的に先のご予約も受け付けております。その場合はご予算などを相談の上、事前にお料理をお決め頂いておりますのでご了承ください。
- 定休日
- 月曜日・火曜日
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
【2】繊細な技術と“遊び心”が共存。本格フレンチをリーズナブルに愉しめる『ルディック』
「浅草 花やしき」の裏にひっそりと佇むのが、フランス料理店『Ludique(ルディック)』。
店の扉を開けると、オープンキッチンのカウンター7席とテーブル席8席のこぢんまりとしたアットホームな雰囲気。『ルディック』を切り盛りするのは、大塚勝也シェフ。本場フランスのパリやコルシカ島の星付きレストランで3年ほど修業した後、青山の名店『ロアラブッシュ』などの一流店で研鑽を積んできた実力派だ。
「ルディック」とは、フランス語で「遊び心」の意味。
「素材や味わいを重ねていくフレンチの基本を大切にしながら、そこに僕なりの遊び心をプラスした料理を組み立てています」という大塚シェフの言葉をそのまま体感できる料理の数々は、連日食通を唸らせている。
「フォアグラの最中」(写真上)は、下にはリンゴのコンフィチュール、上には柚子のジャム、最中の中にはフォワグラのムースが入っている。
フォアグラのムースは、本場フランスではクレームブリュレにするのが一般的だが、あえて最中と合わせることで、サクサクとした食感とのコントラストを愉しむことができる。また、手で食べるスタイルのため、ひと口目はリンゴのコンフィチュールが、ふた口目には柚子のジャムが、2つの味わいを順に楽しめる演出もニクい。
この日のメイン「地鶏のバロティーヌ ブランケット風」(写真上)は、開いた鶏モモ肉の中に豚ホホ肉と、豚肩肉などのミンチ、鶏レバーを巻いて低温で時間をかけて火入れしたもの。ソースはフォンドボーとベシャメルソースに、シブレットというアサツキに似たハーブを合わせたソースで、さらに上にトリュフを贅沢に添えている。ソースの香りをまとった力強い肉のうまみは、ワインの杯を重ねたくなるような味わい。
本格的でありながら、コースは9皿5,000円(税別)というから驚き。多くの老舗がある裏浅草の地でも、長く愛され続けること間違いなしだ。
Ludique ~ルディック~
- 電話番号
- 050-5486-8664
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
- 営業時間
- 土・日・祝
ランチ 12:00~14:30
(L.O.13:30)
月・火・木~日・祝日
ディナー 18:00~23:00
(L.O.20:30)
- 定休日
- 水曜日
年末年始(2020年12月29日~2020年12月31日)
その他(2021年1月4日~2021年1月7日)
木曜日を中心に不定休日あり
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
【3】和食、器、ワインが好きなら絶対訪れたい。隠れ家的和食店『こへると』
2019年1月にオープンした『和食とワイン、酒 こへると』は、本格的な和食を高コスパで楽しめる和食店。浅草駅から徒歩12分、決して駅近とは言えない立地ながら、オープン直後から多くの食通たちを集める人気店となっている。
店内はカウンター5席を含めて18席。カウンター奥には、料理人の金澤祐樹さんの姿が常に見える。
『こへると』は1品1,000円以下のアラカルトも豊富だが、一番人気は5,000円(税別)のおまかせコース。メニューは月替わりなので、訪れるたびに新しいおいしさに出逢うことができる。
山海の素材を使用した肴の盛り合わせ「八寸」(写真上)。
上から時計まわりに「新玉葱ムース」「姫サザエつぼ焼き」「大鰐(おおわに)温泉もやし 黄味酢がけ」「飯蛸(いいだこ)桜煮」「新じゃが蕗味噌(ふきみそ)和え」「稚鮎南蛮漬け」、中央は「クリームチーズ味噌漬け」。
「八寸」といえば、通常はコース中盤に供されることが多いが、『こへると』では2品目に登場。「最初にインパクトがあったほうが盛り上がっていただけるし、お酒も進みますから」(金澤さん)と、ここにもお客へ気遣いが。
この日の焼物は、「桜鯛山吹焼き」(写真上)。
備長炭で焼き上げた桜鯛に、玉素(たまもと:卵黄に米油、薄口醬油と塩で調味したマヨネーズのようなソース)をかけて、やわらかな炭火でさらに火入れ。酒、塩、昆布だしで味をつけた卵を湯煎でじっくり火を通し、細かくそぼろ状にした炒り卵をトッピングすれば完成だ。
丁寧に調理された料理は、それぞれ個性豊かな器とともに供される。器は滋賀県の陶芸家・澤克典氏のものを中心にそろえ、どれも美術品のように美しい。ソムリエの音成麻衣さんが毎月入れ替える、こだわりのワインも見逃せない。
和食が好き、ワインが好き、器が好き。どれかひとつでも当てはまったなら、ぜひとも訪れてほしい一軒だ。
こへると
- 電話番号
- 050-5488-2987
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
- 営業時間
- 18:00~24:00
- 定休日
- 水曜日
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
【4】どこか懐かしい「チューリップ」が名物! 超実力派シェフによるビストロ『ペタンク』
『dressing』の賢人でお馴染み、森一起さんの人気連載から紹介するのがこちらの一軒。“マイクロビストロ”の肩書きを持つ、カウンタービストロ『ペタンク』だ。
同店は、山田武志シェフがおひとりで営む店。山田シェフといえば、五反田『ヌキテパ』、ハンガリー大使館、パリ『ズ・キッチン・ギャラリー』を経て、銀座『グレープガンボ』、浅草橋『FUJIMARU』の料理長に就任するなど、さまざまなフランス料理店で研鑽を積んだ超実力派。
カウンター8席のみのこぢんまりとした店内は、初来店でも不思議とほっこりとしてしまうような、温かい空気感に包まれている。観音裏に店を出すことを決めてから、山田シェフ自ら自転車で物件を探し回り、やっと見つけた一軒だそう。
同店の人気メニューといえば、「チューリップ」(写真上)と「ウフマヨ」。2017年4月のオープン以来、すっかり定番となった2品には、「もっと気軽に、ワインと料理を楽しんでほしい」という山田シェフの想いが込められている。
チューリップに使用する鶏肉は、近くの千束通り商店街にある『竹松鶏肉店』で調達。山田シェフと同じく、かつて銀座三原小路にあった人気ビストロ『グレープガンボ』の卒業生である料理人・和知徹さんから教わった、130年以上の老舗だ。
シンプルなルックスの「ウフマヨ」(写真上)も、たかがゆで卵…と侮ってはいけない。ウフマヨの主役であるマヨネーズは、塩と酸の代わりにアンチョビとマスタードで調味。濃厚でクリーミーながら個性の光る一品で、この味を求めて再訪するファンが多いことにも納得だ。
楽しく食べて、楽しく飲む。そんな喜びを温かな空気とともに体感できるのが、ここ『ペタンク』なのだ。
ペタンク
- 電話番号
- 03-6886-9488
- 営業時間
- 17:00~23:00(L.O.)、土・日15:00~21:00(L.O.)
- 定休日
- 不定休
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
【5】ミシュランガイド史上初掲載となる、最安価格のおにぎり専門店『おにぎり浅草宿六』
昭和29年に創業した東京最古のおにぎり屋さんが、『ミシュランガイド東京 2019』の「ビブグルマン」(5,000円以下でコストパフォーマンスに優れたお店)に選出された。それが、『おにぎり浅草宿六(やどろく)』だ。
店内はまるで寿司屋のよう。L字のカウンター8席(写真上)を中心に、2卓のテーブル席で構成されており、寿司屋のネタケースを彷彿させるショーケースの中には、色とりどりのおにぎりの具材が並んでいる。
具材の種類は常時17種類前後をラインナップ。海苔・米・具というシンプルな要素で構成されるゆえ、素材に対するこだわりに余念がない三浦さん。毎年、自身が米の出来を味見して、一番おいしいと思う単一原料の米を採用しているそう。また東京湾産の江戸前海苔や、創業当時から取引関係のある具材の調達に至るまで、初代から受け継がれたスタイルも健在だ。
まさにおにぎりのパイオニア的な『宿六』。ぜひ“ビブグルマン”の味を堪能してみてはいかがだろうか。
宿六
- 電話番号
- 03-3874-1615
- 営業時間
- 昼11:30~、夜18:00~ *昼夜ともにご飯がなくなり次第終了
- 定休日
- 昼は日曜、夜は火曜・水曜
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。
【6】週末だけ鮨屋になる⁈ 『舎利処じゅうしち』
都内でも屈指の人気を誇る蕎麦店『浅草じゅうろく』。この『浅草じゅうろく』がなんと週末だけ鮨屋に様変わりする。土曜日と日曜日のランチタイムのみ、『舎利処じゅうしち』という屋号で鮨屋として営業しているのだ。蕎麦店と同じ店舗で、特定日だけ開く、カウンターに石臼のある鮨屋! 隠れ家感というか、知る人ぞ知る感満載の話題の鮨屋だ。
ネタは豊洲で数時間かけて選んだ逸品ぞろい。写真上は江戸前で取れたという「穴子」。大ぶりなサイズに驚くが、食べると他の魚とは違う穴子独特な身のほぐれ方と甘さ、それを引き締めるシャリがまたおいしい。そのほか、江戸前の古典ネタである「小肌」は熊本県産のものを使い、寝かせて3日経ったもの。マグロは”大間”という、名前を聞いただけで期待値が上がる贅沢な一品。
ところで、握りから鰹のような風味を感じることに気が付く。煮切りやツメ、ヅケにする漬け地は蕎麦のかえしやだしを使っているためだ。
浅草に行ったらぜひ訪れてほしい一軒である。
舎利処じゅうしち
- 電話番号
- 03-6240-6328
- 営業時間
- 12:00~14:00 ※土曜・日曜のランチタイムのみ
- 定休日
- 月~金
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。