『銀座 うち山』で修業を積み、29歳の若さで独立
「日本料理は、雑味や灰汁(あく)を取り除いて素材の持ち味を活かす“引き算の料理”と言われますが、わたしはそこに、うまみや食感のおもしろさを加えることで、引き算と足し算の両方を掛け合わせた料理を提供していきたいんです」
そう語るのは、2019年8月29日にオープンしたばかりの日本料理屋『銀座 左うま(さうま)』店主の對馬達也(つしまたつや)さん(写真下)。
地元・仙台の調理専門学校で料理のいろはを学び、京都や都内各所の日本料理店を巡った後、『銀座 うち山』で修練を積み、29歳という若さで独立することになった。
お店はカウンターのみで、席数は8席。目の前で料理ができあがる様を一体となって楽しんでほしいとの想いから、ランチ、ディナーともに開始時間を固定。隣に座るお客とも、自然と笑顔を交わし合えるのがうれしい。
嶺岡豆腐+パン粉+毛ガニ=冷たいカニクリームコロッケ!
さて、さっそく料理を紹介しよう。
一品目に紹介するのは、落花生ペーストに、牛乳と生クリームで練り上げてつくる「嶺岡豆腐(みねおかどうふ)」をかけ合わせた「落花生豆腐」(写真上)。
千葉県嶺岡地方発祥の嶺岡豆腐に、同じく千葉名物の落花生を「足し算」しただけでなく、北海道産の毛ガニ、花穂紫蘇(はなほじそ)、ローストしたパン粉を振ることで、すべて同時に口に入れたとき、ひんやり濃厚なカニクリームコロッケのような味わいが楽しめるように仕上がっている。
落花生豆腐のまろやかさ、パン粉のサクサク感、毛ガニのうまみが混然一体となり、鼻からは花穂紫蘇の爽やかな香りが抜けていく感動は、周りのお客と分かち合えばさらに大きくなりそうだ。
玉露の香り豊かな蕎麦で箸休め
続いて紹介するのは、箸休めとして提供している「蕎麦」(写真下)。
梶の葉を蓋代わりにして供するアイデアもとてもユニークだが、昆布だしに玉露を「足し算」したつゆはさらに個性豊か。
昆布だしのうまみに玉露の豊かな香りが加わったことで、どこまでも繊細で上品な味わいへと昇華されている。
トッピングは、涼やかな見た目のもずくと、北海道産の上質なウニ。すべてを箸でさっと混ぜてすすってのど越しを楽しんだ後は、玉露が芳しく香るつゆをぐっと飲み干したくなること必至。
日本全国から、そのときどきでもっともおいしい食材を取り寄せ
続く3品目は、季節の味わいいっぱいの「お椀」(写真下)。
丁寧に骨切りした後、だしの中で開かせた牡丹鱧(はも)とマツタケがたっぷり入った一杯は、日本料理の真髄を堪能できる繊細な味わい。昆布、カツオ、メジマグロでとったすまし汁をすすると、気持ちまで澄み切っていきそうだ。
ちなみに、鱧は天草産、マツタケは岩手県産だが、食材は日本全国から仕入れているとのことで、提携先とも相談しながら、そのときどきでもっともおいしいものを選んでいるのだとか。
上質な仙台牛サーロインと5種のキノコの絶妙な組み合わせ
最後に紹介するのは、「仙台牛ランクのサーロインとキノコのお鍋」(写真下)。
まろやかな風味と豊かな肉汁が特徴の仙台牛サーロインを生の状態で入れた器に、厚削りのカツオと昆布で仕立てた鍋用だしで火を通したキノコを汁ごと注いでゆく。
蓋をして10秒ほど蒸らし、肉が余熱でほんのり色づいたら出来上がり。
秋の味覚キノコは、白マイタケ、ハナビラダケ、大黒シメジ、アワビ茸、ヤマブシダケの5種。食感や風味が異なるキノコを少しずつ楽しめるのもうれしく、キノコから染み出したうまみ成分がつゆの味わいをじんわりと深めてくれているのもミソ。
上質な仙台牛サーロインにも濃厚なうまみが浸透し、食べ進めてお椀の底が見えてくると名残惜しくなってしまう。
要望があれば日本酒ペアリングも対応
もちろん、料理に合わせた味を楽しめるよう、日本酒の品ぞろえも豊富。新潟県『青木酒造』の「鶴齢(かくれい)」をはじめとする人気の味はもちろん、地元・仙台の銘酒を知ってほしいと、伊達家御用達蔵『勝山酒造』の日本酒も常備している。
「日本酒のペアリングもおすすめですし、お好みのお酒と一緒にお料理を楽しんでもらえるよう、ワインやビールも用意していますよ」と對馬さん。
今なら、『銀座 うち山』名物の「鯛茶漬けランチ」もご用意!
現在はオープン記念として、『銀座 うち山』の名物として知られる「鯛茶漬けランチ」のパワーアップバージョンを提供中。
鯛茶漬けに加えて、夜のコースでも供している手の込んだ料理が小鉢として3種ついてくるので、お得に楽しめる今のうちに、ぜひお店を訪れてみては?
撮影:岡崎慶嗣
【メニュー】
▼ランチ
鯛茶漬けランチ 2,000円(オープン記念の期間限定メニュー)
コース 8,000円
▼ディナー
コースのみ 20,000円~
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税別です
銀座 左うま(さうま)
- 電話番号
- 03-6263-0309
- 営業時間
- ランチ12:00~ ディナー18:00~(昼、夜ともに一斉スタート)
- 定休日
- 不定休日あり
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。